2013年11月02日

解決金をもらって離婚を成立させた後に、不貞行為の慰謝料を請求することはできますか(民事訴訟一般・家事事件)

質問 
 妻の不貞行為などを理由に、現在離婚調停中です。
 両者とも離婚することには合意しているものの、妻が自分の不貞行為を認めていません。
 妻は、私が求めている慰謝料は支払わないが、解決金を払うから離婚をしてくれと言っています。
 もし解決金をもらって離婚を成立させたとしたら、その後から、妻の不貞行為に対する慰謝料を請求する訴訟を起こして支払わせることはできるのでしょうか?
 私としては、証拠もあるので、妻の不貞行為をはっきりさせたいと強く思っています。

答え
 解決金の支払いによって和解が成立する場合には、「和解条項で定めるものの他には両者間に債権債務が存在しないこと」を確認するのが通例です。
 つまり、解決金の受領は、相手方の不貞行為について妻に慰謝料を請求しないことを意味することになるでしょう。
 不貞相手に対しての権利を放棄したわけではないので、不貞相手に対する慰謝料請求はできると思われるかもしれませんが、不貞行為は共同不法行為ですから、共同不法行為者の一方(妻)から解決金の支払いを得れば、他方(不貞相手)の慰謝料支払い義務もなくなると解されることが多いと思います。
 ですから、不貞行為について裁判で明確にしたければ、事実をあいまいにした解決金による和解に応じるべきではなく、調停が成立しなければ訴訟を起こすべきだということになります。


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posted by siinoki at 17:49| 法律相談・労働相談