質問
私たち夫婦には子どもはいません。
先日、夫が亡くなりました。
夫の相続財産は預貯金だけで、不動産などはありません。
金融機関に相続手続を相談したところ、夫の相続人は私だけでなく、兄弟姉妹や亡くなった兄弟姉妹の子も相続人であること、預貯金の相続手続には相続人全員の署名捺印が必要であること、という説明がありました。
ところが、相続人の1人(夫の亡くなった兄の子)が行方不明で、署名捺印をもらうことは不可能です。
回答
判例は、預貯金は相続によって当然に法定相続分にしたがった分割債権となるとしています。
したがって、あなたは4分の3の法定相続分の割合で預貯金を相続しているとして、各金融機関に預貯金の払い戻しを単独で請求することができます。
金融機関の対応は、法定相続分の割合での任意の払い戻しに応じるところもありますが、訴訟によって請求しなければ払い戻しに応じないところもあります。
訴訟が必要な場合は弁護士に委任するなどしてください。
なお、預貯金の中でも旧郵便局の定額郵便貯金についてだけは、預け入れ後10年間は分割払い戻しができないという制限があるため、法定相続分での払い戻しはできないとするのが判例です。そのため、定額郵便貯金については、遺産分割協議か、預け入れ後10年の経過を待って法定相続分の払い戻し請求をすることが必要です。
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2014年04月11日
子どもがいない夫婦の亡夫の預貯金の相続手続
posted by siinoki at 08:01| 法律相談・労働相談