2010年07月10日

労働者派遣業法について考える〜6〜各党の政策

「日本共産党参院選公約」はhttp://www.jcp.or.jp/ranking/page/203_inc.html
「2、安定した雇用、人間らしい労働のルールをつくります
安定した雇用と、それを守る労働のルールは、国民の暮らしと健全な社会の基盤であり、長年続いている国民所得の減少に歯止めをかけ、家計と内需主導の経済成長をはかるうえでも最重要の課題です。
(1)非正規から正規への雇用の転換をすすめます
労働者派遣の原則自由化をはじめ、相次ぐ労働法制の規制緩和によって、非正規雇用が働く人たちの3人に1人、若者と女性では2人に1人にまで広がり、年収200万円にも満たない労働者が1000万人を超えています。OECDの調査では、日本は貧困層の8割以上が働いており、平均の63%を大きく上回る“ワーキングプア大国”になっています。非正規雇用の増大は、働く人たち全体の賃金を抑制し、引き下げる効果ももたらしています。
国民の暮らしを守るためにも、日本経済の成長を実現するためにも、非正規から正規への雇用の転換を、雇用政策、経済政策の柱として位置づけ推進します。
その中心になるのが、労働者派遣法の抜本改正です。しかし、政府が先の国会に提出した「改正」案には二つの大きな抜け穴があり、「使い捨て」の働かせ方は現状と何ら変わらないものになっています。
一つは、「製造業派遣の原則禁止」と言いながら、「常用型派遣」を「例外」にしていることです。派遣会社が「1年を超えて雇用する予定」といえば、2カ月を超える雇用契約を反復させることも「常用型」だというのですから、派遣労働の実態は何ら変わりません。もう一つは、「登録型派遣の原則禁止」と言いながら、「専門業務」を「例外」にしていることです。「専門業務」は政令で定められていますが、パソコンなどの「事務用機器の操作」やビルの受付、駐車場管理など、名ばかりの「専門業務」が多数含まれています。
日本共産党は、政府案の大穴をふさぎ、「使い捨て」の働かせ方を規制し、派遣労働者から正社員への道を開く、抜本的な改正をすすめる修正案を国会に提出しました。この実現をめざします。
数カ月〜1年単位の雇用契約を繰り返す「細切れ雇用」をなくすために、期限の定めのある雇用契約は合理的な理由がある場合に限定する、非正規と正規の不当な差別や格差をなくすために均等待遇の原則を確立するなど、非正規労働者の雇用と権利を守ります。」としています。

「社民党マニフェスト」はhttp://www5.sdp.or.jp/policy/policy/election/2010/manifesto2010_04.htm
「2.労働者派遣法を派遣労働者の保護法に抜本改正します
○3党連立政権(民主・社民・国新)が公約し、継続審議となっている労働者派遣法改正案(政府案)を確実に成立させます。 〔政府案〕
@「派遣切り」の多発や雇用の安定性に欠ける派遣形態の横行を止めるための事業規制
・登録型派遣の原則禁止(専門26業務は例外)
・製造業務派遣の原則禁止
・日雇い派遣の原則禁止
・グループ企業内派遣の8割規制
A派遣労働者の無期雇用化や待遇の改善 ・派遣元事業主に、一定の有期雇用の派遣労働者について、無期雇用への転換推進措置を努力義務化
・派遣料金と派遣労働者の賃金の差額の派遣料金に占める(いわゆるマージン率)などの情報公開を義務化
・雇い入れ等の際に、派遣労働者に対して、一人当たっての派遣料金の額を明示
B違法派遣に対する迅速・的確な対処
・派遣先が一定の違法行為を行った場合に、派遣先と派遣労働者との間に雇用関係を成立させる「直接雇用みなし規定」の創設
・処分逃れを防止するため労働者派遣事業の許可等の欠格事由を整備
C法律の名称に「派遣労働者の保護」を明記し、「派遣労働者の保護・雇用の安定」を目的規定に明記
○政府案で例外規定となっている登録派遣の専門26業務や、製造業派遣の常時雇用が、法の抜け穴とならないよう、厳格な運用とさらなる法改正を求めていきます。」としています。

「みんなの党アジェンダ」は
http://www.your-party.jp/policy/manifest.html#manifest02
「民主党政権の「派遣禁止法案」は、かえって働き方の自由を損ない、雇用を奪うものであり反対。」と明記しています。
みんなの党は、自民党とともに、労働の規制緩和を進める立場の政党です。


posted by siinoki at 20:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律相談・労働相談
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