2006年12月10日

公契約条例・公契約に対する民主的な規制とは(12月10日追記)

 民営化推進の中野区やその他の地方自治体には、公契約に対する民主的な規制の視点が足りません。この問題は、民営化に賛成するか否かの立場を超えて必要な課題です。

 「公契約条例」「公契約法」とは、自治体や国の業務を民間業者に発注する場合に、その民間業者で働く労働者の賃金・労働条件が適正なものとなるよう確保させる制度を条例や法律で定めようとするものです。

 ILO第94号条約(公契約における労働条項に関する)は、国や自治体などの公的な機関が発注する事業について、社会的に適正・公正な水準の賃金・労働条件を確保することを契約に明記するよう義務づけています。その水準も、同一の産業・同一の業種で確立している労働協約や最・賃金などの法令よりも有利な水準にすることを義務づけています。

 日本政府はILO第94号条約を批准していません。
 建設業界や公共部門の労働組合などが要求し、公契約条例の実現を求める運動が広がっています。

 公契約条例の問題については、中野麻美「労働ダンピング〜雇用の多様化の果てに」(岩波新書)でも詳しく紹介されています。

「市場化テスト」により、公共サービスの民間委託がさらに広がる流れにある中で、公契約に対する民主的規制は緊急の課題です。
 私自身は、公共サービスの民営化・商品化・市場化の流れにストップをかけることが必要だと考えていますが、一歩譲って公共サービスの民営化にメリットがあるとしても、公共サービスを市場原理で競争に投げ込んでしまうことの弊害に目をつぶるのではなく、市場化してはならない分野があることを認めること、市場化による弊害を除去するために必要な手立てをとることが必要です。
 地元の中野区では、民営化には良いことばかり、市場原理のもとでの競争の弊害には目をつぶるという立場で、民営化・民間委託の政策が進められています。現区政を支持している市民派議員は、公共サービスの民営化と労働問題の関係を「官から民へのワークシェアリング」であると評価しています。
 公共サービス部門の民営化を一面的に美化するのではなく、そこで働く労働者の賃金や労働条件について、ダンピングの弊害を防ぐための有効な手立てとして、公契約条例などを推進することが必要です。

参考:佐藤ひろこ議員のホームページより、2002年区長選挙の直後の区政への提案
「☆区民の力で新しい公共サービスづくり
 ●区民の力を生かすNPO支援条例の制定
 ●起業支援で働く場づくり
 ●地域通貨で中野を元気に活性化
 ●官から民へのワークシェアリング」
参考:佐藤ひろこ議員の参加している市民派議員の座談会でも佐藤議員は公契約に対する民主的規制の視点が際立って弱い。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/2093980
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック

賃金:上げてあわせるか、下げてあわせるか
Excerpt:  「同一労働・同一賃金」は当然の事である。それを達成するのに方法が二つある。上げてあわせるか、下げてあわせるかである。普通の議論は上げてあわせると思っていた。しかし逆の主張も有るとは思っていたが。 ..
Weblog: 飯大蔵の言いたい事
Tracked: 2006-12-20 13:30