2022年04月06日

【近隣の方を対象とする無料相談会のご案内】

【近隣の方を対象とする無料相談会のご案内】
 当事務所では、毎月第4日曜日に、日ごろお世話になっている近隣のみなさんにご案内して無料相談会を開催しています。
 次回は2022年4月23日(日)です。
相談ご希望の方は、下記の事項を当事務所までお知らせください。
【ご住所】
【お名前】
【年齢】
【相談内容】⑴家族信託、相続、遺言、事業承継など、⑵事業にかかわる問題、⑶不動産、借地借家問題、⑷刑事事件、⑸家庭内の問題、⑹交通事故などの損害賠償請求、⑺インターネットにかかわる問題、⑻税金問題、⑼税金以外の行政にかかわる問題、⑽その他
【希望時間帯】30分程度
【連絡のとれる電話番号・メールアドレスなど】ご希望の時間が重なる場合時間の変更をお願いする場合があります。
 webでのオンライン相談をご希望の方はその旨お知らせください。

【遺言・相続出張相談会のご案内】
 当事務所では、遺言・相続出張相談会を随時行っています。1時間程度で、遺言・相続に関する基本的な事項についての説明を行い、その後個別の相談にも応じます。
 出張相談会希望の方はお申し込みください。
 料金:参加人数(1〜10人程度)に関わりなく10,000円(消費税別途)及び交通費実費。
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〒165−0027 東京都中野区野方5−17−7
守屋ビル1階 しいの木法律事務所
(2019年5月より事務所移転しました)
弁護士 八坂玄功 
東京弁護士会所属 登録番号27287
電話03−5373−1808 FAX03−5373−1809
メールアドレス yasaka@siinoki-law.jp
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2022年03月31日

有責配偶者からの離婚請求と障害のある子

質問
 夫の不倫が原因で別居して3年になります。
 別居後7から8年で有責配偶者からの離婚請求が認められると聞いています。
 私は、遺伝子病の子供(13歳)を抱えており、子供の生活に自分が合わせていかなくてはいけないので、フルに働くことができません。
 もし、後7から8年で離婚が認められてしまった場合、経済的に苦しくなると思います。
 この場合、扶養的財産分与というのは認められますか。

答え
 有責配偶者からの離婚請求が認められる場合の要件といわれている「未成熟子がない」とは、成年か未成年か、学齢期か学卒者かという形式的な基準では判断されていません。
 お子さんが遺伝子病ということですが、子どもさんが重病のため成人後も就労して自立することが困難といった事情がある場合には、お子さんが成年に達した場合であっても、「未成熟子がない」とはいえず、有責配偶者からの離婚請求が認められない可能性が十分にあります。
 ですから、「あと何年で離婚が認められる」と決めつけてしまうのではなくて、ご相談者の側が離婚に応じるつもりがないのであれば、離婚の成否を徹底的に争って、婚姻費用をきちんと負担し続けてもらうことを考えた方がよいと思います。
 裁判例としては、東京高裁平成20年5月14日判決(家裁月報61巻5号44頁)は、有責配偶者である夫からの離婚請求について、別居後15年以上経過して3人の子どもは成人しているものの、長男が身体的障害及びその生育状況に照らすと後見的配慮が必要と考えられること等を理由として、離婚請求を棄却しました。

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2022年03月29日

保釈請求をしたいが保釈金が用意できません(刑事弁護)

質問
 家族が窃盗の罪で逮捕され起訴されました。資力はないので国選弁護人が選任されています。
 起訴後は保釈を認めてもらえる可能性があると聞きましたが保釈金が用意できない場合には保釈請求は無駄なのでしょうか。

回答
 まず前提問題として保釈を請求するのが本当に良いことなのかどうかは弁護人の弁護士とよく相談してください。
 保釈請求が認められる見込みの場合、少なくても150万円〜200万円の保釈金が必要になるのが普通です。
 資力が十分でない方に保釈金を立て替えるなどしてくれる事業として下記の2つがあります。
 
 https://www.hosyaku.gr.jp/

 http://www.zenbenkyo.or.jp/service/hosyakuhosyou.html

 いずれの事業も国選弁護人の協力がないと利用できないものですので、国選弁護人とはよく相談するようにしてください。

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2022年03月27日

弁護士費用保険の加入件数は2800万件以上(交通事故)

日弁連の報告書によれば2019年の時点で、弁護士費用保険の加入件数は2800万件を超えています。
(ただし、日弁連との協定会社のみの数字ですので実際はもう少し多い)

弁護士費用保険は交通事故の被害に遭われた際の弁護士費用を保険会社から出してもらえるもので、対象者は、保険契約者だけでなく、その一定の範囲の親族が被害に遭われた場合も利用できます。

自動車保険だけでなく、最近は、家財保険などの商品のオプションとして弁護士費用保険が付いている場合も増えています。

万一の事故の際に、弁護士費用保険が使えるかどうか、確認しておかれることをお勧めします。

下記は、日弁連の資料より。
8AE45C10-E305-46A4-85BA-AF4D17726BBD.png

なお、交通事故以外に弁護士費用保険が有用と思われるネット上の誹謗中傷対策などで有効に使えそうな弁護士費用保険商品で、今のところお勧めできるのは、↓ これだそうです。
https://www.jcom-ssi.co.jp/lp5/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=lis&gclid=Cj0KCQjw29CRBhCUARIsAOboZbJRA9PH-6euu6Z_WnqohLYU2ErSTKlc0bpWghdI61P5UdgstbyASRMaAgK_EALw_wcB&fbclid=IwAR1pYz5a3jGYoR0ojoXhiWF8o7b4Nm9C9gLS8t7P-gpS9CPB0cX8c03g2g0
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2022年03月25日

本人訴訟の支援業務(行政訴訟・住民監査請求・情報公開請求・税金訴訟・その他の本人訴訟などの手続支援)

当事務所では、行政訴訟(住民監査請求、住民訴訟、情報公開訴訟、税金訴訟、訴訟に前置される審査請求などを含む)の分野に限って、本人訴訟に対する支援業務を行なっています。(一般の民事事件では本人訴訟の支援はしておりません)
なかなか勝訴するのは難しいと考えられている上に、目的は当事者の利益というよりも公益目的であることから、上記のような事件がもっと気軽に裁判所に持ち込まれることに意義があると考えているためです。

本人訴訟支援のための費用
相談料(30分) 11,000円
訴状や住民監査請求書、審査請求書などの書面作成手数料 110,000円〜
その他の書面作成手数料 55,000円〜

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少額訴訟にかかる費用を教えてください(民事訴訟一般・本人訴訟)

質問
 未払賃金を少額訴訟で請求しようと思っています。
 何にいくらほど費用がかかるのでしょうか?

答え
 60万円を請求する訴訟の場合、印紙代が6000円、予納郵便切手が6400円(東京簡易裁判所の場合)です。
 それ以外には、雇い主が会社の場合、法務局で代表者事項証明書を取り寄せて訴状とともに提出する必要があります。

 また、簡易裁判所の窓口に、典型的な類型の訴訟の用紙は備え付けられていて、無料でもらえます。
 賃金請求訴訟の書式もあります。

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交通事故の被害に遭いました。保険会社から提示された慰謝料額は妥当でしょうか(交通事故・本人訴訟)。

質問
交通事故の被害に遭いました。1か月の入院と1か月の通院で完治しました。過失割合については、加害者側に全面的に責任があることに争いはありません。
加害者の保険会社から、慰謝料として約36万円等の損害賠償額を提案されていますが妥当でしょうか。

答え
損害保険会社の提案額は、保険会社の内部の基準に従った金額のようです。
しかし、損害賠償請求訴訟によって認められる慰謝料の相場は、入院1か月通院1か月の場合、47万円から88万円です。
あなたとしては、訴訟によって適正妥当な損害賠償額を請求するのが良いと思います。

保険会社とこれ以上交渉を重ねても、保険会社の内部の基準を越えた提案がなされることはありません。

 しかし、ご相談のケースでは、訴訟のために弁護士に依頼すると、弁護士費用のコストの方が得られる利益よりも上回ってしまいそうです。
訴訟提起のために弁護士を代理人とすることは義務付けられていませんから、本人訴訟によって損害賠償請求訴訟を行うべきだと思います。
簡易裁判所の窓口には交通事故損害賠償請求訴訟の訴状のひな形が用意されています。
 過失割合などに争いがなく、争点は、慰謝料の額くらいですから、弁護士の法律相談を利用しながら、ご自分で訴訟を遂行することができると思います。

 なお、ご自身が加入している損害保険に弁護士費用補償特約がついている場合は、弁護士費用を出してもらうことができますから、弁護士に依頼するべきでしょう。
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2022年03月24日

各種、送達の順番を教えてください。(民事訴訟一般、本人訴訟)


質問
 本人訴訟を行っています。
 被告が訴状を受け取らない場合、各種の送達を順番に使っていくことになると思います。その手順を教えてください。
 被告の勤務先は判明していますが、住所は不明です。

答え
 まず、住所が不明であることを住民票、戸籍附票、調査報告書等で説明して、就業場所での送達をしてもらいます(民訴103条2項)。

 就業場所で従業員など書類の受領について相当のわきまえのある者が書類の交付を受けることを拒まないときは、有効な送達になります(民訴106条2項)。

 就業場所での送達ができない場合、就業場所にあてて付郵便送達をすることはできません(民訴107条1項参照)。就業場所は、そもそも二次的な送達場所であり、かつ、プライバシー保護の観点から補充送達受領資格者に差置送達をすることはできないとされる場所であるので、就業場所に付郵便送達を認めることは相当でないからです。

 就業場所への送達が受領拒絶等によって送達できなかった場合は、公示送達によることになります(民訴110条1項2号)

 要するに、最終的には公示送達ができます。


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後見人の追加選任

 財産を相当額保有している、推定相続人の間で将来生じる相続をめぐって紛争となる可能性が高い、現に親族間で紛争(同族会社をめぐる紛争やすでに起きている相続をめぐる紛争等)が生じている、などの事情がある場合、裁判所は弁護士を成年後見人として選任します。
 しかし、選任された弁護士後見人が、十分な活動を行なってくれないというご不満を聞く場合がしばしばあります。
 こうした場合、一般的にはあまり知られていませんが、後見人は1人だけしか選任できないわけではありませんので、後見人の追加選任の申立を行うことを試みてみることができる場合があります。

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2022年03月19日

無償で土地利用している知人の相続人に明渡を請求したい(使用貸借)

質問

 私が所有している土地を知人に無償で貸してその知人が土地上に建物を建てて居住しておりましたが数年前にその知人が死去。その後、その知人の遺族とその家族が建物に居住しています。

 無償で土地を貸す際に、その知人との間では、他人に建物を譲渡したり相続させることは認められなこと、契約終了時は建物を取り壊して土地を明け渡す約束をしています。

 未だに故知人の名義の建物に遺族やその家族が住み続けているため、契約の終了と明渡を請求したいのですが、どうすればよいでしょうか。


回答

 あまり簡単な話ではない可能性もあります。


1 契約の終了について

  民法改正前の契約なので旧民法599条の適用の問題になりそうです。

  旧民法599条の定めは下記のようになっていますので借主死亡によって契約が終了と主張することは可能です。

  しかし借主の遺族側からは、建物朽廃までは契約が継続するという約束だったなどの反論がなされる可能性がいかにもありそうです。


2 借主の遺族の収去義務について

  旧民法598条の定めは文言上は借主が「収去することができる」というものですが、法解釈上は、この規定は借主の収去義務も定めたものとするのが通説です。しかし、旧民法598条は任意規定ですから、借主の遺族側から収去義務を負わない約束があったなどの主張がなされる可能性がいかにもありそうです。


3 間違った対応をすると解決が困難になるかもしれませんので、弁護士に依頼された方がよいと思います。


改正前民法

(借主の死亡による使用貸借の終了)

第599条 使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う。


(借主による収去)

第598条 借主は、借用物を原状に復して、これに付属させた物を収去することができる。


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2022年03月18日

離婚にともなう財産分与の割合は常に2分の1か

 離婚にともなう財産分与の割合は原則として2分の1と考えられていますが、例外がないわけではありません。

 次のような事例があります。

 ■奈良家裁平成13年7月24日家裁月報54巻3号56頁
  唯一の夫婦財産であるマンションが夫の小遣いを資金として競馬をして儲けた金で購入したものであったという事案で、夫の寄与率が高いと認めて、マンション売却代金の3分の1の分与が相当であるとした。

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弁護士保険って役に立つのですか(法律相談・労働相談)

最近、自動車の任意保険のオプションや火災保険などのオプションで弁護士費用保険がついてくる保険がかなり普及しています。

交通事故損害賠償などの事件で実際に使ったことがあるという方もかなりいらっしゃるかもしれません。

ところが、インターネット上の誹謗中傷などのよくあるトラブルに使える弁護士費用保険の商品は少ない。

同業者の方から教えてもらったところによると、インターネット上のトラブルで有効に使えそうな弁護士費用保険としては、今のところ、
↓ これ一択だそうです。


宣伝広告費をもらっているわけではありません。
勝手にご紹介。


posted by siinoki at 20:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律相談・労働相談

犯罪被害者のための弁護士の業務



 犯罪被害者保護法・刑事訴訟法上の犯罪被害者参加制度などを利用して、犯罪の被害に遭われた方の支援のために、下記のような業務を弁護士が行うことができます。
 
 資力が一定基準以下の方は、犯罪被害者法律援助(「委託援助業務」=日弁連の事業を日本司法支援センターに委託して行っている業務)や、国選被害者参加弁護士制度を利用することもできます。

 詳しくは、しいの木法律事務所、各地の弁護士会の犯罪被害者相談窓口、日本司法支援センターなどにお問い合わせ下さい。

犯罪被害者法律援助
 犯罪被害者等(生命、身体、自由又は性的自由に対する犯罪及び配偶者暴力、ストーカー行為による被害を受けた者又はその親族若しくは遺族が対象)が刑事告訴を弁護士に依頼する場合などが、援助の対象です。
 援助活動の結果示談等が成立して現実に利益が得られた場合以外は、援助された弁護士費用は償還不要(給付)と考えて差し支えありません。


犯罪被害者参加制度
犯罪被害者参加制度により、下記の刑事事件の被害者や被害者の遺族、被害者の心身に重大な故障がある場合の被害者の家族は、刑事事件の手続に直接関与することができます。
(1)故意の犯罪行為により人を死傷させた事件(殺人、傷害、危険運転致死傷など)
(2)強制わいせつ(刑法176条)、強姦(刑法176条)などの性犯罪
(3)業務上過失致死傷罪、自動車運転過失致死傷罪(刑法211条)などの犯罪
(4)逮捕・監禁罪(刑法220条)
(5)略取・誘拐・人身売買に関する犯罪(刑法224条〜227条)
(6)上記事件の未遂罪

犯罪被害者参加人制度による被害者参加人は、自ら、又は弁護士に委託して、下記のようなことを行うことができます。

(1)公判期日への出席(刑事訴訟法第316条の34)
 被害者参加人(又はその委託を受けた弁護士)は、法廷の中に入り、検察官の近くに座って審理に参加することができます。

(2)証人尋問(刑事訴訟法第316条の36)・被告人質問(刑事訴訟法第316条の37)
 被害者参加人(又はその委託を受けた弁護士)は、検察官の証人尋問や被告人質問について、意見を述べることができます。
 被害者参加人(又はその委託を受けた弁護士)の意見に基づく尋問・質問を検察官がしない場合は、尋問・質問事項を明らかにして、検察官に対して証人尋問や被告人質問をすることを申し出ることができ、裁判所が相当と認めたときは、申し出た者が直接尋問・質問することができます。

(3)被害者等の意見陳述(刑事訴訟法第292条の2)
 被害者やその遺族等は、被害感情や処罰感情などの情状に関する意見を陳述することができます。

(4)事実又は法律の適用についての意見陳述(刑事訴訟法第316条の38)
 被害者参加人(又はその委託を受けた弁護士)は、起訴された事実の範囲内で、事実及び法律の適用に関する自己の意見(検察官の論告・求刑と同様のもの)を述べることができます。

(5)付添や遮蔽など、参加しやすくするための措置(刑事訴訟法316条の39)
 裁判所は、被害者参加人の年齢、心身の状態その他の事情を考慮して、付添人を付き添わせることができます。
 裁判所は、被害者参加人の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情を考慮して、被害者参加人の状態が被告人から認識されないようにするための措置をとることができます。傍聴人との間についても同様です。


国選被害者参加弁護士制度があります

 資力が一定基準以下の被害者が被害者参加制度を弁護士に委託して利用したい場合には、国選被害者参加弁護士の選定を求めることができます(犯罪被害者保護法5条)。
 選定の請求は、日本司法支援センター(「法テラス」)に対して行います。
 日本司法支援センター(「法テラス」)は、国選被害者参加弁護士の候補を指名して裁判所に通知しますが、この指名をするにあたっては、被害者の意見を聞かなければならないとされています(犯罪被害者保護法6条)。例えば、捜査段階で犯罪被害者法律援助を利用して当該被害者を支援した弁護士が、日本司法支援センター(「法テラス」)との間で契約をしている弁護士であれば、その弁護士を指名するように被害者から求めることなどができます。

 日本司法支援センター(「法テラス」) 
 「犯罪被害者の方のための新しい制度」 


犯罪被害者保護法により、公判記録の閲覧謄写ができます
 犯罪被害者、被害者の遺族、被害者の心身に重大な故障がある場合の家族は、第1回公判期日後、損害賠償請求権の行使のために必要があると認められる場合その他正当な理由のある場合に、公判継続中の訴訟記録の閲覧及び謄写ができます(犯罪被害者保護法第3条)。


民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解(犯罪被害者保護法13条)
 公判継続中に、被告人と被害者との間で損害賠償等について示談が成立した場合に、その内容を調書に記載することにより、民事裁判上の和解と同様に、債務名義となり執行力を有するという制度が利用できます。


損害賠償命令制度(犯罪被害者保護法17条)
 下記の犯罪被害にあった被害者や被害者の相続人は、刑事事件の裁判所に申立書を提出して、損害賠償命令の申立をすることができます。
(1)故意の犯罪行為により人を死傷させた事件(殺人、傷害、危険運転致死傷など)
(2)強制わいせつ(刑法176条)、強姦(刑法176条)などの性犯罪
(3)逮捕・監禁罪(刑法220条)
(4)略取・誘拐・人身売買に関する犯罪(刑法224条〜227条)
(5)上記事件の未遂罪

 刑事被告事件について有罪の判決があった場合、裁判所は、損害賠償命令の申立についての審理を行います。審理は原則として4回以内で行われ(犯罪被害者保護法24条)、損害賠償を命じる決定がなされます。
 
 決定に対して、適法な異議申立がなされた場合には、損害賠償命令の申立時に通常の民事裁判の訴えの提起があったものとみなされて、民事裁判が開始されます(犯罪被害者保護法27・28条)。また、4回以内の審理期日で終結することが困難な事件の場合は、裁判所の職権によって民事裁判に移行することになります(犯罪被害者保護法32条)

原告の住所を表示しなくても民事裁判を起こせます
被害者の方から、民事訴訟を起こすと自分の住所を犯人に知られてしまうのが怖いという心配を聞くことがありますが大丈夫です。
最高裁判所が全国の裁判所に通達を出しており、犯罪被害者が訴訟提起する場合は連絡先として代理人弁護士の事務所住所だけを記載すれば良いとされています。この通達は訴訟だけでなく訴え提起前の和解にも適用されます。

犯罪被害者等給付金制度の利用ができる場合もあります。

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2022年03月17日

競売買受人への費用の請求(競売)

質問

 現在事業所として賃借している物件が近日中に競売にかかると裁判所から連絡がありました。

 私どもの事業所では、賃借後、賃借人の費用負担でスプリンクラーを設置し、設置費用約400万円を負担しています。仮に、立ち退きとなった場合、この造作設置費用は、競売買受け人に負担請求できるのでしょうか。 


回答

 難しい問題ですが、実務上はスプリンクラーも建物と一体化していますので、競売によって競落人の所有となり、ただ、民法196条2項の有益費償還請求の対象になるという処理がなされることになろうかと思います。

 民法196条2項「占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。」 

 競売手続における物件の調査や鑑定人の評価の上で、スプリンクラー部分について有益費償還請求権が生じるということを十分に考慮してもらえるよう努めることが重要になります(というのは鑑定人の評価などでそうした事情が十分に考慮されていれば競落人も有益費償還請求権の行使を覚悟した上で競落するので)。


 事業所が公益的な事業目的を有しており係属して同一の事業所で事業を行うことが期待されるというような場合には、できれば行政に働きかけて、競売手続の現況調査や鑑定人の評価の段階で行政から意見を述べてもらう機会を作れるよう努力するべきだと思います。競落人が、公益的な事業所の継続的な利用を覚悟して競落してくれる可能性が生じる可能性がないことはないと思います。


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2022年03月15日

相続人の一人が海外に住んでいます。遺産分割協議はどうすればよいでしょうか(相続・遺産分割)。

 遺産分割協議そのものは、手紙、電話、電子メール、ファックスなどで行うことができますが、不動産の相続登記などが必要な場合は協議の結果を遺産分割協議書として作成する必要があります。
 遺産分割協議書には、相続人全員が署名と押印(実印)をして印鑑証明書を添付する必要があります。
 海外に住んでいる人は、領事館で印鑑登録をするか、領事館で署名証明書を発行してもらい印鑑証明書に代えることになります。
 海外にいる相続人が日本人ではない場合には、現地の公証人から署名証明書を発行してもらうなどの手続きをとることになります。
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住所不明の被告に対する訴状送達(民事訴訟一般)

住所が不明(勤務先はわかっている)の相手に対して訴訟を起こす場合は次のような流れになります。

まず、住所が不明であることを住民票、戸籍付票、調査報告書等で説明して、就業場所での送達をしてもらいます(民訴法103条2項)。
就業場所で従業員など書類の受領について相当のわきまえのある者が書類の交付を受けることを拒まないときは、有効な送達になります(民訴法106条2項)。

就業場所での送達ができなかった場合、就業場所にあてて付郵便送達をすることはできません(民訴法107条1項参照)。
就業場所への送達が受領拒絶等によって送達できなかった場合は、公示送達によることになります(民訴法110条1項2号)。

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隣地との境界線から50センチメートル(不動産)

質問

 新築戸建てを購入し、その駐車場にカーポートを建築することを予定しています。

 隣地所有者さんから、柱も庇も全て50p離してほしいと要求されています。

 柱と壁は50p離したいと思いますが、屋根の軒先も50cm離す必要があるのでしょうか。


回答

 カーポートも民法234条の建物にあたるので境界線から50センチメートルの距離を保つ必要があるという見解が一般的です。民法236条の異なる慣習の有無については地域でそのような慣習があるかないかは判断できませんが、全国一般にカーポートであれば民法234条の規定が緩和される慣習があるかないかと言えば、ないです。

 50センチメートルは壁またはそれに類する部分から測るとする裁判例があるそうです(東京地裁平成4年1月28日判決・判例タイムズ808号205頁)。それでよいのだと思います。屋根から測るべきだとすると民法218条「土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けてはならない。」が意味不明な規定になってしまいますので。


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2022年03月12日

特別受益が認められるのはどのような場合ですか(遺産分割)

 特別受益の類型には、次のようなものが考えられます。

1)遺贈(民法903条)
2)婚姻または養子縁組のための贈与(民法903条)
3)生計の資本としての贈与(民法903条)
 生計の資本としての贈与に当たるか否か、しばしば問題になるものとして、次のようなものがあります。
 @学資
  学資も高等教育を受けるために支出した費用は特別受益にあたる場合がありますが、近年では高等教育が一般化しているため、親の扶養の範囲と認められる場合には特別受益にあたらない、あるいは相続人全員が同程度の高等教育を受けているような場合には持戻免除の意思表示があったと判断される場合があります。
 A不動産の贈与
 B生命保険
  生命保険について、最高裁平成16年10月29日判決は、「被相続人を保険契約者及び被保険者とし、共同相続人の一人又は一部の者を保険受取人とする養老保険契約に基づき保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権は、民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらないが、保険金の額、この額の遺産総額に対する比率、保険金受取人である相続人及び他の相続人との関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して、保険金受取人である相続人とその他の相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、特別受益の持戻しの対象となる」と、原則として特別受益とはならないと判断しています。
  特段の事情があるとして特別受益性を認めた裁判例に、東京高裁平成17年10月27日決定(家月58巻5号94頁)、名古屋高裁平成18年3月27日決定(家月58巻10号66頁)があります。
 C死亡退職金
  死亡退職金は遺産の前渡しと評価することは困難で、生命保険以上に、特別受益と評価することは難しいと考えられます。
 D借地権の承継や設定、相続人が底地権相当額で借地(底地)を買い受けた場合など
  審判例として東京家裁平成12年3月8日審判(家月52巻8号35頁)、東京地裁平成20年10月9日判決(判時2019号31頁)があります。
 E遺産の無償使用
  遺産である土地の上に相続人の一人が被相続人の許諾を得て建物を建て、その土地を無償で使用している場合は、使用借権が設定されている土地と評価し、使用借権相当額(更地価格の1〜3割)が特別受益と評価されるのが普通です。
  但し、場合によっては、使用借権負担による減額(使用借権相当額の特別受益の評価)を行わずに土地を更地価格で評価することもあります(土地を使用している相続人が当該土地を取得する遺産分割を成立させるような場合)。
  裁判例として、福岡高裁昭和58年2月21日決定(家月36巻7号73頁)、東京地裁平成15年11月17日判決(判タ1152号241頁)などがあります。
 F建物の無償使用
  被相続人の建物に相続人の一人が無償で居住していた場合、賃料相当額が特別受益となるという考え方と、土地の使用借権と比べると経済的価値が乏しいことなどを理由に特別受益にあたらないとする考え方とがあります。
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特別受益とは何ですか(遺産分割)

 共同相続人の中に、被相続人から遺贈を受けたり、生前に贈与を受けたりした者がいる場合、共同相続人間の公平を図るために、遺贈や贈与を相続分の前渡しと評価して、計算上贈与を相続財産に加算して(「持戻し」と言います。)、各相続人の相続分を算定することにしています。民法903条の特別受益の規定です。

 「みなし相続財産」
 相続開始の時に有していた積極財産(債務を控除しない財産)の額に、相続人が受けた贈与の額を加算したものを「みなし相続財産」と呼びます(「遺贈」は相続開始時に現存する相続財産に含まれているので加算の必要がありません)。
 
 みなし相続財産を基礎にして、各共同相続人の相続分を乗じて各相続人の相続分(一応の相続分)を算定し、特別受益を受けた者については、この額から特別受益額を控除し、その残額をもって特別受益額が現実に受けるべき相続分(相続開始時点での具体的相続分)を確定します。
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2022年03月11日

学費は特別受益に当たりますか(遺言・遺産分割)。

質問
母が亡くなりました。相続人は姉二人と私(長男)の3名です。長女は短大卒業後に4年制の私大に進学、私は4年制の私大に進学後に資格試験の専門学校に進学、二女は4年制の私大に進学(但し学費は他の二人の進学した私大の約2倍)しています。特別受益はどのように計算したらよいですか。

答え
結論としては、特別受益は誰にも認められないと考えます。
裁判例は、被相続人の子が複数いていずれも高等教育を受けている場合に、子の個人差その他の事情により、その費用に多少の差が生じることがあるとしても、通常、その費用は親の子に対する扶養の一内容として支出されるもので、遺産の先渡しとしての趣旨を含まないものとして認識するのが一般的であり、仮に、特別受益と評価しうるとしても、特段の事情のない限り、被相続人の持戻し免除の意思が推定されるとしています(大阪高決平成10年12月6日家月60巻9号89頁)。

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