2012年11月11日

人身傷害補償保険で、主夫の逸失利益は認められますか(交通事故)

質問
 追突事故に遭い、一か月通院しました。 
 私は、肩書きは会社の代表取締役ですが、実際には収入が無く、妻の収入で生活しており、主夫をしています。
 主夫の休業損害として、人身傷害補償保険から保険金を支払ってもらえるでしょうか?
 その場合の支払い額の基準は賃金センサスによるのでしょうか?

回答
 人身傷害補償保険の東京海上日動火災保険の約款では、別紙人身傷害条項損害額基準において、第1の2.休業損害の説明として「受傷により収入の減少が生じた場合、減収額に応じて支払うものとし、原則として次の算定方法によります」として、@有職者の場合の算定方法を示しています。
 ここでいう「収入」の説明として、「もっぱら被保険者本人の労働の対価として得ているものをいいます。」と注釈がついています。

 そして、A家事従事者の場合の算定方法として「治療期間の範囲内で、現実に家事に従事できなかった日数に対して、1日について5700円とします。」としています。
 「家事従事者」の説明としては、「年齢、性別を問わず、家業を専業にする者をいいます」とされています。

 B有職者および家事従事者のいずれにも該当しない場合について「無職者、金利生活者、地主、家主、恩給、年金生活者、幼児、学生または生活保護受給者等の現実に労働の対価としての収入のない者の場合は支払対象となりません。」と規定しています。

 このように、約款上、失業者が「有職者」に含まれていないことが明確ですから、賃金センサス等に基づいて休業損害を請求することはできません。
 約款上の家事従事者として認めさせて一日あたり5700円の休業損害を得られるようにするべきでしょう。

 他社の約款も似たようなものだと思います。

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posted by siinoki at 09:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律相談・労働相談
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