2013年12月08日

犯罪被害者支援のための弁護士の業務について

 犯罪被害者保護法・刑事訴訟法上の犯罪被害者参加制度などを利用して、犯罪の被害に遭われた方の支援のために、下記のような業務を弁護士が行うことができます。
 資力が一定基準以下の方は、犯罪被害者法律援助(「委託援助業務」=日弁連の事業を日本司法支援センターに委託して行っている業務)や、国選被害者参加弁護士制度を利用することもできます。

犯罪被害者の支援に関する弁護士の業務

犯罪被害者法律援助
 犯罪被害者等(生命、身体、自由又は性的自由に対する犯罪及び配偶者暴力、ストーカー行為による被害を受けた者又はその親族若しくは遺族が対象)が刑事告訴を弁護士に依頼する場合などが、援助の対象です。

犯罪被害者参加制度
犯罪被害者参加制度により、下記の刑事事件の被害者や被害者の遺族、被害者の心身に重大な故障がある場合の被害者の家族は、刑事事件の手続に直接関与することができます。
(1)故意の犯罪行為により人を死傷させた事件(殺人、傷害、危険運転致死傷など)
(2)強制わいせつ(刑法176条)、強姦(刑法176条)などの性犯罪
(3)業務上過失致死傷罪、自動車運転過失致死傷罪(刑法211条)などの犯罪
(4)逮捕・監禁罪(刑法220条)
(5)略取・誘拐・人身売買に関する犯罪(刑法224条〜227条)
(6)上記事件の未遂罪

犯罪被害者参加人制度による被害者参加人は、自ら、又は弁護士に委託して、下記のようなことを行うことができます。
(1)公判期日への出席(刑事訴訟法第316条の34)
(2)証人尋問(刑事訴訟法第316条の36)・被告人質問(刑事訴訟法第316条の37)
(3)被害者等の意見陳述(刑事訴訟法第292条の2)
(4)事実又は法律の適用についての意見陳述(刑事訴訟法第316条の38)
(5)付添や遮蔽など、参加しやすくするための措置(刑事訴訟法316条の39)

国選被害者参加弁護士制度があります
 資力が一定基準以下の被害者が被害者参加制度を弁護士に委託して利用したい場合には、国選被害者参加弁護士の選定を求めることができます(犯罪被害者保護法5条)。

犯罪被害者保護法により、公判記録の閲覧謄写ができます
 犯罪被害者、被害者の遺族、被害者の心身に重大な故障がある場合の家族は、第1回公判期日後、損害賠償請求権の行使のために必要があると認められる場合その他正当な理由のある場合に、公判継続中の訴訟記録の閲覧及び謄写ができます(犯罪被害者保護法第3条)。

民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解(犯罪被害者保護法13条)
 公判継続中に、被告人と被害者との間で損害賠償等について示談が成立した場合に、その内容を調書に記載することにより、民事裁判上の和解と同様に、債務名義となり執行力を有するという制度が利用できます。

損害賠償命令制度(犯罪被害者保護法17条)
 一定の類型の刑事被告事件について有罪の判決があった場合、裁判所は、損害賠償命令の申立についての審理を行います。審理は原則として4回以内で行われ(犯罪被害者保護法24条)、損害賠償を命じる決定がなされます。
 決定に対して、適法な異議申立がなされた場合には、損害賠償命令の申立時に通常の民事裁判の訴えの提起があったものとみなされて、民事裁判が開始されます(犯罪被害者保護法27・28条)。また、4回以内の審理期日で終結することが困難な事件の場合は、裁判所の職権によって民事裁判に移行することになります(犯罪被害者保護法32条)

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2013年12月07日

支払う義務のない法外な借地更新料を請求されて困っている借地人が多い  

最近、昭和20年代や30年代頃に契約された古い借地契約が、二度目や三度目の更新の時期を迎えているようです。
 土地の更地価格の●●%等の法外な「更新料」を請求されているという相談をしばしば受けます。その内の多くのケースでは、更新料を支払う義務が全くないもののように思われます。
 
 「更新料」とは、賃貸借契約の期間が満了して契約を更新するにあたり賃借人から賃貸人に支払われる金銭のことを言います。
 しかし、この「更新料」は法律で定められたものではありません。
 また、社会的に、「更新料」を支払うのが当然であるという慣習も存在しません(最高裁昭和51年10月1日判決)。
 したがって、借地契約に「更新料」支払の義務が特に定められている場合でなければ、更新にあたって借地人が「更新料」を支払う義務はありません。

 また、借地契約書上に仮に「更新料」についての定めがあったとしても、その具体的な金額や金額の算出式が契約書で具体的に定められているケースを見たことがありません。
 「更新料」の金額や算出方法が契約上具体的に定められていない場合、「更新料」の支払義務があると判断される可能性があるとしても、その金額は当事者間での協議や第三者機関の仲裁などによって定められることになります。
 地主から請求された一方的な金額や一方的な算出方法による「更新料」を納得できないまま支払う必要はありません。

 さらに、仮に契約書上「更新料」支払義務が定められていたとしても、「合意更新」ではなく「法定更新」の場合にまで契約上の規定が適用されるか否かについては、争いがあります。
 (契約書上の)「更新料」の支払義務は、法定更新の場合には生じないとの見解が有力です(借地法に反する借地人に不利な特約は無効とされるべきであることなどが根拠とされる。東京地裁昭和48年1月27日判決、東京地裁昭和51年9月14日判決、東京地裁昭和59年6月7日判決)。

 ところで、先日、借「家」契約の更新料支払義務が有効(消費者契約法に違反しない)との判決が出ました。
 地主の中には、この判決を、借地契約の更新料の支払義務を認めたものであるかのように偽り、善良な借地人を騙して法外な更新料を請求する悪徳・強欲な者が出るかもしれません。
 借地人・借家人が自らの権利と生活を守るためには、正確な法的知識が必要です。

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2013年12月06日

特別受益が認められるのはどのような場合ですか(遺産分割)

 特別受益の類型には、次のようなものが考えられます。

1)遺贈(民法903条)
2)婚姻または養子縁組のための贈与(民法903条)
3)生計の資本としての贈与(民法903条)
 生計の資本としての贈与に当たるか否か、しばしば問題になるものとして、次のようなものがあります。
 @学資
  学資も高等教育を受けるために支出した費用は特別受益にあたる場合がありますが、近年では高等教育が一般化しているため、親の扶養の範囲と認められる場合には特別受益にあたらない、あるいは相続人全員が同程度の高等教育を受けているような場合には持戻免除の意思表示があったと判断される場合があります。
 A不動産の贈与
 B生命保険
  生命保険について、最高裁平成16年10月29日判決は、「被相続人を保険契約者及び被保険者とし、共同相続人の一人又は一部の者を保険受取人とする養老保険契約に基づき保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権は、民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらないが、保険金の額、この額の遺産総額に対する比率、保険金受取人である相続人及び他の相続人との関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して、保険金受取人である相続人とその他の相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、特別受益の持戻しの対象となる」と、原則として特別受益とはならないと判断しています。
  特段の事情があるとして特別受益性を認めた裁判例に、東京高裁平成17年10月27日決定(家月58巻5号94頁)、名古屋高裁平成18年3月27日決定(家月58巻10号66頁)があります。
 C死亡退職金
  死亡退職金は遺産の前渡しと評価することは困難で、生命保険以上に、特別受益と評価することは難しいと考えられます。
 D借地権の承継や設定、相続人が底地権相当額で借地(底地)を買い受けた場合など
  審判例として東京家裁平成12年3月8日審判(家月52巻8号35頁)、東京地裁平成20年10月9日判決(判時2019号31頁)があります。
 E遺産の無償使用
  遺産である土地の上に相続人の一人が被相続人の許諾を得て建物を建て、その土地を無償で使用している場合は、使用借権が設定されている土地と評価し、使用借権相当額(更地価格の1〜3割)が特別受益と評価されるのが普通です。
  但し、場合によっては、使用借権負担による減額(使用借権相当額の特別受益の評価)を行わずに土地を更地価格で評価することもあります(土地を使用している相続人が当該土地を取得する遺産分割を成立させるような場合)。
  裁判例として、福岡高裁昭和58年2月21日決定(家月36巻7号73頁)、東京地裁平成15年11月17日判決(判タ1152号241頁)などがあります。
 F建物の無償使用
  被相続人の建物に相続人の一人が無償で居住していた場合、賃料相当額が特別受益となるという考え方と、土地の使用借権と比べると経済的価値が乏しいことなどを理由に特別受益にあたらないとする考え方とがあります。

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2013年12月04日

異母兄弟の相続分はどうなりますか(遺産分割)

質問
 先日、父が亡くなりました。相続人は母と私と妹の3人と思っていたのですが、戸籍謄本を調べたら、異母兄がいることが分かりました。異母兄は父の先妻の子です。遺言はありません。相続はどうなりますか。 
 また、母や私について相続が生じた場合についてもどうなるか教えてください。

答え
 婚姻関係にあった先妻の子(嫡出子)は、お父さんの相続について、あなたと等分の権利があります(民法900条4号)。法定相続分は、配偶者であるお母さんが2分の1、3人の子どもがそれぞれ6分の1ずつです。
 将来、あなたの実母について相続が生じた場合は、異母兄と実母との間には親族関係がないので、異母兄はあなたの実母の相続人にはなりません。
 将来、あなたについて相続が生じた場合に、あなたの実母が存命であれば、実母だけが相続人になります(民法889条1項第一)。
 将来、あなたについて相続が生じた場合に、既にあなたの実母が亡くなっていれば、あなたの兄弟姉妹が相続人となり(民法889条1項第二)、異母兄も相続人になります。但し、兄弟姉妹間の相続において、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とされています(民法900条4号但書)。ですから法定相続分は、妹さんが3分の2、異母兄が3分の1となります。
 兄弟姉妹間の相続では遺留分の権利が認められていないので(民法1028条)、遺言によって異母兄の相続分をなくすことができます。あなたが遺言で「母が私より先に死亡した場合は、私の遺産はすべて妹の○○に相続させます。仮に妹が私より先に死亡していた場合は、私の遺産はすべて妹の子の○○に相続させます」などとしておけばよいのです。
 正確な遺言書を作成し、確実に執行できるようにしておくためには、近くの公証役場や弁護士などの専門家に相談してください。

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2013年12月02日

2013.12.8 平和とくらしを守る12.8中野集会

下記の集会とデモがよびかけられています。
私も賛同しています。

日時 2013年12月8日14:00
集会 新井薬師公園
デモ出発 14:45
主催 平和とくらしを守る12.8中野集会実行委員会

戦争国家へ逆戻り、国民の目・耳・口をふさぐ秘密保護法許すな!
国民生活破壊の消費税増税を中止せよ!
コントロールは大ウソ。原発なくせ! 今は一基も動いてない。

iPadから送信
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2013年12月01日

2013.12.12 憲法改悪を阻み、秘密保護法を廃案にするために国民的共同を!

九条の会・中野の憲法問題連続学習講座第21回をご案内します。

日時 2013年12月12日(木)18時30分開演
会場 中野勤労福祉会館3階大会議室
受講料 700円 中高生無料
講師 渡辺治さん(一橋大学名誉教授)

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2か月後に更新時期を迎える賃貸アパートの家主から更新しないと言われました(借家)

賃貸アパートに住んでいて2か月後に更新時期を迎えるのだが、家主から突然、「更新しない。明渡しを求める」と言われた、との相談がありました。

結論から先に言うと、家主の更新拒絶は認められません。

建物の賃貸借について期間の定めがある場合、家主による更新拒絶が認められるためには、更新拒絶の意思表示が期間の満了の1年前から6か月前までの間に行われ、かつ、更新拒絶に正当事由がなければなりません(借地借家法26条、28条)。

上記の借地借家法の規定は強行規定であり、これに反する特約で賃借人に不利なものは無効です(借地借家法30条)。ですから、契約書に「家主はいつでも更新拒絶できる」といった文言があったとしても、借地借家法に違反するので無効ということになります。

家主さんに、借地借家法の定めはこうなっていますと話して、更新拒絶は認められないことを理解してもらってください。

ただし、契約が、借地借家法で厳格な要件のもとで認められている「定期建物賃貸借契約」(借地借家法38条)にあたる場合は、そもそも契約の更新はありません。ですが、ご相談の事例は定期借家契約ではなさそうですので、更新が認められます。

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