LECグループが運営する中野区の民間学童クラブの館長級(常勤職員)の年収は270万円
中野区は2008年4月から現在の1ヶ所に加えてさらに2ヶ所の民間学童クラブを新設します。
中野区ホームページ↓
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/011/d07800116.html
現在の1ヶ所(新井薬師)と新設される1ヶ所(江原町)の運営会社は株式会社プロケア。株式会社プロケアは、大手予備校グループのLECグループ(「れっく東京リーガルマインド」)の保育園等運営部門で、「ちゃいれっく」という屋号で民間保育園や民間学童クラブの運営を行っています。
LECグループのホームページ↓
http://www.lec-jp.com/corporation/kanren.html
民間学童クラブの運営は、基本的には、中野区が基本的な人件費と運営費から積算した委託費を支払い、その枠内で運営会社が利益をあげるというものです。
民間学童クラブが職員に支払う賃金が低ければ低いほど、運営会社が儲かるという仕組みになります。
運営会社の職員の話によると、LECグループが常勤職員に支払う賃金は年収で約270万円です。
学童クラブに配置される常勤職員は館長級の職員などごくわずかであり、他の館長級以外の職員のほとんどは、さらに極めて低賃金のパート・アルバイトになるのでしょう。
職員の待遇がもっとも高い館長級であっても年収約270万円という水準を、どう考えるべきでしょうか。
私は、大勢の子どもたちの命を預かる学童クラブの職員の待遇がそのような水準では、たとえ高い意欲をもった優秀な職員であっても、長く働き続けることはできず、責任感を持った保育が行われず重大な事故を引き起こすことにもなりかねないという畏れを感じました。
子どもたちの命にかかわる領域で、むやみやたらに人件費の削減をすすめる(=営利企業を儲けさせる)ことには、慎重であるべきです。
LECグループが設置した大学は、設置後の2007年1月25日、文部科学省から、学校教育法第15条第1項に基づく改善勧告等を受けています。子どもの命に関わる事業で、大きな事故が起こってから事後の改善勧告をしても間に合いません。
文部科学省HPより
「学校教育法第15条第1項の規定に基づく勧告 18文科高第579号」(平成19年1月25日付)
http://www.lec.ac.jp/news/news_777.html
中野区長の田中大輔氏は、LECグループの発行する雑誌である「法律文化」誌に登場しています。
「『小さな役所』を機能させる行政手法」(2006年11月号「首長に聞く」掲載)
LECグループホームページ↓
http://www.lec-jp.com/h-bunka/archive/chihougyousei.html
田中区長が法律文化誌から原稿料やその他の名目でどのような利益を受けたのかわかりません。
子どもたちの命に関わる事業の人件費の削減によって利益を上げる企業、しかも中野区と直接の委託契約関係にある企業の宣伝に、区長が登場して、金銭を受け取るようなことは、できるだけ避けるべきではないでしょうか。
学童クラブの事業を民間企業にゆだねることが真にやむを得ないのあっても、行政が営利企業の宣伝に協力するのはやめ、低賃金で働く職員の待遇を改善し、子どもを預ける親たちも安心して預けられるような事業にするための努力をしてもらいたいと思います。
この記事について、さらに事実を提供していただける方、あるいは事実誤認があるというご意見をお持ちの方があれば、資料を添えて事実を教えてください。情報の提供は、ホームページhttp://www.siinoki-law.jp/に記載されている連絡先までお願いいたします。
2007年11月30日
この記事へのコメント
2008年6月にプロケアの社長が変わり、社員もだいぶ入れ替わったと伺ってます。最近のプロケアの状況はいかがなものでしょうか?色々な問題点を改善され良い企業になっているのでしょうか?子供たちは安全に守られているのでしょうか?
Posted by 匿名 at 2008年12月26日 21:07
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/7380014
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/7380014
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック