2013年05月09日

憲法96条の発議要件緩和に反対する意見書

日弁連は、3月に、憲法96条の発議要件緩和に反対する意見書を発表しています。
ご紹介します。
日弁連ホームページより
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2013/130314_2.html


憲法第96条の発議要件緩和に反対する意見書
                 2013年(平成25年)3月14日
                 日本弁護士連合会
          意見の趣旨
当連合会は憲法改正を容易にするために憲法第96条を改正して発議要件を緩和することに強く反対する。
          意見の理由
1 憲法第96条を改正しようとする最近の動き
日本国憲法第96条は,「この憲法の改正は,各議院の総議員の三分の二以上の賛成で,国会が,これを発議し,国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には,特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において,その過半数の賛成を必要とする。」と定める。
自由民主党(以下「自民党」という。)は,2012年4月27日,日本国憲法改正草案を発表し,第96条の改正規定を,衆参各院の総議員の過半数で発議するように変更しようとしている。日本維新の会も憲法改正を主張し,第96条の憲法改正発議要件を各議院の3分の2以上から過半数に緩和することを提案している。
2012年12月16日に行われた衆議院議員総選挙の結果,自民党と日本維新の会,みんなの党が合計366議席となり,衆議院において憲法改正の発議要件である総議員の3分の2以上を憲法改正を主張する三党が占め,自民党単独でも約6割の294議席を確保した。そして,安倍晋三首相は,本年1月30日の国会答弁で,「党派ごとに異なる意見があるため,まずは多くの党派が主張している憲法第96条の改正に取り組む」旨を明言した。
憲法第96条の発議要件を緩和しようとするのは,まず改正規定を緩和して憲法改正をやりやすくし,その後,憲法第9条や人権規定,統治機構の条文等を改正しようとの意図を有している。

2 日本国憲法で国会の発議要件が総議員の3分の2以上とされた理由
憲法は,基本的人権を守るために,国家権力の組織を定め,たとえ民主的に選ばれた国家権力であっても権力が濫用されるおそれがあるので,その濫用を防止するために国家権力に縛りをかける国の基本法である(立憲主義)。
すなわち,憲法第11条は「この憲法が国民に保障する基本的人権は,侵すことのできない永久の権利として,現在及び将来の国民に与へられる。」とし,憲法第97条は「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は,人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて,これらの権利は,過去幾多の試練に堪へ,現在及び将来の国民に対し,侵すことのできない永久の権利として信託されたもので
ある。」とする。この基本的人権の尊重こそが憲法の最高法規性を実質的に裏付けるものであり,この条項に引き続く憲法第98条は「この憲法は,国の最高法規であって」と,憲法の最高法規性を宣言し,憲法第81条で裁判所に違憲立法審査権を与えている。憲法第96条の改正規定は,これらの条項と一体のものとして,憲法保障の重要な役割を担うものである。
憲法学説においても,憲法改正規定の改正は,憲法改正の限界を超えるものとして許されないとする考え方が多数説である(芦部信喜著「憲法第五版」(岩波書店)385ページ以下など)。
このように,日本国憲法は国の基本的な在り方を定める最高法規であるから,憲法が改正される場合には,国会での審議においても,国民投票における国民相互間の議論においても,いずれも充実した十分慎重な議論が尽くされた上で改正がなされるべきことが求められ,法律制定よりも厳しい憲法改正の要件が定められたのである。
もし,充実した十分慎重な議論が尽くされないままに簡単に憲法が改正されるとすれば,国の基本法が安易に変更され,基本的人権の保障が形骸化されるおそれがある。国の基本法である憲法をその時々の支配層の便宜などのために安易に改正することは,それが国民の基本的人権保障や我が国の統治体制に関わるだけに,絶対に避けなければならない。
現在の選挙制度の下では,たとえある政党が過半数の議席を得たとしても,小選挙区制の弊害によって大量の死票が発生するため,その得票率は5割には到底及ばない場合がありうる。現に2012年12月16日の衆議院議員総選挙では,多数の政党が乱立して票が分散したため,自民党は約6割の294議席を占めたが,有権者全体から見た得票率は3割にも満たないものであった。したがって,
議員の過半数の賛成で憲法改正が発議できるとすれば,国民の多数の支持を得ていない憲法改正案が発議されるおそれが強い。その後に国民投票が行われるとしても,国会での発議要件を緩和することは,国民の多数の支持を受けていない憲法改正案の発議を容認することとなってしまうおそれがある。
このように発議要件を3分の2以上から過半数に改正すると,憲法改正発議はきわめて容易となる。議会の過半数を握った政権与党は,立憲主義の観点からは縛りをかけられている立場にあるにもかかわらず,その縛りを解くために簡単に憲法改正案を発議することができる。これでは,立憲主義が大きく後退してしまうこととなる。現在,衆議院と参議院の「ねじれ現象」が続いているが,たまたまある選挙で「ねじれ」が解消されれば,多数党は簡単に憲法改正案を発議できることになる。これでは,憲法の最高規範性は大きく低下して,憲法の安定性を損なうこととなる。
なお,大日本帝国憲法第73条は,議員の3分の2以上の出席の下,出席議員の3分の2以上の賛成で憲法改正がなされると定められていた。

3 諸外国の憲法との比較
憲法第96条の改正提案は,発議要件を緩和して,憲法改正をやりやすくしようとするものである。しかし,各国の憲法と比較すると,日本国憲法の改正要件はそれほど厳しいとはいえない。
各国憲法の改正手続について国会図書館がまとめた対比表(「憲法改正手続の類型」硬性憲法としての改正手続に関する基礎的資料(衆憲資第24号)最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会(2003年4月3日の参考資料))によると,各国とも,様々な改正手続がとられている。法律と同じ要件で改正できる憲法はきわめて少数で,ほとんどの国が法律制定よりも厳しい憲法改正要件を定めている。
例えば,日本国憲法第96条と同じように,議会の3分の2以上の議決と必要的国民投票を要求している国としては,ルーマニア,韓国,アルバニア等がある。ベラルーシでは,議会の3分の2以上の議決を2回必要とし,さらに国民投票を要するという制度である。フィリピンでは,議会の4分の3以上の議決と必要的国民投票を要求している。日本国憲法よりもさらに一層厳しい要件である。
国民投票を要しない場合にも,再度の議決が要求されるものや,連邦制で支邦の同意が要求されるものなど,様々な憲法改正手続を定める憲法が存在する。例えば,イタリアでは同一構成の議会が一定期間を据え置いて再度の議決を行い,2回目が3分の2未満のときには国民投票が任意的に行われる。アメリカでは連邦議会の3分の2以上の議決と州による承認が必要とされている。なお,ドイツでは議会の3分の2以上の議決によって憲法が改正され,フランスでは国民投票又は政府提案について議会の議決と両院合同会議による再度の5分の3以上の議決によって憲法が改正される。
このように,世界中には様々な憲法改正規定が存在し,日本国憲法よりも改正要件が厳しい憲法も多数存在する。諸外国の憲法改正規定を根拠として,発議要件の緩和を正当化させることはできない。

4 憲法改正手続法における国民投票の問題点
憲法は,国の基本的な在り方を定め,人権保障のために国家権力を縛るものであるから,その改正に際しては国会での審議においても国民投票における論議においても,充実した十分慎重な議論の場が必要である。
ところが,2007年5月18日に成立した日本国憲法の改正手続に関する法律(以下「憲法改正手続法」という。)には,当連合会がかねてより指摘してきた重大な問題点が数多く存在する(2005年2月18日付け,2006年8月22日付け,2006年12月1日付け,2009年11月18日付け各意見書)。例えば,国民投票における最低投票率の規定がなく,国会による発議から国民投票までに十分な議論を行う期間が確保されておらず(長谷部恭男東京大学教授は,国会による改正の発議から国民投票まで,少なくとも2年以上の期間を置くべきだとする。「続・憲法改正問題」日本評論社8ページ以下),憲法改正に賛成する意見と反対する意見とが国民に平等に情報提供されないおそれがあり,公務員と教育者の国民投票運動に一定の制限が加えられているため,国民の間で十分な情報交換と意見交換ができる条件が整っているわけではない。このような状況で憲法改正案の発議がなされ,国民の間で充実した十分慎重な議論もできないままに国民投票が行われれば,この国の進路を大きく誤らせるおそれがある。そのため,憲法改正手続法を可決した参議院特別委員会は,これらの重大な問題点に関し18項目にわたる検討を求める附帯決議を行った。
ところが,憲法改正手続法の問題点には全く手がつけられないまま,現在,国会の発議要件の緩和の提案だけがなされているのは,本末転倒と言わざるを得ない。
国会においては,発議要件を緩和するなどという立憲主義に反した方向での議論をするのではなく,国民投票において十分な情報交換と意見交換ができるように,まずは憲法改正手続法を見直す議論こそなされるべきである。
また,国会の責務という点について付言するならば、2012年12月16日の衆議院議員総選挙は最高裁判所が違憲状態であるとした選挙区割のままなされたものであり,選出された国会議員が果たして適法に国民を代表するものであるのか疑問があるところである。国会はこの違憲状態を黙過することなく,直ちに解消するのが先決である。

5 結論
以上のとおり,日本国憲法第96条について提案されている改正案は,いずれも国の基本的な在り方を不安定にし,立憲主義と基本的人権尊重の立場に反するものとしてきわめて問題であり,許されないものと言わなければならない。
当連合会は,憲法改正の発議要件を緩和しようとする憲法第96条改正提案には強く反対するものである。
以上


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2013年03月08日

中小企業のための金融円滑化法出口対応の手引き

金融円滑化法の効果で民事再生や破産に至る事業者の数は低く抑えられてきたと言われています。
3月末の金融円滑化法の終了によってどのような変化が生じるかが注目されています。
この本は、「弁護士に相談すると何でもかんでも破産を勧められる」と思われることのないよう、事業継続のために弁護士が頼りになれるよう、研鑽を求めています。
特定調停の活用に注目すべきだとして、具体的な方法を論じている点に特色があります。

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2013年02月28日

「非嫡出子は相続半分」見直しの可能性 最高裁、大法廷で判断へ

 各マスコミの報道によると、非嫡出子の相続分が争点となっている事件について、最高裁が2013年2月27日、事件を大法廷に移すことになりました。

 非嫡出子の相続分を嫡出子の相続分の半分とする民法の規定を合憲としている最高裁判決が見直される可能性があります。

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2013年01月28日

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この記事はテスト送信です。

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2012年12月26日

被後見人の選挙権を剥奪する公職選挙法11条1項1号の改正を求める勧告

 日弁連は、2012年12月25日、公職選挙法11条1項1号が成年被後見人の選挙権を一律かつ全面的に剥奪していることは、成年者による普通選挙を定めた憲法15条1項、同条3項に反しており、成年被後見人の選挙権を不当に侵害するものであるとして、速やかに公職選挙法11条1項1号を削除する法改正を行うことを勧告しました。

 下記の日弁連ホームページに全文
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/complaint/year/2012/2012_9.html
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2012年06月25日

社会保障制度改革推進法案に反対する日弁連会長声明

 日弁連は、民・自・公三党の合意した社会保障制度改革推進法案について、国による生存権保障及び社会保障制度の理念そのものを否定するに等しく、日本国憲法25条1項及び2項に抵触するおそれがあるとして、法案成立に強く反対する旨の会長声明を発表しました。
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120625.html

 社会保障制度改革推進法案に反対する会長声明民主党、自由民主党及び公明党が今国会で成立を図ることにつき合意した社会保障制度改革推進法案(以下「推進法案」という。)は、「安定した財源の確保」「受益と負担の均衡」「持続可能な社会保障制度」(1条)の名の下に、国の責任を、「家族相互及び国民相互の助け合いの仕組み」を通じた個人の自立の支援に矮小化するものであり(2条1号)、国による生存権保障及び社会保障制度の理念そのものを否定するに等しく、日本国憲法25条1項及び2項に抵触するおそれがある。

 すなわち、推進法案(2条3号)は、「年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし、国及び地方公共団体の負担は、社会保険料負担に係る国民の負担の適正化に充てることを基本とする」として、年金・医療・介護の主たる財源を国民が負担する社会保険料に求め、国と地方の負担については補助的・限定的なものと位置付けており、大幅に公費負担の割合を低下させることが懸念される。

 また、推進法案(2条4号)は、社会保障給付に要する公費負担の費用は、消費税及び地方消費税の収入を充てるものとするとしているが、財源の確保は、憲法13条、14条、25条、29条などから導かれる応能負担原則の下、所得再分配や資産課税の強化等の担税力のあるところからなされなければならない。

 さらに、推進法案(4条)は、新設する社会保障制度改革国民会議の審議を経て社会保障制度改革を具体化する立法措置を講じるものとしているが、社会保障制度改革をめぐる国民的議論は、全国民の代表である国会において、全ての政党・会派が参加し、審議の全過程を国民に公開すべきであり、内閣総理大臣が任命する僅か20名の委員による審議に委ねることは民主主義の観点から不適切である。

 最後に、推進法案(附則2条)は、「生活保護制度の見直し」として、不正受給者への厳格な対処、給付水準の適正化など、必要な見直しを実施するとしている。しかし、生活保護受給者の増加は不正受給者の増加によるものではなく、無年金・低年金の高齢者の増加と非正規雇用への置き換えにより不安定就労や低賃金労働が増大したことが主たる要因である。むしろ、本来生活保護が必要な方の2割程度しか生活保護が行き届いていないことこそ問題である。給付水準の見直しについては、最も低い所得階層の消費支出との比較により、保護基準を引き下げることになりかねず、個人の尊厳の観点からも是認できない。

 当連合会は、2011年の第54回人権擁護大会において、「希望社会の実現のため、社会保障のグランドデザイン策定を求める決議」を決議した。しかし、推進法案は、上記のとおり、社会保障制度の根本的改悪、削減を目指すものとなっており、当連合会の決議に真っ向から反する法案である。

 よって、当連合会は、今国会で推進法案を成立させることに強く反対するものである。

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2012年04月25日

日弁連が有期労働契約に関する労働契約法改正案に対する意見書

 日弁連は、「有期労働契約に関する労働契約法改正案に対する意見書」をとりまとめ、厚生労働大臣に対して提出しました。

 意見書の要旨は次の通りです。

 我が国の有期契約労働者が低賃金で不安定な雇用の下に置かれている現状と問題点を踏まえ、「労働契約法の一部を改正する法律案」(以下「改正法案」という。)を修正し、以下のとおり有期労働契約に関する規制を強化することを求める。
 
1 労働契約は、期間の定めのないものが原則となること(無期原則)を明文化すること。

2 その例外となる有期労働契約の締結は、合理的理由(一時的・臨時的に雇用すべき理由)がある場合に限るとする入口規制を設けること。

3 有期労働契約の無期契約への転換(改正法案18条)については、有期労働契約の「通算契約期間」の上限を1年、どんなに長くとも3年とし、期間を超えた場合には無期契約への転換をみなす出口規制を設けるとともに、期間の算定に当たっては「空白期間」を設けないこと。

4 期間の定めのない労働契約への転換後の労働条件については、労働契約法3条2項との整合性を考慮し、改正法案18条のうち「この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある場合を除く。)とする。」との部分は削除すべきである。

5 雇止め制限法理の明文化(改正法案19条)に関しては、最高裁判例よりも狭く解釈されかねない要件を付加すべきではなく、労働者からの契約更新の申込みがあること及び期間満了後遅滞なく契約更新の申込みがあることを要件から削除すべきであり、最高裁判例の文言及びそれを受けた労働政策審議会建議に従い「有期労働契約があたかも無期労働契約と実質的に異ならない状態で存在している場合、又は労働者においてその期間満了後も雇用関係が継続されるものと期待することに合理性が認められる場合には、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない雇止めについては、当該契約が更新されたものとして扱う」旨の文言とすること。

6 不更新条項の濫用禁止規定を設けるとともに、有期労働契約の「通算契約期間」の上限に満たない場合も同法理の適用がある旨を明文化すること。

7 改正法案20条の規定に関し、「職務の内容及び配置の変更の範囲」は、労働条件格差の合理性判断に当たって基準とするにふさわしいものとはいえないことから、これを考慮要素とすべきではなく、削除すべきであり、仮に、これを考慮要素とする場合であっても、当該企業の正規労働者に対する配置転換の事情に応じて、個別具体的に判断するものでなければならないことを、指針等で明確にすべきこと。
また、同20条に関し「〜期間の定めのない労働契約を締結している労働者」に続けて、「又は労働者であった者あるいは労働者となり得る者」を加え、過去との比較、将来との比較を可能とすべきこと。

8 改正法案20条の規定では、条文の民事的効力が不明確であるから、この規定に反する不合理な労働条件は無効であることを明確化するとともに、期間の定めがあることによる労働条件の相違に「合理性」があることの証明責任を使用者に負わせることを明記すること。

9 抜本的には、有期契約労働者(無期転換後の無期雇用労働者も含む。)と正規労働者の賃金格差や男女の賃金格差を解消するために同一価値労働同一賃金の原則を実効性ある内容で法制化すること。

http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2012/120413_2.html
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2012年03月16日

法曹人口政策に関する提言

日弁連は2012年3月15日、法曹人口政策に関する提言を発表しました。

 http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2012/120315.html
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2012年03月02日

日弁連「有料老人ホーム・高専賃トラブル110番」の結果

日弁連「有料老人ホーム・高専賃トラブル110番」の結果
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/committee/list/data/trouble110_houkoku.pdf

 日弁連が昨年実施した、有料老人ホーム・高齢者専用賃貸住宅トラブル110番の結果を公表しています。
 「入居一時金問題」についての相談が最も多く、事業者における入居一時金の扱いが違法(もしくはその可能性が高い)である事例、事業者が契約時にきちんと説明していない事例などが多く見られます。
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2012年02月25日

元少年の実名報道を批判する日弁連会長声明

 2012年2月24日、日弁連(会長宇都宮健児弁護士)は、いわゆる光市母子殺害事件の犯行時少年であった被告人の実名報道を批判する会長声明を発表しました。

http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120224_2.html

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2012年02月17日

大阪市のアンケート調査の中止を求める日弁連会長声明

 2012年2月16日、日弁連(会長宇都宮健児弁護士)は大阪市の市職員に対する政治活動・組合活動等についてのアンケート実施の中止を求める会長声明を発表しました。

http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120216.html
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2012年02月16日

団結権を侵害する大阪市職員に対するアンケート調査に抗議し、即時中止を求める声明

日本労働弁護団は、大阪市長による職員のアンケート調査に関して、次の声明を発表しました。

団結権を侵害する大阪市職員に対するアンケート調査に抗議し、即時中止を求める声明

2012年2月15日 日本労働弁護団 幹事長 水口洋介

1 橋下徹大阪市長は、2月9日、大阪市職員に対し、「労使関係に関する職員のアンケート調査」(以下「本件アンケート」という)の配布を指示し、これに回答するよう職務命令を発した。この本件アンケートには、氏名・職員番号を記入させ、回答については「任意の調査ではありません」「市長の業務命令」「正確な回答がなされない場合には処分の対象となりえます」などとし、強制力を有するものと明記されている。
しかし、その調査事項を見ると、職員の思想良心の自由への侵害と労働組合の団結権に対する侵害に該当するものが見られ、到底許容し難い内容となっている。
日本労働弁護団は、次の通り抗議声明を発し、本件アンケートを即刻中止し、既に回収したアンケートを廃棄するよう求めるものである。
2 本件アンケートは、氏名を明らかにさせた上で(Q1)、回答を義務づけ、「特定の政治家を応援する活動(求めに応じて、知り合いの住所等を知らせたり、街頭演説を聞いたりする活動を含む。)に参加したことがありますか」(Q7)と質問して、大阪市職員に回答を強制している。
しかし、地方公務員も、憲法21条1項により政治活動の自由が保障され、また同19条により政治的意見を含めて思想良心の自由が保障されている。地公法36条2項も、「特定の政治目的を有する一定の政治的行為」を限定して禁止をしているのみである(地公法36条2項1号から5号)。
したがって、本件アンケートのように、業務命令として、街頭演説会を聞いたりする一般的な活動を含めて政治活動への参加の有無を問いただすことは、地公法36条の禁止の趣旨を超えて、大阪市職員の表現の自由、集会参加の自由に萎縮効果を与え、大阪市職員が憲法上保障された市民的自由を侵害するものにほかならない。また、公権力が業務命令として思想良心に密接に関連する事項の回答を強制することは、憲法19条が保障する「沈黙の自由」をも侵害するものにほかならない。
3 次に、本件アンケートでは、労働組合への加入の有無、参加の有無・程度及び労働組合に相談した経験の有無を問うなど(Q6、Q16、Q20)、労働組合の活動に対して極めて露骨な支配介入行為を行っている。さらに、組合に加入するメリット、組合に加入しないことの不利益及び組合費の使途についての見解をも問うているが(Q17、Q19、Q21)、これらは労働組合の運営・活動にかかわる事項に対しての回答を強制するもので、やはり典型的な使用者による労働者の団結権侵害の行為である。
このような質問事項は、たとえ提出先が大阪市庁内部ではなく、野村修也大阪市特別顧問あての形式をとったとしても、本件アンケートへの回答が橋下市長名義の下に業務命令として発され、「正確な回答がなされない場合は処分の対象となりえる」と明記していることに照らせば、職員に対する懲戒処分権を有する市長が回答内容を把握することが前提とされていることは明らかである。
このように、市長が、大阪市職員の団結権及び正当な労働組合活動を嫌悪し、その活動に対して支配介入をしようとする意図は明らかという他なく、団結権を侵害する典型的な行為であることは明白である。
4 そもそも、日本国憲法28条により、すべての勤労者には団結権が保障されている。地方公務員も憲法上の「勤労者」であることは明らかであるから、その団結権は当然に保障される。使用者であり、かつ公権力である大阪市長が、憲法上、保障された職員の団結権を侵害することは許されない。
そして、憲法で保障された団結権の内容は、労働組合法において具体化され、その中でも、労働組合の団結権に対する侵害行為(支配介入行為)は、これを類型的な不当労働行為として、許されざるものとしている(労組法7条)。
他方で、地方公務員法においては、同法上の「職員」(非現業公務員)に対して労働組合法の適用を排除する。日本労働弁護団はこの法体系自体に欠陥があるものと従来から指摘するところではあるが、仮に現行法を前提としても、それは単に公務員については不当労行為の類型を明確化せず、不当労働行為に対する救済手段が私企業と異なるという点に留まるのであり、憲法で保障された団結権を否定したものではないことは明らかである。したがって、地方自治体であっても職員の団結権を侵害することを許容しているものではないことは明らかである。
本件アンケートは、労組法の適用が排除されていない現業公務員等に対しても実施されるのであるから、この点では、極めて明白な不当労働行為であるというべきである。
5 以上のとおり、本件アンケートが、大阪市職員の思想良心の自由、そして団結権を侵害するものとして、違憲・違法であることは明らかである。
日本労働弁護団は、このような違憲・違法な調査を強行する大阪市の蛮行に厳しく抗議する。そして、大阪市に対し、大阪市職員に対する本件アンケート調査の即時中止を求め、回収したアンケートを廃棄することを求める。
また、日本労働弁護団は、大阪市職員及び労働組合と連帯し、かかる大阪市の暴挙を許さない運動を支持し、協力することをここに表明するものである。
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2012年01月28日

最高裁判決に対する自由法曹団の声明

自由法曹団は、君が代斉唱時の不起立等について戒告処分を適法であるとした最高裁判決に対する抗議声明を出しました。

http://www.jlaf.jp/html/menu2/2012/20120125142214_5.pdf
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2012年01月01日

本年もよろしくお願いします

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

昨年1年間もたくさんの業務を行ってきました。

破綻したハウスメーカーの事業を譲り受けた業者に対して預け金の返還を命じる判決、渡邉恒雄氏に対する名誉毀損訴訟で敗訴判決とはいうものの実質的に原告の主張を認めさせたこと、別居20年以上の有責配偶者による離婚訴訟の被告事件での勝訴的和解、勝訴した住民訴訟の弁護士報酬請求事件、マンション住人間で騒音発生の疑いをかけられた方から依頼された事件、在米の外国人との離婚訴訟、マスコミでも大きく報じられた交通事故の被害者のご遺族による損害賠償請求訴訟などなど、多彩な事件に取り組み、成果をあげることができました。
依頼者の方々との協働の結果です。お礼申し上げます。

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2011年07月06日

渡邉恒雄氏に対する名誉毀損訴訟で判決

 昨日(2011年7月5日)、読売新聞の元論説委員である前澤猛さんが、同社の渡邉恒雄氏に対して名誉毀損による慰謝料と謝罪広告を求めて起こしていた裁判で判決がありました。

 判決は、渡邉氏の新聞協会報紙上のインタビュー記事での「社論と反対の社説を書いた論説委員に執筆を禁じたこともあった」との発言が、原告の前澤猛さんを示すものと特定できるとした上で、同発言が前澤氏の「マスコミ界での社会的評価を低下させる可能性はある」と指摘しました。

 しかし、発言が前澤氏を示すものとわかった読者も、前澤氏が従来の社論に従い社説を書こうとしたのに渡邉氏の一存で執筆を禁じられたと理解すると思われるので、損害賠償を認めるほどの違法性はないとしました。

 私は、上記事件の原告代理人をつとめていました。
 原告である前澤猛さんのコメントが下記のところに掲載されています。
 http://www.news-pj.net/npj/maezawa/20110705.html

 判決全文は下記のところにあります。
 http://www.siinoki-law.jp/hanketu.pdf
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2011年05月19日

国税通則法の改悪に反対する国会請願署名

東京都内の当事務所のお知りあいの方に、国税通則法の改悪に反対する国会請願署名へのご協力のお願いをお送りしました。

この問題について詳しく知りたい方は、下記↓の自由法曹団の意見書をお読み下さい。
http://www.jlaf.jp/html/menu2/2011/20110223150854_4.pdf

ポイントだけを知りたい方は、下記↓の全国商工団体連合会(略称・全商連)のホームページをご覧下さい。
http://www.zenshoren.or.jp/zeikin/kokuzeitusokuho/kokuzeitusoku.html

マスコミの中には、今回の法案は、「納税者権利憲章」をつくるなどの内容が含まれているので、納税者の権利向上の方向のものだという誤報があります。

実態は、帳簿・書類などの物件を税務署が持ち帰り留め置くことができる権限の新設、税務調査期間を5年間に延長など、税務調査の権限を大幅に拡充する内容となっています。
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2010年11月19日

司法修習生の「給費制」、1年継続へ合意

本日の各紙で、司法修習生の給費制の存続について、民主・自民・公明の3党が当面1年間継続することで合意したと報じられています。
しいの木法律事務所では、給費制を求める請願署名をみなさんにお願いし、500筆以上のご協力をいただきました。
給費制の完全継続に向けて、引き続きご協力をお願いいたします。

日弁連ホームページ↓
http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/kiyuuhiseiizi.html

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2010年09月01日

司法修習生の給費制の存続を求める署名

司法修習生の給費制の存続を求める請願に、8月30日までに、519筆の署名をいただきました。ご協力ありがとうございます。

署名の集約は9月15日までですので、引き続きご協力をお願いします。
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