2012年08月09日

不当解雇(整理解雇)について争うのに労働審判は適していますか(労働事件)

質問
 先月解雇(整理解雇)されました。
 不当解雇と併せて残業代の請求をするつもりです。
 整理解雇の4要件を明らかに満たしていないと思っています。
 争う手続の選択について調べてみたところ、労働審判は整理解雇には適さないという意見と、不当解雇が認められたら具体的に地位の確認(復職)の代わりに和解金(3ヶ月〜6ヶ月分の給料)などを提示してくれるという意見があり、どうしようかと迷っています。
 また、まずは会社に内容証明などで請求した方がいいのか、それともいきなり裁判などを起こしても構わないのでしょうか。
 会社に請求する場合、地位の確認ということで解雇の無効を訴えると思いますが、その場合、復職するつもりはないので最初から損害賠償(例えば請求した時点までの給料の他に何ヶ月か分の給料の請求)をしておいた方が良いのでしょうか(あるいはそういうことが可能なのでしょうか)。
 もし会社側が不当解雇は認めて復職させると言われたら、その会社に戻るつもりはない場合にはその時点までの給料の請求しかできないものなのでしょうか。

答え
 整理解雇に労働審判が使えないということはありません。金銭解決に至る割合は多いです。

 ただ、偶発的な解雇と違って整理解雇では会社も紛争が裁判所に持ち込まれる覚悟を決めて解雇しているので、労働審判での解決率は低くなる(=通常訴訟に移行する可能性が高くなる)かもしれません。

 内容証明郵便などで復職を求めるのは時間の無駄のように思われます。ただちに労働審判や仮処分や通常訴訟を提起した方が、最終的に解決する時期が早くなると思います。

 労働者が請求できるのは、解雇権濫用によって解雇が無効とされることによる地位の確認ですから、会社が復職を求めれば復職しなければなりません。会社が復職を求めているのに復職しないというわけにはいきません。そのようなケースはまれですから、復職してほしいと言われたらまれなケースにあたってしまったとあきらめて復職してください。

 解雇権濫用にあたる無効な解雇ということと、それが不法行為にあたり損害賠償責任を生じさせるということとは区別される問題です。

 解雇が無効であれば労働者としての地位があり会社に対しては給料の支払いを請求できます。
 しかし、不当解雇が不法行為にあたることを立証できても、損害として、毎月定額の給料相当額の損害賠償を請求できるわけではありません。

 弁護士の発想としては、地位確認ではなく損害賠償を請求するというのは損なやり方です。

 残業代の請求も、労働審判によっても通常訴訟によってもいずれでも請求できます。
 ただし、付加金(未払残業代と同額)の支払を命じることができるのは訴訟の判決であり、労働審判では命じることはできないとされています。付加金をどうしても得たい場合には最初から通常訴訟を提起するべきです。
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posted by siinoki at 18:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律相談・労働相談
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