質問
父が所有している不動産の管理業務を委任されていました。自分の口座に不動産関係の収入を振り込んでもらい、そこから動産管理に必要な経費の支払い等に充てています。
このたび、父が亡くなり、相続人は私以外に兄弟姉妹がいます。
遺産分割協議で不動産の相続が決まるまで、私が不動産の管理を続けても大丈夫でしょうか。
答え
お父様とあなたの間には不動産の管理について委任契約があったと解されます。
委任契約は委任者(お父様)の死亡によって終了すると解されますが(民法653条1号)、他方で、民法654条は、委任が終了した場合において、急迫の事情があるときは、受任者は、委任者の相続人が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない、とも定めています。
ですから、遺産分割が決まるまであなたが管理を継続することは民法654条によって定められた義務であると評価できますので何ら問題はないと思います。
もっとも、あなたによる不動産の管理に異議がある相続人がある場合には、遺産分割審判前の保全処分(家事事件手続法105条1項)の申立が行われて、財産管理者が選任されるという手続が行われる可能性はあります。
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〒165-0027 中野区野方5-17-7 守屋ビル1階
しいの木法律事務所 弁護士 八坂玄功
電話 03-5373-1808 FAX 03-5373-1809
Eメール info@siinoki-law.jp http://www.siinoki-law.jp/
2022年03月06日
相続問題ははやめに正確な知識と経験を持った弁護士にご相談ください。
遺産をめぐって「争族」といわれるような状況を起こさないためには、よく準備して遺言を作成しておくことが必要です。
しかし実際には、遺言を残さないままご家族が亡くなり、残されたご遺族が、故人が遺言を書いておいてくれればよかった、遺言を書いておくよう勧めておけばよかった、と思われるケースがたくさんあります。
遺言が無い場合、又は遺言があってもその内容が一部の相続人の遺留分を侵害している場合などは、遺産分割をめぐって相続人の間での話し合いが必要となります。
相続人同士での話し合いが困難な場合、弁護士に委任したり、家庭裁判所での遺産分割調停や遺留分侵害額請求に関する調停等を申し立て、第三者の助けを借りて、遺産分割についての合意を図ることになります。調停で折り合いがつかない場合は審判や訴訟による解決が行われます。遺言の効力が認められないとして遺言無効確認訴訟が提起されることなども生じることがあります。
家庭裁判所で取り扱われる事件の中で、遺産分割事件はもっとも困難な類型の事件だと言われています。
遺産分割事件では、相続人の範囲・相続分、遺産の範囲、特別受益、寄与分、遺産の評価、遺留分など、様々な問題が生じます。
多岐にわたる問題を円滑に解決に向けていくために、できるだけ早い段階で遺産分割について正確な知識と経験を持った弁護士に相談することをお勧めします。
しいの木法律事務所は、協力関係にある税理士さん、社会保険労務士さん、司法書士さん、宅建業者さん等と協力して、遺産相続をめぐる税金の問題や不動産登記その他の問題についても、ワンストップで対応することができます。
初回の相談料(30分程度)は無料です。
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遺言が無い場合、又は遺言があってもその内容が一部の相続人の遺留分を侵害している場合などは、遺産分割をめぐって相続人の間での話し合いが必要となります。
相続人同士での話し合いが困難な場合、弁護士に委任したり、家庭裁判所での遺産分割調停や遺留分侵害額請求に関する調停等を申し立て、第三者の助けを借りて、遺産分割についての合意を図ることになります。調停で折り合いがつかない場合は審判や訴訟による解決が行われます。遺言の効力が認められないとして遺言無効確認訴訟が提起されることなども生じることがあります。
家庭裁判所で取り扱われる事件の中で、遺産分割事件はもっとも困難な類型の事件だと言われています。
遺産分割事件では、相続人の範囲・相続分、遺産の範囲、特別受益、寄与分、遺産の評価、遺留分など、様々な問題が生じます。
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posted by siinoki at 21:47| 法律相談・労働相談
先妻の子の遺留分(遺産分割・遺言)
質問
私には現在の妻との間に1人、先妻との間に1人、子どもがいます。
私名義の財産(不動産屋や預貯金)を現在の妻に贈与することを考えていますが、その場合も、先妻の子に財産の8分の1の遺留分の権利があるのでしょうか。
答え
相続人となる妻への贈与ですから、先妻の子の遺留分を侵害していれば、遺留分侵害額請求権の行使の対象になる可能性があります。
遺留分侵害額請求権の行使の対象となる贈与とせずに、実質的に同じ効果(現在の妻への贈与と同じ効果)を生じさせる方法としては、生命保険契約をして死亡保険金の受取人を妻にする方法が考えられます。
弁護士に相談して見て下さい。
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しいの木法律事務所 弁護士 八坂玄功
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私には現在の妻との間に1人、先妻との間に1人、子どもがいます。
私名義の財産(不動産屋や預貯金)を現在の妻に贈与することを考えていますが、その場合も、先妻の子に財産の8分の1の遺留分の権利があるのでしょうか。
答え
相続人となる妻への贈与ですから、先妻の子の遺留分を侵害していれば、遺留分侵害額請求権の行使の対象になる可能性があります。
遺留分侵害額請求権の行使の対象となる贈与とせずに、実質的に同じ効果(現在の妻への贈与と同じ効果)を生じさせる方法としては、生命保険契約をして死亡保険金の受取人を妻にする方法が考えられます。
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療養看護型の寄与分(遺産分割事件)
大阪家庭裁判所で行っていた遺産分割事件で寄与分が主要な争点となる事件がありました。
事件の中心争点は、被相続人の近隣に住んでいた相手方が晩年10年以上にわたって療養看護をしていたとして、1億円以上の療養看護型の寄与分を主張していたという事件です。
療養看護型の寄与分が認められるための要件は、(1)被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える特別の寄与であること、(2)寄与行為の結果として被相続人の財産を維持又は増加させていること(財産の維持又は増加との因果関係)、と言われています(片岡武他「家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務」238頁)。
今回の事件では、相手方が被相続人の住む同じマンションの別の部屋を購入して移り住んで、たびたび被相続人の自宅を訪問していたという事実は認められる事案だったのですが、そうだとしても、被相続人が認知症や介護を要する健康状態であったという事実がないもとでは、上記の要件の2つともに認めるに足りないと判断されたようです。
相手方が調停委員会から説得されたようで、最終的には寄与分の主張を認めることなく、和解に至ることができました。
介護保険導入後の最近の審判例では、被相続人が認知症で常時の見守りが必要な場合に相続人が介護したケースでは1日あたり8000円程度〜13000円程度の計算で寄与分を定めている事例が見られます(大阪家審平成19年2月8日家月60巻9号110頁、大阪家審平成19年2月26日家月59巻8号47頁)。
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療養看護型の寄与分が認められるための要件は、(1)被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える特別の寄与であること、(2)寄与行為の結果として被相続人の財産を維持又は増加させていること(財産の維持又は増加との因果関係)、と言われています(片岡武他「家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務」238頁)。
今回の事件では、相手方が被相続人の住む同じマンションの別の部屋を購入して移り住んで、たびたび被相続人の自宅を訪問していたという事実は認められる事案だったのですが、そうだとしても、被相続人が認知症や介護を要する健康状態であったという事実がないもとでは、上記の要件の2つともに認めるに足りないと判断されたようです。
相手方が調停委員会から説得されたようで、最終的には寄与分の主張を認めることなく、和解に至ることができました。
介護保険導入後の最近の審判例では、被相続人が認知症で常時の見守りが必要な場合に相続人が介護したケースでは1日あたり8000円程度〜13000円程度の計算で寄与分を定めている事例が見られます(大阪家審平成19年2月8日家月60巻9号110頁、大阪家審平成19年2月26日家月59巻8号47頁)。
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