2012年01月20日

勤務不良や規律違反を理由とする解雇(労働事件)

勤務成績不良、勤務態度不良や業務命令違反等の規律違反行為を理由とする解雇の相談をしばしば受けます。
上記のような理由の解雇の有効性について、裁判所は、企業の種類、規模、職務内容、労働者の採用理由、職務に要求される能力、勤務成績、勤務態度の不良の程度、その回数、改善の余地があるか、会社の指導があったか、他の労働者との取り扱いに不均衡はないか、規律違反行為の態様、程度、回数、改善の余地の有無等を総合的に検討して判断しています。

会社が指摘する勤務不良や規律違反の事実があっても、解雇が有効とされるとは限りません。

公刊されている裁判例としては、次のようなものがあります。

■カジマ・リノベイト事件(東京地判平成13年12月25日労判824号36頁)
 業務命令違反を理由に4回にわたってけん責処分を受けた後になされた勤務成績・能率不良等を理由とする解雇につき、会社の業務に支障を来した程度も、社会通念上さほど重大なものとはいえないこと、会社は第1けん責処分後に限っても、一連のけん責処分に対する労働者の反論や対応を見極めて、労働者と対話するなどといった方策を十分講じたとは認めがたく、会社には、第4けん責処分の後であっても、減給、出勤停止のような他の懲戒処分を行うことに特段支障はなかったと認められることから、解雇理由となるべき事情を総合考慮しても、解雇は権利の濫用として無効であるとされた。

■セガ・エンタープライゼス事件(東京地決平成11年10月15日労判770号34頁)
 労働者が従業員として平均的な水準に達していなかったとしても、就業規則所定の「労働能率が劣り、向上の見込みがないと認めたとき」との解雇事由は限定的に解すべきであり、同事由に該当するといえるためには、著しく労働能率が劣り、しかも向上の見込みがないときでなければならないとし、会社が、教育、指導により労働者の労働能率を向上させる余地があったのにこれを怠った事実も考慮して、解雇は権利の濫用に当たり無効と判断した。
posted by siinoki at 09:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律相談・労働相談
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/53195645
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック