国民救援会中野支部など地域の「裁判員制度を考える中野の会」のみなさんの勉強会で、裁判員制度について話をするよう頼まれました。下記は当日のレジュメ(案)です。勉強会にはどなたでも参加できます。
とき 2008年4月14日(月)18:30〜
ところ 中野区商工会館会議室
裁判員制度について考える 2008.4.14 八坂玄功
【はじめに】
〜裁判員制度についてよく誤解されているところ〜
陪審制度?
判決は全員一致?
痴漢えん罪が少なくなる?
ビラ配り弾圧事件など異常な有罪判決が少なくなる?
そもそも裁判員制度の導入の目的は、えん罪の防止?
国会などで十分な議論がなされて導入されたのでは?
裁判員と裁判官は担当する事件について対等?
裁判員裁判への参加は「国民」の「義務」?
【第1 動員される有権者の立場から】
〜知れば知るほど参加に苦痛を感じる迷惑な制度〜
という受け止め方が多数
罰則付きで裁判員に動員(裁判員法110〜112条)
評議の秘密を罰則付きで強制(裁判員法108条)
【第2 被告人の立場から】
〜「適正」よりも「迅速」「軽負担」で、被告人の権利は〜
公判前整理手続と黙秘権の保障
職業裁判官による裁判を選択できないこと
【第3 裁判員の参加による刑事裁判=民主主義的な方向の改革と本当にいえるのか】
開示された証拠の目的外使用禁止
(刑事訴訟法281条の4、281条の5)
弁護士活動を司法支援センターが管理
国選弁護人の職務不相当の場合の解任
弁護人処置請求制度
【第4 裁判員制度がめざす迅速・簡単司法は、冤罪と厳罰化傾向をすすめる危険すらある】
1 捜査及び公判前整理手続の段階
事実に争いのある事件では、裁判は
「公判前整理手続中心主義」
になる可能性がある。
2 裁判員の参加する公判の段階
裁判員に対する説示(裁判員法39条1項・規則35条)
事実に争いのない重大事件での量刑判断
3 判決の段階
評議の内容はわからない(裁判員法108条)
判決書にも裁判員の名前は載らない。
事後検証ができない「覆面裁判」となってしまう。
4 判決に対する検察官の控訴が禁じられていない
【第5 改めて問われる、裁判員制度を実施する意味】
【第6 裁判員制度が実施されたらどうすればよいか】
・「冤罪弁護士」今村核(弁護士)旬報社
・「裁判員制度でえん罪はなくなるのでしょうか 裁判員制度と救援運動の課題」小田中聡樹(東北大学名誉教授)日本国民救援会宮城県本部
・「刑事裁判の心」木谷明(元裁判官)法律文化社
・「誤判を生まない裁判員制度への課題」伊藤和子(弁護士)現代人文社
裁判員制度に積極的に立ち向かうために、上記の本を推薦します。
【さいごに私の意見】
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2008年04月12日
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