2014年04月30日

離婚にともなう財産分与の割合は常に2分の1か

 離婚にともなう財産分与の割合は原則として2分の1と考えられていますが、例外がないわけではありません。

 次のような事例があります。

 ■奈良家裁平成13年7月24日家裁月報54巻3号56頁
  唯一の夫婦財産であるマンションが夫の小遣いを資金として競馬をして儲けた金で購入したものであったという事案で、夫の寄与率が高いと認めて、マンション売却代金の3分の1の分与が相当であるとした。

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2014年04月28日

相続人が過払い金返還請求する場合の訴状の書き方を教えてください(民事訴訟一般・本人訴訟)

質問
 相続人が訴訟する場合の訴状の書き方を教えてください。
 父が亡くなりました。相続人は母と息子と娘(私)です。
 父の消費者金融に対する過払い金が1000万近くあります。
 母が代表で原告となり弁護士を依頼せずに訴訟する予定です。

 通常は訴状の請求の原因は下記のような書き方だと思うのですが、相続人が訴える場合はどのように記載するのでしょうか?
       記
請求の原因
1 当事者
被告は、無担保による消費者金融を主要な業務内容とする貸金業者である。
2 不当利得返還請求
(1)原告は昭和○○年頃、被告との間で金融消費貸借の包括契約を締結し、別紙計算書記載のとおり、継続的に借入及び返済を繰り返してきた(甲1)。
(2)被告開示の取引履歴に基づき、利息制限法に従い計算すると、金○○○万○○○○円の過払いとなっており、原告に同額の損失が発生し、被告が同額の利得を得たことになる。
(3)被告は、貸金業者であるところ、利息制限法に定められた上限利率を超える利息の弁済を原告から受けており、当然にその事を認識していた。従って、被告は、原告に対し、利息制限法による制限利率を超える利息弁済によって生じた不当利得につき悪意の受益者にあたり、その不当利得について、過払金発生時からその支払済みに至るまでの間、利息を付して返還する義務がある(民法704条)。
よって、別紙計算書の計算においては、過払金つまり不当利得金発生時から、同不当利得金に対し、年5分の割合による利息を計上している。
そして最終取引日の平成○○年○月○○日時点での利息金額は○○○万○○○○円となっている。

答え
 「原告は」のところを、「故・○○は」とします。
項目を一つ加えて、
「3 相続及び遺産分割協議
 (1)故・○○は、○年○月○日死亡した。
 (2)故・○○の相続人は、X(妻)、A(続柄)、B(続柄)の3名である(甲●〜●・戸籍謄本等)
 (3)X、A及びBは、故・○○のYに対する過払金返還請求権をXが相続することを合意した(甲●・遺産分割協議書)」などとします。

本人訴訟、がんばってみてください。

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2014年04月27日

相続人の一人が自筆証書遺言書を勝手に開封しました(遺言・相続)



相続の一人が遺言書を勝手に開封しました。遺言書は有効でしょうか。

答え
自筆証書遺言を無断で開封した場合は10万円以下の罰金とされていますが、検認を受けずに開封したことによってただちに無効になるわけではありません。
自筆証書遺言については、検認の手続が必要なので、その際に開示されます。

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2014年04月25日

探偵の費用は相手に請求できますか(民事訴訟一般)。


質問
 夫の不倫相手に慰謝料請求する予定です。
 夫とのメール以外に確たる証拠がないので、探偵に調査を依頼するつもりです。
 探偵の費用は不倫相手に請求できますか。

答え
 常に認められるとは限りませんが、不貞関係(不法行為)を立証するために必要な探偵の費用も、損害額の一部として請求が認められることはあります。交通事故損害賠償請求などの場合に、弁護士費用の一部が損害額として認められる(損害額の5〜10%程度)のと同じです。
 訴訟を起こす際には、探偵の費用も請求されると良いと思います。
 「不貞慰謝料請求事件に関する実務上の諸問題」(判例タイムズ1278号45頁)という裁判官の論文には、探偵の費用のうち100万円を認めた事例や、1円も認めなかった事例などが紹介されています。

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2014年04月24日

義父の土地の上に建物を所有しています。義父が亡くなり、相続人である義母と妻の弟から明渡しを求められています(遺産分割)


質問
 私は、妻の父から土地の提供を受け自宅を建築し居住していましたが、その義父が亡くなりました。義理母、妻、その弟の三名が法定相続人です。
これまでの土地の使用について賃料等の支払いはありませんでしたので使用貸借であるものと思います。
最近、妻の弟から土地をどうしたいのか見解を問う旨の内容証明郵便を出す旨妻に連絡がありました。弟は土地を売却し現金に換えたいとの意向を持っているようで、義理母も同調しているようです。
どのように対応するべきでしょうか。

答え
 使用借権の権利の終了時期については、民法に「契約に定めた時期に、借用物の返還をしなければならない」(民法597条1項)、「返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わったときに、返還をしなければならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる」(民法597条2項)、「使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う」(民法599条)という規定があります。
 ですから、特に契約で終了の時期を定めなかった場合は、土地上の建物の存続期間中又は借主(建物の所有者である相談者)の死亡のいずれか早い時までは、使用借権は存続します。

 貸主の死亡は使用貸借の終了事由ではありません。ですから、義父の死亡によっては、使用借権は終了しません。

 使用借権には第三者への対抗力がないので、土地が第三者に売られてしまえば、その第三者に対して使用借権を対抗することはできません。しかし、土地がただちに売られる心配はありません(妻が所有者の一人なので)。

 そういうわけですので、義理の弟さんや義母から建物を撤去しろと要求されても、それに応じる必要はありません。

 結局、問題は、使用借権の負担の付いた底地を含む義父の遺産の分割を、義理母、妻、その弟の三名でどのように行うかということになります。

 遺産分割調停が申し立てられるのを待って、調停の場で合意をめざせば良いでしょう。

 弟さんからの内容証明郵便に対しては、「土地を売るつもりはありません。遺産分割協議が必要であれば調停を申し立てるなどしてください」などと、自ら、又は弁護士に依頼して回答するのが良いでしょう。
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遺言書と矛盾する財産の処分(遺言・遺産分割)


質問
 遺言書の事で、お聞きします。
 父親が危篤状態になり、母親が父親名義の証券や不動産の名義を母親に変更しているようです。
 しかし、私は、父親から危篤になる前に、遺言書を書いてもらっています。
 父親が生きているうちに、母親、他の相続人に、財産を名義変更されてしまった場合、いくら遺言書があったとしても、遺言書はただの紙切れ同然なんでしょうか。


答え
 遺言者が遺言と矛盾する財産の処分をした場合は、その部分については遺言は撤回されたものとされます(民法1023条2項)。
 つまり、生前の処分の方が、遺言より、優先します。

 お父さんには、実印や登記識別情報等の管理を厳重に行ってもらい、遺言に反する財産の処分を認めないようにがんばってもらうしかありません。

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2014年04月23日

祭祀財産とはなんですか(遺産分割)



 民法は祭祀財産を遺産分割の対象とせず、祭祀主宰者が承継すると規定しています。
 祭祀財産とは、「系譜、祭具及び墳墓」と規定されています。墓地、納骨堂、墓石、墓碑、位牌、仏壇などがこれにあたります。
 祭祀財産を所有する者が死亡した場合には、(1)被相続人の指定によって、(2)指定がない場合には慣習によって、(3)指定もなく慣習によっても明らかでない場合には家庭裁判所の指定によって、祭祀承継者が決められます。

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2014年04月22日

遺留分・遺留分減殺請求権とは何ですか(遺産分割)



 遺留分制度とは、被相続人が有していた相続財産について、その一定割合の承継を一定の法定相続人に保障する制度です。本来、被相続人は自己の財産を自由に処分できるはずですが、他方で、相続制度は遺族の生活保障及び遺産形成に貢献した遺族の潜在的持分の清算などの機能を有していることから、民法は、遺留分制度により、被相続人の財産処分の自由と相続人の保護の調和を図ることとしています。

 遺留分の割合は以下の通りです。
 直系尊属のみが相続人である場合 3分の1
 それ以外の場合 2分の1

なお、相続人が兄弟姉妹や兄弟姉妹の代襲相続人である甥姪の場合には、兄弟姉妹や甥姪には遺留分はありません(民法1028条)。

 被相続人が贈与や遺贈を行ったたために遺留分を侵害された相続人は、遺留分減殺請求権を行使することによって、遺留分を確保する限度で、その贈与や遺贈の効力を奪うことができます。

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2014年04月21日

親の財産の将来の遺産相続分を差し押さえられることがあるのでしょうか(民事訴訟一般)

質問
 既婚男性と3年前から交際しており、奥さんから500万円を慰謝料請求されました。
 先方は別居して2年半経っています。別居の原因は私との交際だけではなく、性格の不一致もあると思います。
 私はいくらかの慰謝料支払いは覚悟していましたが、500万円もの金額は納得できないし、支払能力もありません。
 友人に相談すると私に支払い能力がない場合は、親の財産に対する将来の遺産相続分を仮差し押えされるとききました。
 親が亡くなった場合に相続される分を強制的に慰謝料の支払いに充当されることがあるのでしょうか。

答え
 「友人に相談すると私に支払い能力がない場合は、親の財産に対する将来の遺産相続分を仮差し押えされるとききました。」とのことですが、誤りです。
 実際に相続が開始する以前に、相続分を仮差押えすることはできません。
 実際に相続が開始した後であれば、相続した財産はあなた自身の財産ですから、それに対して仮差押えなどをすることは可能です。
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2014年04月19日

被相続人が、株式会社の株式、有限会社の出資持分、合名会社の社員権を持っていました。これらは遺産分割の対象になりますか(遺産分割)。



 株式会社の株式(有限会社の出資持分も同じ)は、銀行預金のような可分債権ではありません。
 遺産分割がなされるまでは共同相続人が準共有する状態であり、遺産分割協議、調停や審判によって遺産分割の対象とする必要があります。最高裁昭和45年1月22日判決は、「株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、商法203条2項(注・現会社法106条)の定めるところに従い、当該株式につき株主の権利を行使すべき者一人を定めて会社に通知すべき」としており、遺産分割がなされるまでは、その口数にかかわらず、株式(持分)全部について相続により準共有状態となっていることを前提としています。

 持分会社においては、社員の死亡が退社事由となっています(会社法607条1項3号)。そこで、社員が死亡により退社したときは、持分払戻請求権が相続人に帰属します。
 持分払戻請求権の価額は被相続人死亡当時の会社財産の状況に従って計算されるものであること、持分が現物で払い戻されるか金銭で払い戻されるかは会社が決定するものであることを理由に、審判例は、持分払戻請求権は遺産分割前に当然に分割して取得されるものではないと判断しています(東京家裁昭和34年11月19日審判)。したがって、遺産分割の対象とする必要があります。

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2014年04月18日

遺産分割協議書には相続人本人の署名が必要ですか(相続・遺産分割)


質問
 遺産分割協議書を作るとき実印を必要と聞いていますが、名前はすでにワ-プロで印刷したものでも、問題ないのでしょうか。それとも本人が署名することが必要ですか。

答え
 法律上は自署(相続人本人による手書きの署名)でなければならないというルールはなく、記名(ワープロで印刷したもの)に捺印でも可能です。
 しかし、後で真正に成立した遺産分割協議書か否かが問題になりかねないので、自署して実印で捺印してもらい、印鑑証明を添付してもらった方がよいでしょう。
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2014年04月17日

被相続人から、相続人である子どもの配偶者(夫)に不動産が生前贈与されています。特別受益になりますか(遺産分割)


 被相続人の子どものうちの一人の配偶者に対して、被相続人が不動産を贈与していたり、家を建てるときに建築資金を贈与していたりすることはよくあることです。これが、特別受益に該当するか否かが遺産分割協議に際して問題になることがあります。
 
 この問題については、相続人本人が受益したわけではないので、原則としては特別受益に該当しないと考えられます。

 但し、例外的に、実質的には相続人本人に受益があったと判断している審判例もあります(相続人の配偶者の夫に対する贈与について福島家裁白河支部審判昭和55年5月24日家月33巻4号75頁、相続人の子に対する贈与について神戸家裁尼崎支部審判昭和47年12月28日家月25巻8号65頁)。具体的な事実関係を勘案した上で、相続人の親族への贈与や援助が相続人に対するものと実質的に異ならない特別な事由があると判断して持戻しを認めています。単に、贈与を受けた者が近親者であることだけをもって、特別受益にあたると判断したものではありません。

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2014年04月16日

相続した不動産の共有物分割訴訟について教えてください(相続・遺産分割)


質問
 相続した不動産があります。相続登記をまだしていませんが、被相続人の名義のままで共有物分割訴訟を起こすことはできますか。

答え
 遺産としての共有状態にある不動産について、ただちに共有物分割訴訟を提起することはできません。
 まず、遺産分割協議が必要です。
 遺産分割が協議や調停や審判で確定した後に、共有状態を解消するための共有物分割ができます。

 共有物分割の方法としては、現物を分割するのが難しい場合は競売によって換価して代金を分割せよ、という裁判を求めることになります。

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2014年04月15日

公正証書遺言と自筆証書遺言とはどこが違うのでしょうか(遺産分割・遺言)


 民法は、遺言の方式として、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言、その他危急時の遺言など特別の方式の遺言など、何種類かの方式を定めています。
 通常利用されるのは、自筆証書遺言と公正証書遺言です。

 自筆証書遺言は、遺言者が、遺言の全文、日付及び氏名を自分で書き、押印して作成する方式の遺言です。
 誰にも知られずに簡単に作成でき、費用もかかりません(文案作成を弁護士に依頼すれば弁護士費用はかかります)。
 反面、遺言者本人が法律の素人で弁護士による文案の検討などを経ない場合には内容的に不備なものになりやすい、相続開始後に家庭裁判所の検認手続が必要などの特徴があります。

 公正証書遺言は、遺言者が遺言の内容を公証人に伝え、公証人がこれを筆記して公正証書による遺言書を作成する方式の遺言です。
 公正証書による遺言は、自筆証書遺言と比べると、一定の費用がかかりますが、公証人がチェックすることから遺言が無効であるなどと主張される可能性が少なくなる、公証人が原本を保管するので破棄隠匿されるおそれがない、家庭裁判所での検認の手続が不要、などの特徴があります。
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2014年04月14日

【法律事務所での短期アルバイト募集】法科大学院生、同卒業生、法学部生のアルバイトを募集します。

しいの木法律事務所弁護士八坂玄功では、夏休み中のアルバイトを募集します。
【募集要綱】
法科大学院生、同卒業生、法学部生で司法試験受験予定の方
期間:夏休み期間中の2週間程度 出勤期間、曜日等は相談に応じます。
待遇:時給1000円(1日6時間勤務(10:00〜17:00 休憩1時間)) 交通費実費支給
業務内容:電話受付、来客対応、文献調査その他
注意事項:業務の性質上、守秘義務等の重要性について十分にご理解のうえで応募してください。
応募方法:履歴書(書式自由、連絡先メールアドレスを明記してください。期間、出勤曜日等に希望があればその旨を明記してください。)を下記メールアドレスにお送りください。info@siinoki-law.jp
採否の通知:6月30日頃までに面接の要否又は採否をメールで通知します。
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2014年04月13日

特別受益が認められるのはどのような場合ですか(遺産分割)

 特別受益の類型には、次のようなものが考えられます。

1)遺贈(民法903条)
2)婚姻または養子縁組のための贈与(民法903条)
3)生計の資本としての贈与(民法903条)
 生計の資本としての贈与に当たるか否か、しばしば問題になるものとして、次のようなものがあります。
 @学資
  学資も高等教育を受けるために支出した費用は特別受益にあたる場合がありますが、近年では高等教育が一般化しているため、親の扶養の範囲と認められる場合には特別受益にあたらない、あるいは相続人全員が同程度の高等教育を受けているような場合には持戻免除の意思表示があったと判断される場合があります。
 A不動産の贈与
 B生命保険
  生命保険について、最高裁平成16年10月29日判決は、「被相続人を保険契約者及び被保険者とし、共同相続人の一人又は一部の者を保険受取人とする養老保険契約に基づき保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権は、民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらないが、保険金の額、この額の遺産総額に対する比率、保険金受取人である相続人及び他の相続人との関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して、保険金受取人である相続人とその他の相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、特別受益の持戻しの対象となる」と、原則として特別受益とはならないと判断しています。
  特段の事情があるとして特別受益性を認めた裁判例に、東京高裁平成17年10月27日決定(家月58巻5号94頁)、名古屋高裁平成18年3月27日決定(家月58巻10号66頁)があります。
 C死亡退職金
  死亡退職金は遺産の前渡しと評価することは困難で、生命保険以上に、特別受益と評価することは難しいと考えられます。
 D借地権の承継や設定、相続人が底地権相当額で借地(底地)を買い受けた場合など
  審判例として東京家裁平成12年3月8日審判(家月52巻8号35頁)、東京地裁平成20年10月9日判決(判時2019号31頁)があります。
 E遺産の無償使用
  遺産である土地の上に相続人の一人が被相続人の許諾を得て建物を建て、その土地を無償で使用している場合は、使用借権が設定されている土地と評価し、使用借権相当額(更地価格の1〜3割)が特別受益と評価されるのが普通です。
  但し、場合によっては、使用借権負担による減額(使用借権相当額の特別受益の評価)を行わずに土地を更地価格で評価することもあります(土地を使用している相続人が当該土地を取得する遺産分割を成立させるような場合)。
  裁判例として、福岡高裁昭和58年2月21日決定(家月36巻7号73頁)、東京地裁平成15年11月17日判決(判タ1152号241頁)などがあります。
 F建物の無償使用
  被相続人の建物に相続人の一人が無償で居住していた場合、賃料相当額が特別受益となるという考え方と、土地の使用借権と比べると経済的価値が乏しいことなどを理由に特別受益にあたらないとする考え方とがあります。

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2014年04月11日

子どもがいない夫婦の亡夫の預貯金の相続手続

質問
 私たち夫婦には子どもはいません。
 先日、夫が亡くなりました。
 夫の相続財産は預貯金だけで、不動産などはありません。
 金融機関に相続手続を相談したところ、夫の相続人は私だけでなく、兄弟姉妹や亡くなった兄弟姉妹の子も相続人であること、預貯金の相続手続には相続人全員の署名捺印が必要であること、という説明がありました。
 ところが、相続人の1人(夫の亡くなった兄の子)が行方不明で、署名捺印をもらうことは不可能です。

回答
 判例は、預貯金は相続によって当然に法定相続分にしたがった分割債権となるとしています。
 したがって、あなたは4分の3の法定相続分の割合で預貯金を相続しているとして、各金融機関に預貯金の払い戻しを単独で請求することができます。
 金融機関の対応は、法定相続分の割合での任意の払い戻しに応じるところもありますが、訴訟によって請求しなければ払い戻しに応じないところもあります。
 訴訟が必要な場合は弁護士に委任するなどしてください。
 なお、預貯金の中でも旧郵便局の定額郵便貯金についてだけは、預け入れ後10年間は分割払い戻しができないという制限があるため、法定相続分での払い戻しはできないとするのが判例です。そのため、定額郵便貯金については、遺産分割協議か、預け入れ後10年の経過を待って法定相続分の払い戻し請求をすることが必要です。
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2014年04月10日

叔母が亡くなった後もNHK受信料が引き落とされていた(相続・遺産分割)

質問
 2年前に叔母が亡くなりました。叔母には子はなく、相続人は甥の私1人です。
 叔母が亡くなった後も銀行口座がそのままになっていて、普通預金残金は無かったのですが、満期前の定期預金があり、NHK受信料がマイナス計上でずっと自動引き落としされていました。
 最近、定期預金の満期のお知らせがきたので記帳して初めて気づきました。
 NHKに連絡したら、今日付けで解約手続きをとると言われました。
 亡くなってから2年間分の受信料は返金してもらえないのでしょうか。

答え
 NHKの受信契約上の受信料支払い義務は一身専属的な義務であって相続されないと考えれば、NHKに対して不当利得返還請求できることになります。
 任意に返金がなされなければ少額訴訟で請求してみて下さい。
 遺産に含まれる預金から引き落としされたので、相続後の受信料は相続人の財産から引き落としされたことになります。
 ですから、少額訴訟の原告になるのは相続人であるあなたです。
 少額訴訟の費用は、東京簡易裁判所の場合、予納郵便切手が3910円、印紙代が数千円です。
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しいの木法律事務所 弁護士 八坂玄功
電話 03-5373-1808  FAX 03-5373-1809
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2014年04月09日

配偶者、子ども、親がいない人が亡くなった場合の法定相続人を教えてください(遺産分割)

質問
 生涯独身だったAさんが亡くなりました。
 Aさんの親は既に亡くなっています。
 Aさんの生存中の兄弟姉妹が数名、既に亡くなった兄弟姉妹が数名あります。
 すでに死亡した兄弟姉妹の配偶者や子どもも相続人になりますか。
 法定相続分は、どのような割合になりますか。

答え
 亡くなった方に配偶者、子、親がない時は、兄弟姉妹と既に亡くなった兄弟姉妹の子が相続人になります。
 兄弟姉妹の相続分は均等です
 既に亡くなった兄弟姉妹の子は、代襲相続人として、親が生きていれば相続するはずだった相続分を均等に相続します。
 既に亡くなった兄弟姉妹の配偶者は相続人ではありません。

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2014年04月08日

同居している場合の生活費の請求(離婚・婚姻費用)

質問
 浮気した夫から離婚を迫られています。
 これまでは私が家計を管理しており、夫名義の通帳やキャッシュカードを持っていましたが、夫が銀行に紛失届を提出してしまい、私が持っているキャッシュカードが使えなくなりました。
 現在はまだ同居していますが、夫が生活費を渡してくれない場合、生活費を要求する事が出来るのでしょうか。
 サラリーマンの夫の年収は約580万円で、私は専業主婦で無職です。
 婚姻費用分担の調停の利用は、別居している場合に限られるのでしょうか。

答え
 生活費を渡してくれない場合は、同居中の場合でも、婚姻費用分担の調停が利用できます。
 家庭裁判所の調停や審判で決まる婚姻費用の金額は、算定表に従った水準になると思います。

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