2012年03月25日

人身傷害補償保険に入っている場合には加害者に対する損害賠償請求は不要なのでしょうか(交通事故)。

日本の自動車保険は、強制保険である自賠責保険と、その上積み保険である任意保険の2階建てになっています。
自賠責保険は被害者に重大な過失がない限り満額が支払われますが限度額があります(死亡の場合3000万円等)。
上積み部分の任意保険は加害者が加入していない場合もあり、任意保険に加入していても被害者に過失があるとして過失相殺の主張がされて損害全額の賠償を受けられないことがしばしばあります。
(諸外国の自動車保険制度の中には強制保険の限度額が無制限である国も多数あります)
人身傷害補償保険は、上記のような日本の自動車保険制度の問題に対応する保険商品として、1998年から損害保険各社が発売し始めたものです。その特徴の第1は、被害者の過失相殺を問うことなく、定額給付式の傷害保険に準じて被害者(被保険者)に損害保険給付をすることです。
しかし、人身傷害補償保険の給付によって損害の全額が必ずしもカバーされるとはいえません。
例えば、死亡事故で被害者の過失割合が0の場合、被害者が一家の支柱の場合の慰謝料額は、裁判基準では2600から3000万円ですが、人身傷害補償保険の基準では2000万円です。後遺障害の慰謝料の基準も、裁判基準に比べると、人身傷害補償保険の基準は低いものとなっています。
したがって、人身傷害補償保険に加入している場合も、加害者に対する損害賠償請求可能な額との差額を、さらに加害者に請求することができます。
posted by siinoki at 20:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律相談・労働相談
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