2014年06月08日

相続人の一人が受取人となっている生命保険の死亡保険金は特別受益にあたりますか(遺産分割)

 保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権又はこれを行使して取得した死亡保険金は、原則として、特別受益にはあたりません。
 ただし、保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、当該死亡保険金請求権は特別受益に準じて持戻しの対象となります(最高裁平成16年10月29日決定)。

 上記の最高裁判決後の事例として、相続開始時の相続財産の総額が1億134万円、相続人の一人が受取人の保険金が1億129万円という事案で、死亡保険金の持戻しを認めたケースなどがあります(東京高裁平成17年10月27日決定)。

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