
2022年03月10日
遺産の中に銀行預金と定額郵便貯金があります。これらについて遺産分割協議は必要ですか(遺産分割)
【最高裁判所の判例変更による追記があります】
銀行預金について、判例は、可分債権(民法427条)にあたり、相続により当然分割され、各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継するとしています(最高裁昭和29年4月8日判決、最高裁昭和30年5月31日判決)。
そこで、実務上は、遺産分割協議や調停の段階では、銀行預金債権も遺産分割の対象財産とする合意をして、他の遺産とあわせて協議や調停をします。審判段階では、銀行預金は審判の対象に含まれず、各相続人が相続分に応じて権利を行使することになりますが、相続人間において預金債権を分割対象に含める旨の合意が成立すれば、合意に従い、預金債権を分割対象に含めて審理する取扱いをしているようです。
定額郵便貯金については、預け入れから10年を経過しない場合の払い戻し請求は、権利者が全員連名でしなければならないとの定めがあることから(旧郵便貯金法7条1項3号等)、銀行預金とは異なり、当然分割債権とはならない(遺産分割審判の対象となる)とされています。
追記
最高裁判所による判例の変更があり、預貯金については遺産分割の対象とされることになりました。
最高裁判所平成28年12月19日決定
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86354
現在は遺産分割成立前の一定額の払戻制度なども設けられています。
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/article/F/7705_heritage_leaf.pdf
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〒165-0027 中野区野方5-17-7 守屋ビル1階
しいの木法律事務所 弁護士 八坂玄功
電話 03-5373-1808 FAX 03-5373-1809
Eメール info@siinoki-law.jp http://www.siinoki-law.jp/
銀行預金について、判例は、可分債権(民法427条)にあたり、相続により当然分割され、各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継するとしています(最高裁昭和29年4月8日判決、最高裁昭和30年5月31日判決)。
そこで、実務上は、遺産分割協議や調停の段階では、銀行預金債権も遺産分割の対象財産とする合意をして、他の遺産とあわせて協議や調停をします。審判段階では、銀行預金は審判の対象に含まれず、各相続人が相続分に応じて権利を行使することになりますが、相続人間において預金債権を分割対象に含める旨の合意が成立すれば、合意に従い、預金債権を分割対象に含めて審理する取扱いをしているようです。
定額郵便貯金については、預け入れから10年を経過しない場合の払い戻し請求は、権利者が全員連名でしなければならないとの定めがあることから(旧郵便貯金法7条1項3号等)、銀行預金とは異なり、当然分割債権とはならない(遺産分割審判の対象となる)とされています。
追記
最高裁判所による判例の変更があり、預貯金については遺産分割の対象とされることになりました。
最高裁判所平成28年12月19日決定
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86354
現在は遺産分割成立前の一定額の払戻制度なども設けられています。
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/article/F/7705_heritage_leaf.pdf
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posted by siinoki at 01:14| 法律相談・労働相談