2022年03月09日

相続時精算課税制度を利用した贈与を受けた私は、後に、相続放棄はできるのでしょうか(相続・遺産分割)

質問
私は、父から相続時精算課税制度を利用した生前贈与を数千万円程度(父が所有していた不動産)既に受けています。
父は経営している会社が債務超過でその会社の多額の借入金の保証人になっており、会社の後継者はいません。
そこで、父に相続が生じた場合は相続放棄しようと考えていますが、相続時精算課税制度を利用している私が相続放棄することは可能でしょうか。

答え
1 相続時精算課税制度は税法上の扱いにすぎませんので、それを利用したからといって相続放棄が許されなくなるということはありません。
2 相続放棄はできますが、相続時精算課税制度を利用した生前贈与が、債権者に対する詐害行為にあたるという主張をされる可能性があります。しかし、主張が認められたとしても生前贈与によって取得した財産相当額を失うだけです(限定承認した場合と同じようなものです)し、必ず詐害行為の主張をされるというものでもありませんので、あまり心配しないでよいのではないかと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〒165-0027 中野区野方5-17-7 守屋ビル1階
しいの木法律事務所 弁護士 八坂玄功
電話 03-5373-1808  FAX 03-5373-1809
Eメール info@siinoki-law.jp  http://www.siinoki-law.jp/
posted by siinoki at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律相談・労働相談
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/189387193
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック