2012年01月14日

将来の退職金の財産分与(離婚事件)

夫婦が離婚する際には、婚姻関係継続中に夫婦が協力して得られた財産を、財産分与によって清算することが認められます。

財産分与の対象となるかどうか難しい問題の一つに、夫婦の一方が将来得られる見込みの退職金が財産分与の対象になるか、という問題があります。

この点について、公刊されている裁判例には、将来の退職金のうち支給に高度の蓋然性が認められるとき現在高になおして財産分与する旨判示した東京地裁平成11年9月3日判決(判例時報1700号79頁)があります。
解説書では「最近は、口頭弁論終結時の後四、五年間のうちに退職する場合には、退職金を精算対象として扱う事例が増えている」(新日本法規「家事財産給付便覧」二三二ノ二頁)などと言われています。

このほど、私が担当した離婚事件で、相手方配偶者の定年退職の時期が約10年後となるケースで、退職金を現在高に引き直して(その全額を)財産分与の対象とする和解を、東京高等裁判所で成立させることができました。
解説書が言う「口頭弁論終結時の後四、五年間のうちに退職」という要件は絶対的なものではないようです。

財産分与が問題となる場合には、相手方配偶者の退職金について忘れないように主張して、良い解決をめざすべきだといえるでしょう。
posted by siinoki at 12:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律相談・労働相談
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