2008年04月03日

裁判員制度の導入に市民は賛成しているのか、強制されたら仕方がないと感じているのか、反対しているのか?

(2007年7月28日加筆訂正あり)
 私の裁判員制度に対する態度は、下記の記事その他で、「裁判員制度を一歩前進と評価する意見が法曹界には強いことを全く理解できないわけではない。しかし、主権者に過酷な負担を強いる制度を、法曹界の中でおおむね合意があるからという理由だけで推進することは、絶対に避けるべきである。 深刻な負担を主権者に強いる裁判員制度をこのまま実施させるべきではない。現状の裁判員制度をこのまま実施することには反対する。」、「裁判員制度が一歩前進となるためには、被告人に裁判員制度か職業裁判官の裁判かの選択権を与えること、適用事件を法定刑の重い事件ではなく否認事件とすること、裁判員の参加する多数決による判断を有罪無罪の判断に限り量刑については完全に除くか評議に加わるだけとすること、行政事件や重大消費者事件等社会的影響の大きい民事事件について裁判員制度を適用する可能性を検討することなどが必要。」を表明しています。
 無条件反対という立場ではありませんが、現行の裁判員制度の実施には反対です。
http://siinoki-law.sblo.jp/article/15449793.html
 http://siinoki-law.sblo.jp/article/7477907.html
 最高裁が大量の資金を導入して大量の宣伝を行い、マスコミも推進記事一色という状況は異常です。


 下記の記事は「天下の大悪法・裁判員制度徹底糾弾!!」という立場からのものであり、私の意見とは異なりますが、一致する部分も多く賛同すべき点も多いので、多くの方に読んでいただきたいと思います。記事を転載して紹介します。
http://www.interq.or.jp/enka/svkoya/blog/enka/index.html

(以下、全文引用です)
2008年4月2日
最高裁、各メディアに抗議を!!(転送・転載熱望大歓迎)

 本日のエントリーは転送・転載熱望、大歓迎といたします。と同時に、このエントリーを用いて一人でも多くの方が最高裁や各メディアに抗議のメール、電話、FAXを送って頂ければ幸いでございます。

 さて、昨日最高裁がとんでもないインチキ世論調査結果を公表しました。毎年のように最高裁、内閣府、調査機関などによって行われている裁判員制度に対する意識調査、今回の最高裁調査とそれを受けてのメディアの報道は従来のヒドさと比べてもとんでもないものでした。
 裁判員制度への参加意欲について、2006年内閣府調査でも、消極姿勢であるはずの項目「やりたくないが義務だから仕方ない」を参加容認派と法務省が解釈したケースがあり、この解釈をもって見出しレベルで報道したメディアもあったのですが、今回はほとんどのメディアが「裁判員制度に6割参加する」と出しているのです。
 そもそも、まずは司法の最高府で、法律は無論のことあらゆる問題に公正中立であるはずの最高裁がこんな不公正な手法を用いて法律を推進すること自体、裁判員制度という法律や最高裁そのものへの信頼を失わせる要因になります。この最高裁の意向を分かった上で極めて不公正なデータ解釈をそのまま垂れ流したメディアの責任も極めて大きいものです。
 そこで、皆さまも以下の本文を用いて最高裁や各メディアに抗議してください。


 まずは最高裁へ(連絡先・メールsaibanin.goiken2009@courts.jp 電話 03-3264-8111 FAX 03-3221-8975)

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
 最高裁判所宛

 先日公表された「裁判員制度に関する意識調査」について抗議申し上げます。
 最高裁判所は60.3%の国民が参加意向を示していると発表しましたが、この中身は「義務だから仕方なく」が44.8%であり、「参加したい」「参加してもよい」はあわせても15.5%にすぎません。「義務であっても参加したくない」が37.6%を占める状況をどう考えているのでしょうか?
 しかも、「義務だから仕方なく」を参加容認派と解釈し、アンケート項目について、容認派を3項目、拒否派を1項目とみなしてデータを発表するのは、国民を騙すような極めて不公正な手法です。同様の項目でデータ収集が行われた2006年12月の内閣府調査と比較しても、「義務でも参加したくない」参加拒否派が4%も増加し、「参加したい」「参加してもよい」の積極派が5.3%も減少したのが何よりの制度に対する国民の姿勢です。
 当然、2006年内閣府世論調査の中身・方法は最高裁も常識として知っているはずで、最高裁はこの調査方法を踏まえて、不公正な世論誘導を目的に、調査対象となる国民に対して、「義務だから参加せざるを得ない」を参加消極派と見せかけてデータ収集をしながら、当初から最高裁内部では参加容認派とみなすような方法を取ったとしか考えられません。
 裁判員としてこの制度に参加するには、事件に対する公正さはもちろんのこと、法律そのものに対する公正さも求められるところですが、何事にも公正中立でなければならない司法、それも最高府である最高裁判所がこのような不公正な手法で意識調査を行ったことは、裁判員制度に対する信頼を極めて傷つけるものと言わざるを得ません。このような不公正な手法で世論誘導を行ってまで推進しようとする「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」に公正さを求めることは不可能と言わざるを得ず、私はたとえ抽選で選出されたとしても、裁判員制度には一切協力しません。

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
次は各メディアに(不公正報道を行ったメディア連絡先)
NHK
電話 044-871-8000 0570-066-066 FAX 03-5453-4000

日本テレビ
電話 03-6215-4444

TBS
電話 03-3746-6666 (平日10:00〜19:00)

フジテレビ
電話 03-5531-1111

朝日新聞
電話 03-5540-7615 FAX 0570ー013579

毎日新聞
電話 03-3212-0321 FAX 03-3212-0635

讀賣新聞
電話 03-3246-5858 FAX 03-3245-1277

日本経済新聞
電話 03-3270-0251

産経新聞
電話 03-3231-7111

共同通信社
電話 03-6252-8000

時事通信社
電話 03-6800-1111

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
各マスコミ(ここは各社の名前に応じて変えてください)宛

 先日最高裁が公表した「裁判員制度に関する意識調査」についての報道姿勢について私は厳重に抗議申し上げます。
 貴社は最高裁の公表をそのままに「6割の国民が参加意向を示す」「裁判員になりたくないは3割」という報道姿勢を取っていますが、これは、45%前後の「義務だから仕方ない」を参加容認派と解釈した最高裁の公表内容をそのまま垂れ流したものです。最高裁判所は60.3%の国民が参加意向を示していると発表しましたが、この中身は「義務だから仕方なく」が44.8%であり、「参加したい」「参加してもよい」はあわせても15.5%にすぎません。「義務であっても参加したくない」が37.6%を占める状況をどう考えているのでしょうか?同様の2006年内閣府世論調査では、一部のメディアが45%前後の「義務だから仕方ない」を参加容認派と解釈した報道をしましたが、今回の最高裁意識調査では貴社を含めほとんどのメディアが同様の不公正な報道姿勢を取っています。
 最高裁が「義務だから仕方なく」を参加容認派と解釈し、アンケート項目について「容認派を3項目、拒否派を1項目」とみなしてデータを発表するのは、国民を騙すような極めて不公正な手法です。同様の項目でデータ収集が行われた2006年12月の内閣府調査と比較しても、「義務でも参加したくない」参加拒否派が4%も増加し、「参加したい」「参加してもよい」の積極派が5.3%も減少したのが何よりの裁判員制度に対する国民の姿勢です。しかし、ほとんどのメディアがデータの中身を十分吟味することなく最高裁の意向に沿った報道姿勢を取ったというのは、メディア全体が裁判員制度に対して完全推進姿勢にあることで、最高裁の意向を分かった上で国民に対して世論誘導を行う目的で報道したとしか言えません。公正中立な報道が求められるメディアにあるまじき極めて不公正な姿勢です。しかも、記事を少しでも読めば、通常の一般市民感覚だけでも不公正さがまる分かりになる極めて稚拙な手法です。
 このような不公正な報道姿勢を貫く限り、裁判員制度に対する国民の信頼は失われ、次の世論調査ではさらに参加意欲は減退することは間違いないことを警告いたします。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
posted by siinoki at 09:57| Comment(1) | TrackBack(4) | 日記
この記事へのコメント
 転載、TBありがとうございます
>最高裁が大量の資金を導入して大量の宣伝を行い、マスコミも推進記事一色という状況は異常
 それに加えて、最高裁やメディアが「不公正なやり方」で宣伝していることが追加されます。
 これはもはや裁判員制度という一つの法律の是非という問題にはとどまりません。国家統治の根幹に関わる法律において、国民全員をこんなインチキな手法で誘導することがまかり通ったら、権力側はどんな法律でもその気になれば通すことができるからです。
Posted by 高野 善通 at 2008年04月03日 15:38
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Weblog: 天下の大悪法・裁判員制度徹底糾弾!!高野善通の雑記帳
Tracked: 2008-04-03 15:33

宣伝すればするほど参加意欲が削がれる裁判員制度
Excerpt:  最高裁が1日に発表した世論調査によれば、裁判員に「参加したい」・「参加してもよい」と応えたのが15.5%にすぎず、知れば知るほど参加意欲が下がっているようです。産経新聞  だからといって、参加への..
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Tracked: 2008-04-06 09:47

屋久島から、裁判員制度への一考察。
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Weblog: ザ・プレス屋久島〜Public・Media・Live!〜
Tracked: 2008-04-15 21:38