【1】法律相談のインターネット予約を開始しました(2015年4月1日〜)
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2015年4月1日より、以下4つの法律相談センターでインターネット予約を開
始しましたので、お知らせいたします。
また、インターネット予約開始に伴いまして、2015年4月20日〜5月2日まで
の間に、インターネットを利用して相談予約をされた方に対し、1回(30分)
に限り法律相談を無料としております。
◆ネット予約対象の法律相談センター◆
・新宿総合法律相談センター
・霞が関法律相談センター
・錦糸町法律相談センター
・蒲田法律相談センター
◆ネット予約ができる相談内容◆
・離婚・親族
・相続・遺言
・借金相談(破産、債務整理等)
・金銭トラブル(個人間)、債権回収等
・借地・借家
・消費者問題相談(悪徳商法、インターネット被害、投資・金融被害等)
・労働相談(解雇、残業代、セクハラ、パワハラ等)
・生活保護相談
(予約サイト)
http://k.d.combzmail.jp/t/5uoh/e0bgx6t0voxfj1iq44yXr
▽詳細はこちら
http://k.d.combzmail.jp/t/5uoh/e0bgy6t0voxfj1iq444AV
◇問合せ 法律相談課 TEL03-3581-2206
2015年04月24日
東京の弁護士会が法律相談センターのインターネット相談予約を開始しました
posted by siinoki at 06:51| 法律相談・労働相談
2014年10月04日
小さな事業者の倒産と再生
銀行からの借金などの多重債務で苦しんでいる企業にとって、最後の手段は破産です。しかし、多重債務を軽減し、窮境を脱する手段は破産だけではありません。いざというときのために、破産、民事再生や私的再建について基本的な知識を得ておくべきでしょう。
第1 破産とはどのような制度ですか
1 自己破産とは、債務者が自ら破産手続開始の申立てをすることです。
これに対して、債権者が申し立てる破産手続のことは債権者破産と呼ばれています。
自己破産の申立て件数は、最近は、1年間で全国で14万件前後です。
2 自己破産申立てをすると、債務者はどのような状況におかれますか。
同時廃止の場合
同時廃止とは、「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるとき」に、破産手続の開始の決定と同時に、破産手続廃止(終了)の決定をすることをいいます。
管財事件の場合
東京地裁の場合、管財人の費用である20万円以上の財産を有している場合は、管財事件となります。
20万円以上の財産を有していなくても、否認権の行使やサラ金に対する過払金請求によって20万円を超える財団を形成することが可能な場合など、破産管財人が換価・処分すべき資産があるときは管財事件となります。
債務者に免責不許可事由があり、裁量免責の可否を管財人が調査する必要がある場合も、管財事件となります。
3 自己破産申立てをするメリットは何ですか
自己破産によって、債権者に対して公平な配当をするとともに、個人である債務者の免責(債務の免除)が得られます。
4 自己破産すると、一切の財産を失うのでしょうか
個人の債務者の場合、一定の財産は自由財産とされます(99万円までの現金、残高が20万円以下の預貯金、20万円以下の保険解約返戻金、処分見込額が20万円以下の自動車、賃借住居の敷金、支給見込額の8分の1相当額が20万円以下の退職金、支給見込額の8分の1相当額が20万円を超える退職金の8分の7、家財道具など)。
5 自己破産をするデメリットは何ですか
もちろんデメリットはあります(「○○士」などの資格は免責決定を受けるまで失われることが各種業法などに定められています)。
しかし、一般に言われていることには誤解もあります。例えば、「破産すると選挙権や被選挙権を失う」といったことはありません。就職の際に不利益を受けることもまずありません。
6 事業の再生のために自己破産が役に立つことがありますか
免許を要する事業など法人格を維持しなければいけない場合以外であれば、多重債務を抱えた会社は破産させ、破産管財人の許可を得て事業を別会社に譲渡することなどによって、実質的に事業を継続・再生できることもあります。
7 自己破産の申立てにかかる費用はどれくらいですか
しいの木法律事務所では、会社と会社代表者の破産手続の場合、弁護士費用として最低で42万5000円(会社の規模、債権者の数等が特に大きい場合は弁護士費用が高くなります)と数万円の実費をいただいています(分割払いが可能です)。
他に、破産管財人の費用として20万円が必要です。
8 自己破産しても自宅に住み続けられる場合があるというのは本当ですか
自己破産は財産を全て換価して債権者への配当に充てる手続ですから、債務者が所有している自宅も処分しなければいけません。しかし、破産管財人の許可を得て、自宅を親族などの関係者が譲り受け、譲受人と債務者との間で賃貸借契約を結ぶなどの方法によって、自宅に住み続けることができている人も居ます。
9 破産申し立てすることによって、従業員にはメリットがありますか
多重債務に苦しんでいる企業では、従業員への賃金の支払が滞っているケースがしばしばあります。
破産手続開始申立ての日の6か月前以降に在籍していた従業員に未払賃金がある場合、その従業員は、「未払賃金の立替払い制度」を利用して未払賃金の8割程度の支払を公的資金から受けることができます。
第2 民事再生とはどのような制度ですか
1 民事再生とは
民事再生は、再生債務者である企業の再建(維持再生)を図る手続です(個人も民事再生手続を利用できますが、個人の場合は個人再生の特則を利用できる場合が多い。個人再生については後述します)。
民事再生は、原則として再生債務者自身の業務遂行権や財産の管理処分権を認める自主的再建手続です。もっとも、東京地方裁判所の運用では原則的に監督委員が選任され、その監督を受けます。
2 申立ての要件(破産との違い)
民事再生は、@再生債務者に破産原因たる支払不能、支払停止または債務超過の生ずるおそれがあるときに加え、A再生債務者が事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないとき(例えば、主要な生産設備の売却や高利の借入等による資金調達手段が残っていても、これを行えば事業の継続に著しい支障を来すとき)に申立てが認められます。つまり、破産とは異なり、再建の体力が未だ残っている段階で申立てをすることができます。
3 再生計画とは
再生債務者は、一定期間内に再生計画を作成します。
再生計画は、再生債務者の債務の一定額を10年以内で弁済し、その余の債権額は免除してもらうことが基本になります。
例えば、1億円の債務がある場合、その10%である1000万円を100万円×10年間で分割払いし、9000万円については免除してもらうなどの再生計画の内容になります。
4 再生計画の可決要件
再生計画は、議決権のある再生債権者で決議に出席した者の過半数(頭数要件)で、議決権ある再生債権者の議決権総額の2分の1以上(議決権額要件)の同意によって、成立します。
5 民事再生が正当化される理由=清算価値保障原則
破産のおそれのある企業がそのまま破産してしまった場合、債権者は管財人を通じて清算価値の配当を受けることになります。あるいは、自己破産などの法的手続がとられなければ、債権者は、全く支払を受けることができないかもしれません。
民事再生によって、破産による配当額を上回る弁済をする再生計画を作成して実行することによって、債権者は、破産の場合を上回る弁済を受けることができます。
上記の例の場合、もし会社が破産すれば配当額は100万円にしかならないことが見込まれる場合、再生計画によればその10倍の1000万円の弁済を受けることができるのであれば、再生債権者にとって、破産よりも経済的に合理的ということになります。
6 中小企業者に対する弁済、少額債権の弁済の特例とは何ですか
民事再生においては、取引先である中小企業に対する弁済や少額の債権の弁済について、一定の要件のもとで優遇することが認められています。
7 民事再生にかかる費用はどのくらいですか
再生計画の作成、実行のために、相当長期間にわたって代理人弁護士や税理士のサポートを受けることになりますから、一定の費用がかかります。詳細はご相談下さい。
第3 個人再生(小規模個人再生・給与所得者等再生)とはどのような制度ですか
1 民事再生の特則で、住宅資金特別条項(後述)を利用する住宅ローンを除いた債務総額が5000万円を超えない場合に利用できる制度です。
2 小規模個人再生
再生債務者は裁判所の定める期限までに再生計画案を作成し、裁判所はその再生計画案を債権者に送り、書面による決議を行います。
債権者の頭数で2分の1以上又は債権額で2分の1を超える不同意がない限りは、再生計画案は可決されたものとみなされます。
再生計画案の内容は、清算価値を上回る弁済を、原則3年以内(特別の事情がある場合は5年まで可)で行うものでなければなりません。
3 給与所得者再生
2年分の可処分所得から政令で定められた標準生計費を除いた金額を3年間で分割弁済します。債権者による決議は不要です。
上記の弁済額はかなり大きなものになるため、現在ではあまり利用されず、ほとんどの場合小規模個人再生が利用されています(但し、債権者の多数が不同意意見を述べることが確実な場合などには、給与所得者再生が利用される場合もあります)。
4 再生計画の最低弁済基準額
@債権額が500万円未満の場合
弁済額は100万円です。
A債権額が500万円以上1500万円以下の場合
弁済額は債権額の5分の1です。
B債権額が1500万円を超え3000万円以下の場合
弁済額は300万円です。
C債権額が3000万円を超え5000万円以下の場合
弁済額は債権額の10分の1です。
ただし、いずれの場合も弁済額は清算価値(債務者について破産手続が開始された場合に債権者に配当される総額)を下回ってはならないという原則があります。
5 住宅資金特別条項とは何ですか
住宅資金特別条項は、通常の民事再生法上の制度であり、小規模個人再生、給与所得者再生でもしばしば利用される制度です。
一言で言えば、住宅ローン債務だけ全額弁済して住宅を維持することを認め、他の債務については再生計画に従った一定割合の免除を認め、住宅ローンと住宅の維持についての特別扱いを認めることによって、再生債務者の再生を助けようとする制度です。
6 住宅資金特別条項の使える「住宅」とは、どのような要件ですか。
下記の要件を満たしていることが必要です。
@再生債務者が所有していること
A自己の居住の用に供する建物であること
B建物の床面積の2分の1以上が専ら居住の用に供されること
C以上の要件を満たす複数の建物があるときは、主として居住の用に供している建物であること
7 住宅ローン以外に住宅に抵当権が設定されている場合も住宅資金特別条項は利用できますか
住宅や住宅の敷地に住宅ローン債権以外の債権の抵当権が設定されている場合には、住宅資金特別条項は利用できません。
ただし、再生計画案の提出の時までに、後順位抵当権を消滅させることが相当の確度をもって見込まれるなどの事情があるときは、住宅資金特別条項を利用することを前提として手続を進めるのが実務の扱いです。
8 個人再生にかかる費用はどのくらいですか
しいの木法律事務所では、住宅資金特別条項を含む個人再生の申立ての弁護士費用を262,500円及び数万円の実費としています。
第4 私的再建と呼ばれているのはどのような手続ですか
破産や民事再生(大企業では会社更生)によって、裁判所が関与して、事業の清算価値を把握して、平等な弁済や、清算価値を上回る弁済をすることによって債権者と債務者との利害を調和して事業の再生を図ることが可能です。
しかし、裁判所が関与する手続を行うことによって、倒産した会社とのレッテルを貼られ、事業価値が低下してしまうことがあります。
また、裁判所が関与する手続では債権者間の平等が強く要請されるため、日常的な取引相手に対する買掛金なども平等に扱わざるを得なくなる結果、従来の取引関係の維持が難しくなることも生じます。
そのようなデメリットを避けるために、私的再建と呼ばれる手法がとられる場合があります。
金融機関だけを対象にしたリスケジュールも私的再建の一種といえますが、普通は、リスケジュールにとどまらずに、金融機関に対して、民事再生手続と同様の債権カットを求め、金融機関との間の合意によって、これを実現する手法のことを言います。
債権カットや事業の再生を進める上で、別会社が設立される場合もしばしばあります。
金融機関にとっては、破産や民事再生によって得られる弁済額よりも、私的再建によって事業価値の低下を防ぐことによって、より大きな弁済額が得られるのであれば、私的再建に合意する合理性があるといえます。
私的再建の手法が利用可能かどうかについては、中小企業再生支援協議会での相談を利用してみるとよいでしょう。
第1 破産とはどのような制度ですか
1 自己破産とは、債務者が自ら破産手続開始の申立てをすることです。
これに対して、債権者が申し立てる破産手続のことは債権者破産と呼ばれています。
自己破産の申立て件数は、最近は、1年間で全国で14万件前後です。
2 自己破産申立てをすると、債務者はどのような状況におかれますか。
同時廃止の場合
同時廃止とは、「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるとき」に、破産手続の開始の決定と同時に、破産手続廃止(終了)の決定をすることをいいます。
管財事件の場合
東京地裁の場合、管財人の費用である20万円以上の財産を有している場合は、管財事件となります。
20万円以上の財産を有していなくても、否認権の行使やサラ金に対する過払金請求によって20万円を超える財団を形成することが可能な場合など、破産管財人が換価・処分すべき資産があるときは管財事件となります。
債務者に免責不許可事由があり、裁量免責の可否を管財人が調査する必要がある場合も、管財事件となります。
3 自己破産申立てをするメリットは何ですか
自己破産によって、債権者に対して公平な配当をするとともに、個人である債務者の免責(債務の免除)が得られます。
4 自己破産すると、一切の財産を失うのでしょうか
個人の債務者の場合、一定の財産は自由財産とされます(99万円までの現金、残高が20万円以下の預貯金、20万円以下の保険解約返戻金、処分見込額が20万円以下の自動車、賃借住居の敷金、支給見込額の8分の1相当額が20万円以下の退職金、支給見込額の8分の1相当額が20万円を超える退職金の8分の7、家財道具など)。
5 自己破産をするデメリットは何ですか
もちろんデメリットはあります(「○○士」などの資格は免責決定を受けるまで失われることが各種業法などに定められています)。
しかし、一般に言われていることには誤解もあります。例えば、「破産すると選挙権や被選挙権を失う」といったことはありません。就職の際に不利益を受けることもまずありません。
6 事業の再生のために自己破産が役に立つことがありますか
免許を要する事業など法人格を維持しなければいけない場合以外であれば、多重債務を抱えた会社は破産させ、破産管財人の許可を得て事業を別会社に譲渡することなどによって、実質的に事業を継続・再生できることもあります。
7 自己破産の申立てにかかる費用はどれくらいですか
しいの木法律事務所では、会社と会社代表者の破産手続の場合、弁護士費用として最低で42万5000円(会社の規模、債権者の数等が特に大きい場合は弁護士費用が高くなります)と数万円の実費をいただいています(分割払いが可能です)。
他に、破産管財人の費用として20万円が必要です。
8 自己破産しても自宅に住み続けられる場合があるというのは本当ですか
自己破産は財産を全て換価して債権者への配当に充てる手続ですから、債務者が所有している自宅も処分しなければいけません。しかし、破産管財人の許可を得て、自宅を親族などの関係者が譲り受け、譲受人と債務者との間で賃貸借契約を結ぶなどの方法によって、自宅に住み続けることができている人も居ます。
9 破産申し立てすることによって、従業員にはメリットがありますか
多重債務に苦しんでいる企業では、従業員への賃金の支払が滞っているケースがしばしばあります。
破産手続開始申立ての日の6か月前以降に在籍していた従業員に未払賃金がある場合、その従業員は、「未払賃金の立替払い制度」を利用して未払賃金の8割程度の支払を公的資金から受けることができます。
第2 民事再生とはどのような制度ですか
1 民事再生とは
民事再生は、再生債務者である企業の再建(維持再生)を図る手続です(個人も民事再生手続を利用できますが、個人の場合は個人再生の特則を利用できる場合が多い。個人再生については後述します)。
民事再生は、原則として再生債務者自身の業務遂行権や財産の管理処分権を認める自主的再建手続です。もっとも、東京地方裁判所の運用では原則的に監督委員が選任され、その監督を受けます。
2 申立ての要件(破産との違い)
民事再生は、@再生債務者に破産原因たる支払不能、支払停止または債務超過の生ずるおそれがあるときに加え、A再生債務者が事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないとき(例えば、主要な生産設備の売却や高利の借入等による資金調達手段が残っていても、これを行えば事業の継続に著しい支障を来すとき)に申立てが認められます。つまり、破産とは異なり、再建の体力が未だ残っている段階で申立てをすることができます。
3 再生計画とは
再生債務者は、一定期間内に再生計画を作成します。
再生計画は、再生債務者の債務の一定額を10年以内で弁済し、その余の債権額は免除してもらうことが基本になります。
例えば、1億円の債務がある場合、その10%である1000万円を100万円×10年間で分割払いし、9000万円については免除してもらうなどの再生計画の内容になります。
4 再生計画の可決要件
再生計画は、議決権のある再生債権者で決議に出席した者の過半数(頭数要件)で、議決権ある再生債権者の議決権総額の2分の1以上(議決権額要件)の同意によって、成立します。
5 民事再生が正当化される理由=清算価値保障原則
破産のおそれのある企業がそのまま破産してしまった場合、債権者は管財人を通じて清算価値の配当を受けることになります。あるいは、自己破産などの法的手続がとられなければ、債権者は、全く支払を受けることができないかもしれません。
民事再生によって、破産による配当額を上回る弁済をする再生計画を作成して実行することによって、債権者は、破産の場合を上回る弁済を受けることができます。
上記の例の場合、もし会社が破産すれば配当額は100万円にしかならないことが見込まれる場合、再生計画によればその10倍の1000万円の弁済を受けることができるのであれば、再生債権者にとって、破産よりも経済的に合理的ということになります。
6 中小企業者に対する弁済、少額債権の弁済の特例とは何ですか
民事再生においては、取引先である中小企業に対する弁済や少額の債権の弁済について、一定の要件のもとで優遇することが認められています。
7 民事再生にかかる費用はどのくらいですか
再生計画の作成、実行のために、相当長期間にわたって代理人弁護士や税理士のサポートを受けることになりますから、一定の費用がかかります。詳細はご相談下さい。
第3 個人再生(小規模個人再生・給与所得者等再生)とはどのような制度ですか
1 民事再生の特則で、住宅資金特別条項(後述)を利用する住宅ローンを除いた債務総額が5000万円を超えない場合に利用できる制度です。
2 小規模個人再生
再生債務者は裁判所の定める期限までに再生計画案を作成し、裁判所はその再生計画案を債権者に送り、書面による決議を行います。
債権者の頭数で2分の1以上又は債権額で2分の1を超える不同意がない限りは、再生計画案は可決されたものとみなされます。
再生計画案の内容は、清算価値を上回る弁済を、原則3年以内(特別の事情がある場合は5年まで可)で行うものでなければなりません。
3 給与所得者再生
2年分の可処分所得から政令で定められた標準生計費を除いた金額を3年間で分割弁済します。債権者による決議は不要です。
上記の弁済額はかなり大きなものになるため、現在ではあまり利用されず、ほとんどの場合小規模個人再生が利用されています(但し、債権者の多数が不同意意見を述べることが確実な場合などには、給与所得者再生が利用される場合もあります)。
4 再生計画の最低弁済基準額
@債権額が500万円未満の場合
弁済額は100万円です。
A債権額が500万円以上1500万円以下の場合
弁済額は債権額の5分の1です。
B債権額が1500万円を超え3000万円以下の場合
弁済額は300万円です。
C債権額が3000万円を超え5000万円以下の場合
弁済額は債権額の10分の1です。
ただし、いずれの場合も弁済額は清算価値(債務者について破産手続が開始された場合に債権者に配当される総額)を下回ってはならないという原則があります。
5 住宅資金特別条項とは何ですか
住宅資金特別条項は、通常の民事再生法上の制度であり、小規模個人再生、給与所得者再生でもしばしば利用される制度です。
一言で言えば、住宅ローン債務だけ全額弁済して住宅を維持することを認め、他の債務については再生計画に従った一定割合の免除を認め、住宅ローンと住宅の維持についての特別扱いを認めることによって、再生債務者の再生を助けようとする制度です。
6 住宅資金特別条項の使える「住宅」とは、どのような要件ですか。
下記の要件を満たしていることが必要です。
@再生債務者が所有していること
A自己の居住の用に供する建物であること
B建物の床面積の2分の1以上が専ら居住の用に供されること
C以上の要件を満たす複数の建物があるときは、主として居住の用に供している建物であること
7 住宅ローン以外に住宅に抵当権が設定されている場合も住宅資金特別条項は利用できますか
住宅や住宅の敷地に住宅ローン債権以外の債権の抵当権が設定されている場合には、住宅資金特別条項は利用できません。
ただし、再生計画案の提出の時までに、後順位抵当権を消滅させることが相当の確度をもって見込まれるなどの事情があるときは、住宅資金特別条項を利用することを前提として手続を進めるのが実務の扱いです。
8 個人再生にかかる費用はどのくらいですか
しいの木法律事務所では、住宅資金特別条項を含む個人再生の申立ての弁護士費用を262,500円及び数万円の実費としています。
第4 私的再建と呼ばれているのはどのような手続ですか
破産や民事再生(大企業では会社更生)によって、裁判所が関与して、事業の清算価値を把握して、平等な弁済や、清算価値を上回る弁済をすることによって債権者と債務者との利害を調和して事業の再生を図ることが可能です。
しかし、裁判所が関与する手続を行うことによって、倒産した会社とのレッテルを貼られ、事業価値が低下してしまうことがあります。
また、裁判所が関与する手続では債権者間の平等が強く要請されるため、日常的な取引相手に対する買掛金なども平等に扱わざるを得なくなる結果、従来の取引関係の維持が難しくなることも生じます。
そのようなデメリットを避けるために、私的再建と呼ばれる手法がとられる場合があります。
金融機関だけを対象にしたリスケジュールも私的再建の一種といえますが、普通は、リスケジュールにとどまらずに、金融機関に対して、民事再生手続と同様の債権カットを求め、金融機関との間の合意によって、これを実現する手法のことを言います。
債権カットや事業の再生を進める上で、別会社が設立される場合もしばしばあります。
金融機関にとっては、破産や民事再生によって得られる弁済額よりも、私的再建によって事業価値の低下を防ぐことによって、より大きな弁済額が得られるのであれば、私的再建に合意する合理性があるといえます。
私的再建の手法が利用可能かどうかについては、中小企業再生支援協議会での相談を利用してみるとよいでしょう。
posted by siinoki at 07:39| 法律相談・労働相談
2014年07月14日
後妻が父の墓をつくらない(相続・遺産分割)
質問 20数年前に両親が離婚し、父は再婚して後妻と暮らしていました。
父は7年前に亡くなったのですが、その後、後妻から納骨や法要の連絡が一切ありません。後妻は、父の遺骨を家に置いたままで、墓をつくらないつもりのようです。
父の一人娘である私としては、父の遺骨を引き取りたいのですが、後妻が話し合いに応じてくれません。どうすればよいでしょうか。
答え
後妻が通常の話し合いに応じてくれない場合には、祭祀財産承継者を定める調停を家庭裁判所に申し立てて、祭祀財産の承継者をあなたに変更してもらうとともに、遺骨などを引き渡してもらうのが普通のやり方です。
祭祀財産の承継は、戦前の家制度ではありませんから、あなたが結婚して姓がかわっていても、祭祀財産の承継者にしてもらう妨げにはなりません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〒165-0027 中野区野方5-30-20 野方三宅ビル2階
しいの木法律事務所 弁護士 八坂玄功
電話 03-5373-1808 FAX 03-5373-1809
Eメール info@siinoki-law.jp http://www.siinoki-law.jp/
父は7年前に亡くなったのですが、その後、後妻から納骨や法要の連絡が一切ありません。後妻は、父の遺骨を家に置いたままで、墓をつくらないつもりのようです。
父の一人娘である私としては、父の遺骨を引き取りたいのですが、後妻が話し合いに応じてくれません。どうすればよいでしょうか。
答え
後妻が通常の話し合いに応じてくれない場合には、祭祀財産承継者を定める調停を家庭裁判所に申し立てて、祭祀財産の承継者をあなたに変更してもらうとともに、遺骨などを引き渡してもらうのが普通のやり方です。
祭祀財産の承継は、戦前の家制度ではありませんから、あなたが結婚して姓がかわっていても、祭祀財産の承継者にしてもらう妨げにはなりません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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posted by siinoki at 07:25| 法律相談・労働相談
2014年07月13日
元夫が亡くなり、4歳の娘が相続人です。元夫の母親が借入金の連帯保証人になっています(相続・遺産分割)。
質問
離婚した元夫が亡くなりました。
法定相続人は私の4歳の娘1人です。
相続するべきか否か、債務状況を調査中です。
公庫から1000万円の借入をしていることがわかり、その借入に際して元夫の母親が連帯保証人になっています。
公庫に問い合わせたら、「相続するのであれば、そちらと連帯保証人両方に返済請求します。こちらとしてはどちらかが支払ってくれればいいので」という返答でした。
返済義務は相続人と連帯保証人の両方にあるということなので、できることならこれからお金のかかる4歳の娘に支払いをさせたくないし、支払ったとしても半額ならと思っています。
熟慮期間伸長申立の手続きはしてあります。
答え
法定相続人は娘さん一人のようですから、娘さんが相続すれば、主債務を100%相続することになります。
債権者である公庫は、相続した主債務者である娘さんと連帯保証人の元姑さんのいずれに請求することもできます。
しかし、主債務者と連帯保証人との間の関係においては、主債務者が100%負担しなければなりません。
ですから、連帯保証人である元姑さんが公庫に返済した場合は、娘さんに返済額全額が求償請求されることになるでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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posted by siinoki at 10:30| 法律相談・労働相談
2014年07月12日
義父の土地の上に建物を所有しています。義父が亡くなり、相続人である義母と妻の弟から明渡しを求められています(遺産分割)
質問
私は、妻の父から土地の提供を受け自宅を建築し居住していましたが、その義父が亡くなりました。義理母、妻、その弟の三名が法定相続人です。
これまでの土地の使用について賃料等の支払いはありませんでしたので使用貸借であるものと思います。
最近、妻の弟から土地をどうしたいのか見解を問う旨の内容証明郵便を出す旨妻に連絡がありました。弟は土地を売却し現金に換えたいとの意向を持っているようで、義理母も同調しているようです。
どのように対応するべきでしょうか。
答え
使用借権の権利の終了時期については、民法に「契約に定めた時期に、借用物の返還をしなければならない」(民法597条1項)、「返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わったときに、返還をしなければならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる」(民法597条2項)、「使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う」(民法599条)という規定があります。
ですから、特に契約で終了の時期を定めなかった場合は、土地上の建物の存続期間中又は借主(建物の所有者である相談者)の死亡のいずれか早い時までは、使用借権は存続します。
貸主の死亡は使用貸借の終了事由ではありません。ですから、義父の死亡によっては、使用借権は終了しません。
使用借権には第三者への対抗力がないので、土地が第三者に売られてしまえば、その第三者に対して使用借権を対抗することはできません。しかし、土地がただちに売られる心配はありません(妻が所有者の一人なので)。
そういうわけですので、義理の弟さんや義母から建物を撤去しろと要求されても、それに応じる必要はありません。
結局、問題は、使用借権の負担の付いた底地を含む義父の遺産の分割を、義理母、妻、その弟の三名でどのように行うかということになります。
遺産分割調停が申し立てられるのを待って、調停の場で合意をめざせば良いでしょう。
弟さんからの内容証明郵便に対しては、「土地を売るつもりはありません。遺産分割協議が必要であれば調停を申し立てるなどしてください」などと、自ら、又は弁護士に依頼して回答するのが良いでしょう。
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〒165-0027 中野区野方5-30-20 野方三宅ビル2階
しいの木法律事務所 弁護士 八坂玄功
電話 03-5373-1808 FAX 03-5373-1809
Eメール info@siinoki-law.jp http://www.siinoki-law.jp/
私は、妻の父から土地の提供を受け自宅を建築し居住していましたが、その義父が亡くなりました。義理母、妻、その弟の三名が法定相続人です。
これまでの土地の使用について賃料等の支払いはありませんでしたので使用貸借であるものと思います。
最近、妻の弟から土地をどうしたいのか見解を問う旨の内容証明郵便を出す旨妻に連絡がありました。弟は土地を売却し現金に換えたいとの意向を持っているようで、義理母も同調しているようです。
どのように対応するべきでしょうか。
答え
使用借権の権利の終了時期については、民法に「契約に定めた時期に、借用物の返還をしなければならない」(民法597条1項)、「返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わったときに、返還をしなければならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる」(民法597条2項)、「使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う」(民法599条)という規定があります。
ですから、特に契約で終了の時期を定めなかった場合は、土地上の建物の存続期間中又は借主(建物の所有者である相談者)の死亡のいずれか早い時までは、使用借権は存続します。
貸主の死亡は使用貸借の終了事由ではありません。ですから、義父の死亡によっては、使用借権は終了しません。
使用借権には第三者への対抗力がないので、土地が第三者に売られてしまえば、その第三者に対して使用借権を対抗することはできません。しかし、土地がただちに売られる心配はありません(妻が所有者の一人なので)。
そういうわけですので、義理の弟さんや義母から建物を撤去しろと要求されても、それに応じる必要はありません。
結局、問題は、使用借権の負担の付いた底地を含む義父の遺産の分割を、義理母、妻、その弟の三名でどのように行うかということになります。
遺産分割調停が申し立てられるのを待って、調停の場で合意をめざせば良いでしょう。
弟さんからの内容証明郵便に対しては、「土地を売るつもりはありません。遺産分割協議が必要であれば調停を申し立てるなどしてください」などと、自ら、又は弁護士に依頼して回答するのが良いでしょう。
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2014年07月10日
葬儀費用は相続財産から負担するものですか(遺産分割)
葬儀費用は相続財産から差し引かれるものですか?との相談を受けました。
葬儀の喪主になった相続人から疎遠に扱われ、葬儀にも呼んでもらえなかったので、葬儀費用を遺産から負担することには納得できないとのことです。
この点について、次のような裁判例があるので参考にしてください。
「葬儀は何人がしなければならないとの定めはないから自ずから慣習条理に従うほかない・・・等の事情を勘案すれば、被告A1・・・及びIは、条理上、Bの葬儀費用等を分担すべき義務があるというべきである。しかし、被告ら及びIが・・・葬儀にも出席していないこと・・・からして、原告が支払った葬儀及び納骨などの諸費用のうち、Bを弔うのに直接必要な儀式費用のみを被告らが相続分に応じて分担すべきものと解するのが相当である。」
「通夜、告別式等の会葬者等の飲食代金や返礼の費用、籠盛、生花、放鳥、戒名代、法要代、・・・納骨冥骨金等はこれに含まれず、被告らが負担すべきものではない。」
出典 裁判所HP 津地方裁判所平成14年7月26日判決・葬儀費用等分担請求事件
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この点について、次のような裁判例があるので参考にしてください。
「葬儀は何人がしなければならないとの定めはないから自ずから慣習条理に従うほかない・・・等の事情を勘案すれば、被告A1・・・及びIは、条理上、Bの葬儀費用等を分担すべき義務があるというべきである。しかし、被告ら及びIが・・・葬儀にも出席していないこと・・・からして、原告が支払った葬儀及び納骨などの諸費用のうち、Bを弔うのに直接必要な儀式費用のみを被告らが相続分に応じて分担すべきものと解するのが相当である。」
「通夜、告別式等の会葬者等の飲食代金や返礼の費用、籠盛、生花、放鳥、戒名代、法要代、・・・納骨冥骨金等はこれに含まれず、被告らが負担すべきものではない。」
出典 裁判所HP 津地方裁判所平成14年7月26日判決・葬儀費用等分担請求事件
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2014年07月09日
叔母が亡くなった後もNHK受信料が引き落とされていた(相続・遺産分割)
質問
2年前に叔母が亡くなりました。叔母には子はなく、相続人は甥の私1人です。
叔母が亡くなった後も銀行口座がそのままになっていて、普通預金残金は無かったのですが、満期前の定期預金があり、NHK受信料がマイナス計上でずっと自動引き落としされていました。
最近、定期預金の満期のお知らせがきたので記帳して初めて気づきました。
NHKに連絡したら、今日付けで解約手続きをとると言われました。
亡くなってから2年間分の受信料は返金してもらえないのでしょうか。
答え
NHKの受信契約上の受信料支払い義務は一身専属的な義務であって相続されないと考えれば、NHKに対して不当利得返還請求できることになります。
任意に返金がなされなければ少額訴訟で請求してみて下さい。
遺産に含まれる預金から引き落としされたので、相続後の受信料は相続人の財産から引き落としされたことになります。
ですから、少額訴訟の原告になるのは相続人であるあなたです。
少額訴訟の費用は、東京簡易裁判所の場合、予納郵便切手が3910円、印紙代が数千円です。
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叔母が亡くなった後も銀行口座がそのままになっていて、普通預金残金は無かったのですが、満期前の定期預金があり、NHK受信料がマイナス計上でずっと自動引き落としされていました。
最近、定期預金の満期のお知らせがきたので記帳して初めて気づきました。
NHKに連絡したら、今日付けで解約手続きをとると言われました。
亡くなってから2年間分の受信料は返金してもらえないのでしょうか。
答え
NHKの受信契約上の受信料支払い義務は一身専属的な義務であって相続されないと考えれば、NHKに対して不当利得返還請求できることになります。
任意に返金がなされなければ少額訴訟で請求してみて下さい。
遺産に含まれる預金から引き落としされたので、相続後の受信料は相続人の財産から引き落としされたことになります。
ですから、少額訴訟の原告になるのは相続人であるあなたです。
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2014年07月08日
異母兄弟の相続分はどうなりますか(遺産分割)
質問
先日、父が亡くなりました。相続人は母と私と妹の3人と思っていたのですが、戸籍謄本を調べたら、異母兄がいることが分かりました。異母兄は父の先妻の子です。遺言はありません。相続はどうなりますか。
また、母や私について相続が生じた場合についてもどうなるか教えてください。
答え
婚姻関係にあった先妻の子(嫡出子)は、お父さんの相続について、あなたと等分の権利があります(民法900条4号)。法定相続分は、配偶者であるお母さんが2分の1、3人の子どもがそれぞれ6分の1ずつです。
将来、あなたの実母について相続が生じた場合は、異母兄と実母との間には親族関係がないので、異母兄はあなたの実母の相続人にはなりません。
将来、あなたについて相続が生じた場合に、あなたの実母が存命であれば、実母だけが相続人になります(民法889条1項第一)。
将来、あなたについて相続が生じた場合に、既にあなたの実母が亡くなっていれば、あなたの兄弟姉妹が相続人となり(民法889条1項第二)、異母兄も相続人になります。但し、兄弟姉妹間の相続において、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とされています(民法900条4号但書)。ですから法定相続分は、妹さんが3分の2、異母兄が3分の1となります。
兄弟姉妹間の相続では遺留分の権利が認められていないので(民法1028条)、遺言によって異母兄の相続分をなくすことができます。あなたが遺言で「母が私より先に死亡した場合は、私の遺産はすべて妹の○○に相続させます。仮に妹が私より先に死亡していた場合は、私の遺産はすべて妹の子の○○に相続させます」などとしておけばよいのです。
正確な遺言書を作成し、確実に執行できるようにしておくためには、近くの公証役場や弁護士などの専門家に相談してください。
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2014年07月04日
親の借地権の目的土地を自分が購入しました(借地借家・相続)
質問
60年前に親が地主から借地しました。
今年親が亡くなったことが契機となり、私が地主から土地を安価で(地価1000万円の土地を300万円で購入)購入することになりました。
差額の700万円分について相続税が発生するというような話を聞いたのですが、そのようなことはあるのでしょうか。
答え
親が親名義の建物を所有して対抗力のある借地権を有していたことになります。
その借地権の目的の土地を、子が地主から購入したとしても、ただちに借地権が消滅するわけではありません。
むしろ、土地の所有者となった子が地主の地位を承継し、子が地主、親が借地人として、借地権が存続すると考えるのが理屈にあっています。 親が亡くなり相続が発生すると、子が地主、親の相続人が借地人となることになります。
ですから、厳密に言えば、地主である子は、借地権の契約の解除(地代は払われていないでしょうから、解除できるでしょう)を、借地人である相続人らに対して通告すべきでしょう。
60年前に親が地主から借地しました。
今年親が亡くなったことが契機となり、私が地主から土地を安価で(地価1000万円の土地を300万円で購入)購入することになりました。
差額の700万円分について相続税が発生するというような話を聞いたのですが、そのようなことはあるのでしょうか。
答え
親が親名義の建物を所有して対抗力のある借地権を有していたことになります。
その借地権の目的の土地を、子が地主から購入したとしても、ただちに借地権が消滅するわけではありません。
むしろ、土地の所有者となった子が地主の地位を承継し、子が地主、親が借地人として、借地権が存続すると考えるのが理屈にあっています。 親が亡くなり相続が発生すると、子が地主、親の相続人が借地人となることになります。
ですから、厳密に言えば、地主である子は、借地権の契約の解除(地代は払われていないでしょうから、解除できるでしょう)を、借地人である相続人らに対して通告すべきでしょう。
posted by siinoki at 05:18| 法律相談・労働相談
2014年07月03日
親が亡くなり賃貸マンションを相続しました。国家公務員ですが、副業禁止に触れないでしょうか(相続・遺産分割)
質問
私は国家公務員で、母親がマンションを所有しており、賃貸経営しています(父親は既に亡くなっています)。
母親が亡くなり私が相続した場合、そのままマンションを経営できるのでしょうか?
国家公務員の場合、不動産所得を得るのは違法でしょうか。
答え
人事院規則の運用基準で、次の場合は営利性を有する副業にあたる等とされています。
相続によって賃貸マンション10室以内を取得したのであれば、他に特別な事情がない限り、副業禁止には触れないでしょう。
「独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。」
「二 不動産又は駐車場の賃貸以外の事業に係る自営を行う場合で、次に掲げる基準のいずれにも適合すると認められるとき。
(1) 職員の官職と当該事業との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと。
(2) 職員以外の者を当該事業の業務の遂行のための責任者としていること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。
(3) 当該事業が相続、遺贈等により家業を継承したものであること。
(4) その他公務の公正性及び信頼性の確保に支障が生じないこと。」
・・・・・・・・・・
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私は国家公務員で、母親がマンションを所有しており、賃貸経営しています(父親は既に亡くなっています)。
母親が亡くなり私が相続した場合、そのままマンションを経営できるのでしょうか?
国家公務員の場合、不動産所得を得るのは違法でしょうか。
答え
人事院規則の運用基準で、次の場合は営利性を有する副業にあたる等とされています。
相続によって賃貸マンション10室以内を取得したのであれば、他に特別な事情がない限り、副業禁止には触れないでしょう。
「独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。」
「二 不動産又は駐車場の賃貸以外の事業に係る自営を行う場合で、次に掲げる基準のいずれにも適合すると認められるとき。
(1) 職員の官職と当該事業との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと。
(2) 職員以外の者を当該事業の業務の遂行のための責任者としていること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。
(3) 当該事業が相続、遺贈等により家業を継承したものであること。
(4) その他公務の公正性及び信頼性の確保に支障が生じないこと。」
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2014年07月02日
遺産分割審判の結果、不動産が共有になった場合どうすれば良いのでしょうか(遺産分割)
相続財産の内、不動産の占める割合が多く、相続人の一人に取得させることが不適当な場合、相続人の共有になってしまうことがしばしばあります。
共有のまま使用し続けることは難しいので、共有物の分割を求めるのが普通です。
共有者間で分割を協議してもまとまらないときは、地方裁判所(家庭裁判所ではありません)に共有物分割訴訟を提起することになります。
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共有のまま使用し続けることは難しいので、共有物の分割を求めるのが普通です。
共有者間で分割を協議してもまとまらないときは、地方裁判所(家庭裁判所ではありません)に共有物分割訴訟を提起することになります。
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2014年06月26日
遺産の中に賃貸不動産があります。相続開始後の賃料収入は遺産分割の対象になりますか(遺産分割)。
遺産の中に賃貸不動産があり、相続開始後に賃料収入がある場合、相続開始後の賃料収入が遺産分割の対象財産になるかが、問題になります。
この点については、最高裁が平成17年9月8日判決で、次のように判断しています。
「遺産は、相続人が数人あるときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属するものであるから、この間に遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、遺産とは別個の財産というべきであって、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものと解するのが相当である。遺産分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずるものであるが、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得した上記賃料債権の帰属は、後にされた遺産分割の影響をうけないものというべきである。」
実務上は、上記判例に従って処理されていますが、相続人全員が遺産分割の対象に含めることに合意した場合には遺産分割の対象としています。
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この点については、最高裁が平成17年9月8日判決で、次のように判断しています。
「遺産は、相続人が数人あるときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属するものであるから、この間に遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、遺産とは別個の財産というべきであって、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものと解するのが相当である。遺産分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずるものであるが、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得した上記賃料債権の帰属は、後にされた遺産分割の影響をうけないものというべきである。」
実務上は、上記判例に従って処理されていますが、相続人全員が遺産分割の対象に含めることに合意した場合には遺産分割の対象としています。
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2014年06月25日
祭祀財産とはなんですか(遺産分割)
民法は祭祀財産を遺産分割の対象とせず、祭祀主宰者が承継すると規定しています。
祭祀財産とは、「系譜、祭具及び墳墓」と規定されています。墓地、納骨堂、墓石、墓碑、位牌、仏壇などがこれにあたります。
祭祀財産を所有する者が死亡した場合には、(1)被相続人の指定によって、(2)指定がない場合には慣習によって、(3)指定もなく慣習によっても明らかでない場合には家庭裁判所の指定によって、祭祀承継者が決められます。
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2014年06月19日
共有物分割とはどのような手続ですか(遺産分割等)
遺産分割協議や審判の結果、その他様々な事情により、不動産などの財産を複数の人が共有する状態になることがあります。
民法は、共有物の各共有者はいつでも共有物の分割を請求することができると定めています(民法256条1項本文)。
当事者間での協議が調わないときは、各共有者は分割を裁判所に請求できます(民法258条1項)。
裁判による分割の場合、現物分割や代償金による分割ができない場合は、競売による代金を分割することになります(民法258条2項)。
上記の流れが、「共有不動産の分割手続(協議→訴訟→競売)」ということになります。
この流れの中のいずれの段階でも、当事者間での合意が得られれば、競売による代金分割は避けられます。
その合意の内容は、共有不動産の分割とは限らず、例えば、共有不動産全体を事実上使用収益している共有者が他の共有者に対して地代や家賃を支払うという合意もあり得るでしょう。
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2014年06月18日
共有物分割とはどのような手続ですか(遺産分割等)
遺産分割協議や審判の結果、その他様々な事情により、不動産などの財産を複数の人が共有する状態になることがあります。
民法は、共有物の各共有者はいつでも共有物の分割を請求することができると定めています(民法256条1項本文)。
当事者間での協議が調わないときは、各共有者は分割を裁判所に請求できます(民法258条1項)。
裁判による分割の場合、現物分割や代償金による分割ができない場合は、競売による代金を分割することになります(民法258条2項)。
上記の流れが、「共有不動産の分割手続(協議→訴訟→競売)」ということになります。
この流れの中のいずれの段階でも、当事者間での合意が得られれば、競売による代金分割は避けられます。
その合意の内容は、共有不動産の分割とは限らず、例えば、共有不動産全体を事実上使用収益している共有者が他の共有者に対して地代や家賃を支払うという合意もあり得るでしょう。
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民法は、共有物の各共有者はいつでも共有物の分割を請求することができると定めています(民法256条1項本文)。
当事者間での協議が調わないときは、各共有者は分割を裁判所に請求できます(民法258条1項)。
裁判による分割の場合、現物分割や代償金による分割ができない場合は、競売による代金を分割することになります(民法258条2項)。
上記の流れが、「共有不動産の分割手続(協議→訴訟→競売)」ということになります。
この流れの中のいずれの段階でも、当事者間での合意が得られれば、競売による代金分割は避けられます。
その合意の内容は、共有不動産の分割とは限らず、例えば、共有不動産全体を事実上使用収益している共有者が他の共有者に対して地代や家賃を支払うという合意もあり得るでしょう。
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2014年06月16日
準確定申告について教えてください(遺産分割)
質問
被相続人が亡くなった日までの所得について、準確定申告が必要だと聞いています。
その手続きは相続放棄していた場合しなくても良いのでしょうか。それとも相続放棄にかかわりなく行わなければならないのでしょうか。
答え
所得税法124条・125条で、申告義務があるのは相続人とされています。
相続放棄によって、もともと相続人ではなかったことになるので、申告義務はありません。
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2014年06月13日
自営業の夫が亡くなりました。寄与分は認められますか(相続・遺産分割)
質問
個人自営業の夫が他界しました。
配偶者である私は、26年間の労務の提供をし、そのうち15年は自宅で夫の療養看護にあたりました。
相続の際、どれ位の寄与分が認められますか?
回答
寄与分の計算方法について法律では細かいルールは定められていません。
個人自営業の夫を助けて営業に専従していたのに賃金が全く支払われていない場合、裁判所は、寄与の程度を3割〜5割程度と大雑把に評価することもありますし、賃金相当額を計算して評価することもあります。
妻に賃金が支払われていた場合は、寄与分が全く認められない場合もあります。
療養看護の寄与分は、介護保険利用料や付き添い人を雇っていたとしたら要した費用を参考にして、1日あたり数千円の計算で寄与分が認められる可能性があります。
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個人自営業の夫が他界しました。
配偶者である私は、26年間の労務の提供をし、そのうち15年は自宅で夫の療養看護にあたりました。
相続の際、どれ位の寄与分が認められますか?
回答
寄与分の計算方法について法律では細かいルールは定められていません。
個人自営業の夫を助けて営業に専従していたのに賃金が全く支払われていない場合、裁判所は、寄与の程度を3割〜5割程度と大雑把に評価することもありますし、賃金相当額を計算して評価することもあります。
妻に賃金が支払われていた場合は、寄与分が全く認められない場合もあります。
療養看護の寄与分は、介護保険利用料や付き添い人を雇っていたとしたら要した費用を参考にして、1日あたり数千円の計算で寄与分が認められる可能性があります。
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しいの木法律事務所 弁護士 八坂玄功
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posted by siinoki at 10:19| 法律相談・労働相談
2014年06月12日
寄与分とは何ですか(遺産分割)
寄与分とは、共同相続人の中に、被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与(通常期待される程度を超える貢献)をした者があるときに、相続財産からその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなして相続分を算定し、その算定された相続分に寄与分を加えた額をその者の相続分とすることによって、その者に相続財産のうちから相当額の財産を取得させ、共同相続人の間の公平を図る制度です。
寄与行為の態様には、(1)家業従事型、(2)金銭等出資型、(3)療養看護型、(4)扶養型、(5)財産管理型、(6)先行する相続における相続放棄、等の類型がみられます。
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2014年06月10日
遺留分侵害額請求権の行使にはどのような手続が必要ですか(遺産分割)
まず、内容証明郵便などの証拠がのこる方法で遺留分侵害額請求の意思表示をおこなうことが必要です。
遺留分侵害額請求について当事者間での協議が整わない場合、家庭裁判所で調停を行うことができます。管轄の家庭裁判所は、相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所です(家事審判規則129条)。
家庭裁判所の調停でも合意ができない場合、最終的な解決は民事訴訟によることになります(調停を経ずにただちに訴訟を起こすこともできます)。管轄裁判所は、相続開始時の被相続人の住所地の地方裁判所か簡易裁判所です(民事訴訟法5条14号)。
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2014年06月08日
相続人の一人が受取人となっている生命保険の死亡保険金は特別受益にあたりますか(遺産分割)
保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権又はこれを行使して取得した死亡保険金は、原則として、特別受益にはあたりません。
ただし、保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、当該死亡保険金請求権は特別受益に準じて持戻しの対象となります(最高裁平成16年10月29日決定)。
上記の最高裁判決後の事例として、相続開始時の相続財産の総額が1億134万円、相続人の一人が受取人の保険金が1億129万円という事案で、死亡保険金の持戻しを認めたケースなどがあります(東京高裁平成17年10月27日決定)。
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上記の最高裁判決後の事例として、相続開始時の相続財産の総額が1億134万円、相続人の一人が受取人の保険金が1億129万円という事案で、死亡保険金の持戻しを認めたケースなどがあります(東京高裁平成17年10月27日決定)。
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