2012年02月03日

パブリシティ権とは何ですか(知的財産)

 有名人の氏名や肖像は、これを営業的に利用することによって、その営業に係る商品やサービスについて顧客を引きつける力を持っています。このように顧客を引きつける力を有していることを「顧客吸引力」といいます。
 パブリシティ権とは、有名人の氏名や肖像が有している顧客吸引力を営業的に利用することについて、当該有名人に、自らの氏名や肖像の営業的利用について排他的支配が認められるべきものとして排他的権利保護を認める考え方です。

 最高裁は平成24年2月2日判決(ピンク・レディ事件)で、「人の氏名,肖像等を無断で使用する行為は,専らその顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合に,いわゆるパブリシティ権を侵害するものとして,不法行為法上違法となる」と判断しました。
 同時に、「他方,肖像等に顧客吸引力を有する者は,社会の耳目を集めるなどして,その肖像等を時事報道,論説,創作物等に使用されることもあるのであって,その使用を正当な表現行為等として受忍すべき場合もあるというべきである。そうすると,肖像等を無断で使用する行為は,@肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し,A商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し,B肖像等を商品等の広告として使用するなど,専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合に,パブリシティ権を侵害するものとして,不法行為法上違法となると解するのが相当である」として、パブリシティ権を侵害して違法となる場合とならない場合についての判断基準を示しました。そして、この事案では、「本件各写真は,上記振り付けを利用したダイエット法を解説し,これに付随して子供の頃に上記振り付けをまねていたタレントの思い出等を紹介するに当たって,読者の記憶を喚起するなど,本件記事の内容を補足する目的で使用されたものというべきである」として、パブリシティ権の侵害による違法はないとしました。

 人ではない物にパブリシティ権が認められるかという問題については、最高裁平成16年2月13日判決(ギャロップレーサー事件)が、競馬ゲームに有名馬の名前を使われたとして物のパブリシティ権侵害を訴えた馬主らの請求を棄却し、物のパブリシティ権を否定しています。
posted by siinoki at 08:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律相談・労働相談
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