2012年01月29日

葬儀費用は相続財産から負担するものですか(遺産分割)

葬儀費用は相続財産から差し引かれるものですか?との相談を受けました。
葬儀の喪主になった相続人から疎遠に扱われ、葬儀にも呼んでもらえなかったので、葬儀費用を遺産から負担することには納得できないとのことです。

この点について、次のような裁判例があるので参考にしてください。
「葬儀は何人がしなければならないとの定めはないから自ずから慣習条理に従うほかない・・・等の事情を勘案すれば、被告A1・・・及びIは、条理上、Bの葬儀費用等を分担すべき義務があるというべきである。しかし、被告ら及びIが・・・葬儀にも出席していないこと・・・からして、原告が支払った葬儀及び納骨などの諸費用のうち、Bを弔うのに直接必要な儀式費用のみを被告らが相続分に応じて分担すべきものと解するのが相当である。」
「通夜、告別式等の会葬者等の飲食代金や返礼の費用、籠盛、生花、放鳥、戒名代、法要代、・・・納骨冥骨金等はこれに含まれず、被告らが負担すべきものではない。」出典 裁判所HP 津地方裁判所平成14年7月26日判決・葬儀費用等分担請求事件
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2か月後に更新時期を迎える賃貸アパートの家主から更新しないと言われました(借家)

賃貸アパートに住んでいて2か月後に更新時期を迎えるのだが、家主から突然、「更新しない。明渡しを求める」と言われた、との相談がありました。

結論から先に言うと、家主の更新拒絶は認められません。

建物の賃貸借について期間の定めがある場合、家主による更新拒絶が認められるためには、更新拒絶の意思表示が期間の満了の1年前から6か月前までの間に行われ、かつ、更新拒絶に正当事由がなければなりません(借地借家法26条、28条)。

上記の借地借家法の規定は強行規定であり、これに反する特約で賃借人に不利なものは無効です(借地借家法30条)。ですから、契約書に「家主はいつでも更新拒絶できる」といった文言があったとしても、借地借家法に違反するので無効ということになります。

家主さんに、借地借家法の定めはこうなっていますと話して、更新拒絶は認められないことを理解してもらってください。

ただし、契約が、借地借家法で厳格な要件のもとで認められている「定期建物賃貸借契約」(借地借家法38条)にあたる場合は、そもそも契約の更新はありません。ですが、ご相談の事例は定期借家契約ではなさそうですので、更新が認められます。

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2012年01月28日

最高裁判決に対する自由法曹団の声明

自由法曹団は、君が代斉唱時の不起立等について戒告処分を適法であるとした最高裁判決に対する抗議声明を出しました。

http://www.jlaf.jp/html/menu2/2012/20120125142214_5.pdf
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2012年01月27日

自己破産すると財産は全て処分されるのでしょうか。自由財産とは何ですか(債務整理)

自己破産した場合に、手もとにある財産が1円分も残さず換価して債権者への配当に充てられるというわけではありません。

自由財産に当たる財産は、破産管財人が換価処分して配当することなく、破産者が自由に処分することができます。

自由財産に当たる財産は、
@破産者が破産手続開始後に新たに取得した財産(破産法34条1項)
A99万円までの現金(破産法34条3項1号、民事執行法131条3号、同法施行令1条)
B差し押さえることができない財産(破産法34条3項2号)
C破産管財人が破産財団から放棄した財産や自由財産の範囲の拡張の裁判がされた財産(破産法34条4項)
です。

自由財産の範囲の拡張については、各裁判所の運用の基準や過去の事例に照らして、認められるかどうかよく検討する必要があるので、自己破産申立ての際には、依頼する弁護士とよく相談なさってください。
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2012年01月26日

被災者の方の私的整理の際の自由財産が500万円に拡張されました(債務整理)

http://www.kgl.or.jp/news/20120125.html

詳しくは上記の「個人版私的整理ガイドライン運営委員会」をご参照ください。
二重ローン問題などで悩んでいる被災者の方は利用を検討してください。
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2012年01月25日

遺産分割審判の結果、不動産が共有になった場合どうすれば良いのでしょうか(遺産分割)

相続財産の内、不動産の占める割合が多く、相続人の一人に取得させることが不適当な場合、相続人の共有になってしまうことがしばしばあります。

共有のまま使用し続けることは難しいので、共有物の分割を求めるのが普通です。
共有者間で分割を協議してもまとまらないときは、地方裁判所(家庭裁判所ではありません)に共有物分割訴訟を提起することになります。
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2012年01月24日

借地を地主に買い取ってもらいたい(借地)

借地の上に建物を所有しているが事情があって手離したいという場合どうすれば良いでしょうか。

地主に借地権を買い取ってもらいたいところですが、借地人には地主に対して借地権の買い取りを請求する権利はありません。

このような場合は、借地権付き建物を買ってくれる人を探して下さい。
買い主が見つかったら、地主に対して借地権譲渡の承諾を求め、承諾してもらえない場合は借地非訟という手続きで地主の承諾に代わる許可を裁判所に出してもらいます。その手続きの過程で、地主が借地権を買い取る(介入権)こともあります。
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2012年01月23日

住所だけでなく勤務先も不明の被告に対する訴訟(民事訴訟一般)

氏名と勤務先がわかっていれば、被告の特定はできています。
しかし、インターネット上での不法行為など、相手方のインターネット上での名称はわかっているが、住所、勤務先や事務所はわからないという場合はどうすれば良いのでしょうか。

このような場合は、弁護士会照会制度やプロバイダ責任制限法による発信者情報開示請求によってプロバイダに対して、発信者情報開示を求めることが考えられます。

ただし、弁護士会照会には強制力がなく、発信者情報開示請求はインターネット上の情報がプライバシー、名誉棄損などの明確な権利の侵害にあたる場合でなければ情報が開示されない場合があります。

そのような場合、住所不明、氏名「●●●●」として訴訟を提起し、同時に調査嘱託の申し立てをして、被告の住所などを裁判所から問い合わせてもらうという方法が考えられます。
posted by siinoki at 10:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律相談・労働相談

2012年01月22日

住所不明の被告に対する訴状送達(民事訴訟一般)

住所が不明(勤務先はわかっている)の相手に対して訴訟を起こす場合は次のような流れになります。

まず、住所が不明であることを住民票、戸籍付票、調査報告書等で説明して、就業場所での送達をしてもらいます(民訴法103条2項)。
就業場所で従業員など書類の受領について相当のわきまえのある者が書類の交付を受けることを拒まないときは、有効な送達になります(民訴法106条2項)。

就業場所での送達ができなかった場合、就業場所にあてて付郵便送達をすることはできません(民訴法107条1項参照)。
就業場所への送達が受領拒絶等によって送達できなかった場合は、公示送達によることになります(民訴法110条1項2号)。
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2012年01月21日

未払残業代の請求のための手続(労働事件)

未払残業代の請求をしようとする場合に、通常訴訟、労働審判のいずれの手続を利用するかが問題となります。

残業代の支払を怠った使用者には、労基法上、労働者の請求により、未払残業代と同額の付加金を支払うべきことが定められています(労基法114条)。この付加金は、労働者の請求により、裁判所が支払を命ずることによって初めて発生するものとされており、付加金の支払いを命ずるか否かは裁判所の裁量に委ねられています。

また、労働審判における審判委員会の審判は裁判所の判決とは異なるため、労働審判によって付加金の支払を命じることはできないと解されています。

そこで、使用者側の悪質性等から付加金の請求が認められそうで、判決までに少々時間がかかっても構わないと労働者側が考えている事案や、「管理監督者」に該当するか否かなどの点で対立があり労働審判での妥協は望めないような事案では、最初から通常訴訟を提起することになります。

それ以外の事案では、労働審判を利用することになります。
例えば、労働審判の申立以前に、訴え提起前の当事者照会を利用するなどして、使用者側からタイムカードの写しを開示させるなどして、早期に実労働時間について争いがない状態にすることは可能なので、労働審判の3回以内の期日でも、十分に残業代について明確にすることは可能です。

なお、労働審判によって残業代を請求する場合においても、申立の趣旨には、付加金を請求する旨を明記しておきます。労働審判事件が訴訟に移行した場合には、労働審判手続の申立てのときに訴えの提起があったものとみなされ、労働審判手続申立書が訴状とみなされることから、労働審判手続申立書に付加金の請求を記載しておけば、労働審判手続が訴訟に移行した場合には、労働審判手続の申立ての時点において付加金の請求をしていたものとみなされ、除斥期間との関係では、違反のあったときから労働審判手続の申立てのときまでが2年以内であればよいということになり、この点に利点があると考えられる(「労働事件審理ノート」第3版106頁)からです。
posted by siinoki at 13:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律相談・労働相談