2014年05月15日
公正証書遺言と自筆証書遺言とはどこが違うのでしょうか(遺産分割・遺言)
民法は、遺言の方式として、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言、その他危急時の遺言など特別の方式の遺言など、何種類かの方式を定めています。
通常利用されるのは、自筆証書遺言と公正証書遺言です。
自筆証書遺言は、遺言者が、遺言の全文、日付及び氏名を自分で書き、押印して作成する方式の遺言です。
誰にも知られずに簡単に作成でき、費用もかかりません(文案作成を弁護士に依頼すれば弁護士費用はかかります)。
反面、遺言者本人が法律の素人で弁護士による文案の検討などを経ない場合には内容的に不備なものになりやすい、相続開始後に家庭裁判所の検認手続が必要などの特徴があります。
公正証書遺言は、遺言者が遺言の内容を公証人に伝え、公証人がこれを筆記して公正証書による遺言書を作成する方式の遺言です。
公正証書による遺言は、自筆証書遺言と比べると、一定の費用がかかりますが、公証人がチェックすることから遺言が無効であるなどと主張される可能性が少なくなる、公証人が原本を保管するので破棄隠匿されるおそれがない、家庭裁判所での検認の手続が不要、などの特徴があります。
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〒165-0027 中野区野方5-30-20 野方三宅ビル2階
しいの木法律事務所 弁護士 八坂玄功
電話 03-5373-1808 FAX 03-5373-1809
Eメール info@siinoki-law.jp http://www.siinoki-law.jp/
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2014年05月14日
任意後見契約、成年後見申立、遺言作成などの訪問相談について
しいの木法律事務所は、任意後見・ホームロイヤー契約・法定後見などの業務を多く行っています。
また、公正証書遺言作成の準備のご相談や、緊急時の自筆証書遺言作成のためのご相談の業務を多く行っています。気軽にご相談ください。
遺言作成・任意後見などを希望されるご相談者は、ご高齢や病気などのために法律事務所への来所が困難なことが多いと思います。当事務所はビルの2階にあり、エレベーターがありません。
そのような場合はお気軽にお問い合わせください。弁護士が、ご自宅や病院、入所施設などに出張してご相談に応じます。
出張相談料は、往復時間を含めて30分5,400円です。
遺言作成の弁護士費用は、特に簡易な内容の場合は108000円です(ほとんどの場合は、簡易な内容の遺言となります)。遺言作成の準備のための戸籍等取り寄せや資産調査のための実費は別にいただきます。
公正証書遺言作成の場合は、別に公証人の費用が必要です。
後見・保佐・補助の申立、任意後見契約、ホームロイヤー契約等の費用については、しいの木法律事務所までお問い合わせください。
しいの木法律事務所に法律相談を申し込まれる場合は、
電話 03−5373−1808
又は
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でご連絡ください。
しいの木法律事務所のホームページhttp://www.siinoki-law.jp/
もご覧ください。
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「遺留分」とは
遺留分とは、被相続人の財産のうち相続人(兄弟姉妹、甥姪を除く)に残さなければならない割合のもので、被相続人が贈与等しても相続人が保留できるものです。
遺留分の割合は、父母等の直系尊属のみが相続人であるときは被相続人の財産の3分の1、その他の場合は被相続人の財産の2分の1です(民法1028条)。
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2014年05月13日
成果報酬型のSEO対策会社の問題
SEO対策会社の契約が詐欺的であるという相談を受けることがたびたびあります。
成果報酬型で、形式的には成果を達成しているが、SEO対策の手法がYahoo!等のガイドラインに違反しているため、上位表示されたのはわずか1,2日であることから、債務不履行責任や錯誤無効などの主張をできないかといった相談です。
インターネットで検索すると、「被害を受けた」といった趣旨の書き込みは多数みられます。
トラブルになることが多いケースのようです。
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「特別受益」とは
民法は、共同相続人のなかで、被相続人から遺贈を受けたり、また婚姻や養子縁組のため、あるいは生計の資本として、生前に贈与を受けた者がいた場合には、別に相続分の前渡しを受けたものとして、その者の相続分を減らすこととを定めています(民法903条1項)。共同相続人間の公平を図るための制度です。
民法903条1項
共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
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posted by siinoki at 08:18| 法律相談・労働相談
「寄与分」とは
民法904条の2は、共同相続人のなかに被相続人の財産を維持・増加することに特別の寄与をした相続人がいる場合には、寄与分を金銭的に評価し、これを相続財産から控除したものを相続財産とみなし、このみなし相続財産を基礎として各相続人の相続分を算定することを定めています。
寄与の態様には、
1. 家業従事型(被相続人の事業に関する労務の提供)
2. 金銭等出資型(被相続人の事業に関する財産の給付)
3. 療養看護型(被相続人の療養看護)
4. その他(扶養型、財産管理型、被相続人の事業以外への財産上の給付、その他)
などがあるとされています。
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【2019年7月7日加筆】
「特別の寄与の制度」
平成30年民法改正により、「特別の寄与の制度」(改正民法1050条)が新たに設けられ、2019年7月1日以降に生じた相続について適用されます。
これは、被相続人の相続人以外の者(例えば被相続人の死別した子の配偶者)が被相続人の療養看護等に努めて被相続人の財産の維持または増加に寄与しても、従来の「寄与分」の制度等で適切に評価することが困難であったことから、上記のような貢献をした者に対して一定の財産を分け与えるのが公平であるという観点から新設された制度です。
制度の適用要件その他の詳細は弁護士にご相談ください。
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しいの木法律事務所は2019年5月より下記のところに移転しました。
〒165−0027 東京都中野区野方5−17−7 守屋ビル1階
電話とFAXは従来通りです。
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2014年05月12日
「法定相続分」について教えてください。
遺言で相続分が指定されていない場合の相続分は、民法900条、901条で次のように定められています。
民法第900条(法定相続分) 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は4分の1とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。
民法第901条(代襲相続人の相続分)
@ 第887条第2項又は第3項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。
A 前項の規定は、第889条第2項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。
例えば、代表的なケースでの法定相続分は次の通りです。
1. 配偶者と子が相続人の場合
配偶者が2分の1、子が併せて2分の1(子が複数の場合、子の各自の相続分は等しい)
2. 配偶者と直系尊属が相続人の場合
配偶者が3分の2、直系尊属が併せて3分の1(直系尊属が複数の場合、直系尊属の各自の相続分は等しい)
3. 配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合
配偶者が4分の3、兄弟姉妹が併せて4分の1(兄弟姉妹が複数の場合、兄弟姉妹の各自の相続分は等しい)
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民法第900条(法定相続分) 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は4分の1とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。
民法第901条(代襲相続人の相続分)
@ 第887条第2項又は第3項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。
A 前項の規定は、第889条第2項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。
例えば、代表的なケースでの法定相続分は次の通りです。
1. 配偶者と子が相続人の場合
配偶者が2分の1、子が併せて2分の1(子が複数の場合、子の各自の相続分は等しい)
2. 配偶者と直系尊属が相続人の場合
配偶者が3分の2、直系尊属が併せて3分の1(直系尊属が複数の場合、直系尊属の各自の相続分は等しい)
3. 配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合
配偶者が4分の3、兄弟姉妹が併せて4分の1(兄弟姉妹が複数の場合、兄弟姉妹の各自の相続分は等しい)
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2014年05月10日
出生届に記載した子の名前が常用漢字でも人名用漢字でもないという理由で出生届が受理されませんでした(戸籍法)。
戸籍法50条により、子の名には、常用平易な文字を用いなければならないとされています。同法同条2項は、常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定めるとしています。
上記戸籍法50条2項に基づき、戸籍法施行規則60条は、子の名に用いることができる文字の範囲について、常用漢字、人名用漢字、ひらがな、カタカナ、などを定めています。
しかし、常用平易な文字が全て戸籍法施行規則60条に定める文字の範囲で尽くされているとは言えないので、出生届の受理を拒否された場合は、使用した漢字が常用平易な文字に含まれるということを理由として、戸籍事件について市町村長の処分を不当とする不服申立を家庭裁判所に対して申し立てることが可能です。
これまで、家庭裁判所の審判で使用が認められた文字の例としては「曽」、「琉」などがあることが知られています(いずれも、家庭裁判所の審判の後に、人名用漢字に加えられています。)。
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上記戸籍法50条2項に基づき、戸籍法施行規則60条は、子の名に用いることができる文字の範囲について、常用漢字、人名用漢字、ひらがな、カタカナ、などを定めています。
しかし、常用平易な文字が全て戸籍法施行規則60条に定める文字の範囲で尽くされているとは言えないので、出生届の受理を拒否された場合は、使用した漢字が常用平易な文字に含まれるということを理由として、戸籍事件について市町村長の処分を不当とする不服申立を家庭裁判所に対して申し立てることが可能です。
これまで、家庭裁判所の審判で使用が認められた文字の例としては「曽」、「琉」などがあることが知られています(いずれも、家庭裁判所の審判の後に、人名用漢字に加えられています。)。
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2014年05月09日
弁護士費用保険単体の保険
昨年から、弁護士費用保険単体の保険(下記のURLの「mikata」)が発売されているのでご案内します。保険会社関係者によると加入者数は順調に増えていますとのことでした。
自動車の損害賠償責任の任意保険その他の保険のオプションとして、弁護士費用保険特約に加入している方は既に1000万人を超えていると言われています。
mikataという保険は、自動車保険のオプションなどを利用できない方も弁護士費用保険を利用できるよう、弁護士費用保険単体の保険として開発された保険ということです。
http://preventsi.co.jp/product/
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2014年05月08日
不当解雇(整理解雇)について争うのに労働審判は適していますか(労働事件)
質問
先月解雇(整理解雇)されました。
不当解雇と併せて残業代の請求をするつもりです。
整理解雇の4要件を明らかに満たしていないと思っています。
争う手続の選択について調べてみたところ、労働審判は整理解雇には適さないという意見と、不当解雇が認められたら具体的に地位の確認(復職)の代わりに和解金(3ヶ月〜6ヶ月分の給料)などを提示してくれるという意見があり、どうしようかと迷っています。
また、まずは会社に内容証明などで請求した方がいいのか、それともいきなり裁判などを起こしても構わないのでしょうか。
会社に請求する場合、地位の確認ということで解雇の無効を訴えると思いますが、その場合、復職するつもりはないので最初から損害賠償(例えば請求した時点までの給料の他に何ヶ月か分の給料の請求)をしておいた方が良いのでしょうか(あるいはそういうことが可能なのでしょうか)。
もし会社側が不当解雇は認めて復職させると言われたら、その会社に戻るつもりはない場合にはその時点までの給料の請求しかできないものなのでしょうか。
答え
整理解雇に労働審判が使えないということはありません。金銭解決に至る割合は多いです。
ただ、偶発的な解雇と違って整理解雇では会社も紛争が裁判所に持ち込まれる覚悟を決めて解雇しているので、労働審判での解決率は低くなる(=通常訴訟に移行する可能性が高くなる)かもしれません。
内容証明郵便などで復職を求めるのは時間の無駄のように思われます。ただちに労働審判や仮処分や通常訴訟を提起した方が、最終的に解決する時期が早くなると思います。
労働者が請求できるのは、解雇権濫用によって解雇が無効とされることによる地位の確認ですから、会社が復職を求めれば復職しなければなりません。会社が復職を求めているのに復職しないというわけにはいきません。そのようなケースはまれですから、復職してほしいと言われたらまれなケースにあたってしまったとあきらめて復職してください。
解雇権濫用にあたる無効な解雇ということと、それが不法行為にあたり損害賠償責任を生じさせるということとは区別される問題です。
解雇が無効であれば労働者としての地位があり会社に対しては給料の支払いを請求できます。
しかし、不当解雇が不法行為にあたることを立証できても、損害として、毎月定額の給料相当額の損害賠償を請求できるわけではありません。
弁護士の発想としては、地位確認ではなく損害賠償を請求するというのは損なやり方です。
残業代の請求も、労働審判によっても通常訴訟によってもいずれでも請求できます。
ただし、付加金(未払残業代と同額)の支払を命じることができるのは訴訟の判決であり、労働審判では命じることはできないとされています。付加金をどうしても得たい場合には最初から通常訴訟を提起するべきです。
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整理解雇の4要件を明らかに満たしていないと思っています。
争う手続の選択について調べてみたところ、労働審判は整理解雇には適さないという意見と、不当解雇が認められたら具体的に地位の確認(復職)の代わりに和解金(3ヶ月〜6ヶ月分の給料)などを提示してくれるという意見があり、どうしようかと迷っています。
また、まずは会社に内容証明などで請求した方がいいのか、それともいきなり裁判などを起こしても構わないのでしょうか。
会社に請求する場合、地位の確認ということで解雇の無効を訴えると思いますが、その場合、復職するつもりはないので最初から損害賠償(例えば請求した時点までの給料の他に何ヶ月か分の給料の請求)をしておいた方が良いのでしょうか(あるいはそういうことが可能なのでしょうか)。
もし会社側が不当解雇は認めて復職させると言われたら、その会社に戻るつもりはない場合にはその時点までの給料の請求しかできないものなのでしょうか。
答え
整理解雇に労働審判が使えないということはありません。金銭解決に至る割合は多いです。
ただ、偶発的な解雇と違って整理解雇では会社も紛争が裁判所に持ち込まれる覚悟を決めて解雇しているので、労働審判での解決率は低くなる(=通常訴訟に移行する可能性が高くなる)かもしれません。
内容証明郵便などで復職を求めるのは時間の無駄のように思われます。ただちに労働審判や仮処分や通常訴訟を提起した方が、最終的に解決する時期が早くなると思います。
労働者が請求できるのは、解雇権濫用によって解雇が無効とされることによる地位の確認ですから、会社が復職を求めれば復職しなければなりません。会社が復職を求めているのに復職しないというわけにはいきません。そのようなケースはまれですから、復職してほしいと言われたらまれなケースにあたってしまったとあきらめて復職してください。
解雇権濫用にあたる無効な解雇ということと、それが不法行為にあたり損害賠償責任を生じさせるということとは区別される問題です。
解雇が無効であれば労働者としての地位があり会社に対しては給料の支払いを請求できます。
しかし、不当解雇が不法行為にあたることを立証できても、損害として、毎月定額の給料相当額の損害賠償を請求できるわけではありません。
弁護士の発想としては、地位確認ではなく損害賠償を請求するというのは損なやり方です。
残業代の請求も、労働審判によっても通常訴訟によってもいずれでも請求できます。
ただし、付加金(未払残業代と同額)の支払を命じることができるのは訴訟の判決であり、労働審判では命じることはできないとされています。付加金をどうしても得たい場合には最初から通常訴訟を提起するべきです。
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2014年05月07日
夫の不倫が原因で離婚する場合、どのようなことを決めておくべきでしょうか(離婚)
質問
夫が不倫をしていたことがわかったため離婚するつもりです。
夫は、34カ月の婚姻期間中婚姻後9か月目から25か月間同じ相手と不倫を続けていました。不倫が始まったのは、私の妊娠発覚直後からでした。不倫が始まって3か月の頃に一度発覚し、夫は関係を断ち切ると約束し、誓約書にその旨を署名捺印しましたが、それは嘘で関係を続けていました。不貞行為の頻度は月に1〜2回程度です。夫の年収は500万円から600万円です。不倫相手には未婚者と偽って交際していました。今回、不倫相手にも既婚者だとばれて調停を申し立てられ夫が慰謝料を100万円支払うことで調停を終わらせています。
離婚するに際して公正証書を作成して慰謝料の支払いについて決めておきたいのですが、相場はどのくらいでしょうか。また、慰謝料以外に決めておくべきことはどのようなことでしょうか。
答え
裁判で認められる慰謝料は300万円程度だと思います。
もちろん、当事者同士の合意が成立するのであれば、500万円でも何も問題はありません。
つらい思いをなさったと思いますが、裁判例の「相場」は悪質性が高い場合が300万円程度です。300万円を超えるような事例もありますが夫の年収が非常に高い場合とか悪質性が際立って高い場合などに限定されていると思います。
合意する際には強制執行認諾文言付きの公正証書を作成するか、離婚調停で調停を成立させるかしておかないと、慰謝料の支払い等が履行されない場合の強制執行が直ちにはできません。
慰謝料以外に決めておくべきこととしては、親権、養育費、財産分与、非監護親の子供との面会、年金分割があります。
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2014年05月05日
名誉棄損について違法性阻却事由が認められる場合に、同じ行為についてプライバシーの侵害が違法とされることはありますか。
質問
名誉棄損については、真実性の抗弁・相当性の抗弁等の違法性阻却事由が認められていますが、同じ行為についてプライバシー侵害を問題にした場合にも、プライバシー侵害が違法ではないとされる場合がありますか。
回答
プライバシー侵害については、刑法230条の2第1項のような明文の規定がないので、違法性阻却が認められにくいという面があるかもしれません。
違法性が阻却される範囲はプライバシー侵害の方が名誉毀損よりも狭くなる場合も生じるのではないかと思います。
しかし、プライバシー侵害についても、被侵害利益の性質と侵害行為の態様との相関関係などによって違法性の有無を判断すべきと考えるのが通説です。本人の推定的同意や受忍限度、公益の優越といった観点が考慮されます。なんでもかんでも形式的に判断してプライバシー侵害にあたるとされるわけではありません。
参考となる裁判例として、最判平成元年12月21日民集43巻12号2252頁があります。
同最判は、公立小学校の教師に対する批判ビラに、 教師の氏名・住所・電話番号等を記載し、かつ、有害無能な教職員等の表現を用いた大量のビラを繁華街等で配布した場合において、右ビラの内容が、一般市民の間でも大きな関心事になつていた通知表の交付をめぐる混乱についての批判、論評を主題とする意見表明であつて、専ら公益を図る目的に出たものに当たらないとはいえず、その前提としている客観的事実の主要な点につき真実の証明があり、論評としての域を逸脱したものでないなど判示の事実関係の下においては、右配布行為は、名誉侵害としての違法性を欠くとした事例です。
この判決は、名誉棄損に基づく請求は棄却しましたが、教師らの「私生活の平穏などの人格的利益」が違法に侵害されたとして、教師らの請求を一部認めています。ビラに教師個人の住所等の個人情報を掲載することによって、教師やその家族が自宅に直接抗議などを受けることになるであろうことをビラの発行者は予想できたのであるから、実際に自宅に直接抗議などを受けることによって受けた私生活の平穏などの人格的利益の侵害についてビラの発行者に責任があるというような判断をしています。
「私生活の平穏などの人格的利益」の侵害は、プライバシー侵害そのものではありませんが、それと重なる面があると思います。
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名誉棄損については、真実性の抗弁・相当性の抗弁等の違法性阻却事由が認められていますが、同じ行為についてプライバシー侵害を問題にした場合にも、プライバシー侵害が違法ではないとされる場合がありますか。
回答
プライバシー侵害については、刑法230条の2第1項のような明文の規定がないので、違法性阻却が認められにくいという面があるかもしれません。
違法性が阻却される範囲はプライバシー侵害の方が名誉毀損よりも狭くなる場合も生じるのではないかと思います。
しかし、プライバシー侵害についても、被侵害利益の性質と侵害行為の態様との相関関係などによって違法性の有無を判断すべきと考えるのが通説です。本人の推定的同意や受忍限度、公益の優越といった観点が考慮されます。なんでもかんでも形式的に判断してプライバシー侵害にあたるとされるわけではありません。
参考となる裁判例として、最判平成元年12月21日民集43巻12号2252頁があります。
同最判は、公立小学校の教師に対する批判ビラに、 教師の氏名・住所・電話番号等を記載し、かつ、有害無能な教職員等の表現を用いた大量のビラを繁華街等で配布した場合において、右ビラの内容が、一般市民の間でも大きな関心事になつていた通知表の交付をめぐる混乱についての批判、論評を主題とする意見表明であつて、専ら公益を図る目的に出たものに当たらないとはいえず、その前提としている客観的事実の主要な点につき真実の証明があり、論評としての域を逸脱したものでないなど判示の事実関係の下においては、右配布行為は、名誉侵害としての違法性を欠くとした事例です。
この判決は、名誉棄損に基づく請求は棄却しましたが、教師らの「私生活の平穏などの人格的利益」が違法に侵害されたとして、教師らの請求を一部認めています。ビラに教師個人の住所等の個人情報を掲載することによって、教師やその家族が自宅に直接抗議などを受けることになるであろうことをビラの発行者は予想できたのであるから、実際に自宅に直接抗議などを受けることによって受けた私生活の平穏などの人格的利益の侵害についてビラの発行者に責任があるというような判断をしています。
「私生活の平穏などの人格的利益」の侵害は、プライバシー侵害そのものではありませんが、それと重なる面があると思います。
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〒165-0027 中野区野方5-30-20 野方三宅ビル2階
しいの木法律事務所 弁護士 八坂玄功
電話 03-5373-1808 FAX 03-5373-1809
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婚姻費用分担で相手の年収がわからない場合(家事事件・離婚)
現在、婚姻費用分担の調停中です。
相手の年収がわからない場合は、婚姻費用を請求するのは難しいのでしょうか。
答え
「相手の年収は○○円を下回らないと推定される」旨を、できるだけそれなりの根拠に基づいて主張して、その金額に基づいて婚姻費用を算定して請求してください。
相手が積極的に収入を主張しない場合は、上記の○○円を基礎に、審判で婚姻費用が算定される可能性が高くなります。 調停段階で安易に妥協しないようにしてください。
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2014年05月02日
離婚した元妻が私との共有の元自宅不動産を勝手に賃貸に出しました(不動産・離婚)
質問
元妻と私とが共有している元の自宅マンションがあります。
共有持分は私が8分の7、妻が8分の1です。
離婚当初、元自宅マンションには妻と子が住んでいましたが、妻と子が実家に引越し、同時に元自宅マンションを私に無断で他人に貸してしまいました。
不動産仲介会社には離婚している事を告げずに賃貸借契約を進めたようです。
元妻は、家賃収入を元妻に支払わせようとしています。
契約の無効主張、貸主を私に変更することなどができるでしょうか。
答え
賃貸借契約は、共有物の「変更」(民法251条)にあたるとしても、共有物の「管理」(民法252条)にあたるとしても、いずれにしろ、共有者全員の同意又は持分の過半数の賛成が必要です。
ですから、8分の1の持分しか有していない元妻による賃貸借契約は無効と考えられます。
賃借人に対して、契約の無効を通知し、居住を継続したければ持分の過半数を有する自分と改めて契約して賃料を支払うように求める(改めて契約しなければ明渡を求める)という方法があります。
民法251条
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。
民法252条
共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
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2014年05月01日
相続放棄すれば債権者からの督促は止まりますか(相続・遺産分割)
質問
相続放棄について、教えて頂きたいです。
今回、子どものいない兄が亡くなりました。
サラ金からの借金が多くあり、資産は見当たらないため、私は相続放棄を終えました。
今後、サラ金関係からの督促にはどのように対処すれば、よろしいでしょうか。
弁護士さんに依頼しないといけないのでしょうか。
答え
相続放棄の申述受理証明書の写しを債権者に送れば督促は止まります。
ただし、債権者が相続放棄が無効だと考えるような特別の事情がある場合は別です。そのような特別の事情がある場合には、債権者から相続人に対して訴訟などで請求され、訴訟の中で相続放棄の有効性が判断されることになるでしょう。そのような場合はまれです。
ですから、弁護士に依頼する必要はないことがほとんどです。
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2014年04月28日
相続人が過払い金返還請求する場合の訴状の書き方を教えてください(民事訴訟一般・本人訴訟)
質問
相続人が訴訟する場合の訴状の書き方を教えてください。
父が亡くなりました。相続人は母と息子と娘(私)です。
父の消費者金融に対する過払い金が1000万近くあります。
母が代表で原告となり弁護士を依頼せずに訴訟する予定です。
通常は訴状の請求の原因は下記のような書き方だと思うのですが、相続人が訴える場合はどのように記載するのでしょうか?
記
請求の原因
1 当事者
被告は、無担保による消費者金融を主要な業務内容とする貸金業者である。
2 不当利得返還請求
(1)原告は昭和○○年頃、被告との間で金融消費貸借の包括契約を締結し、別紙計算書記載のとおり、継続的に借入及び返済を繰り返してきた(甲1)。
(2)被告開示の取引履歴に基づき、利息制限法に従い計算すると、金○○○万○○○○円の過払いとなっており、原告に同額の損失が発生し、被告が同額の利得を得たことになる。
(3)被告は、貸金業者であるところ、利息制限法に定められた上限利率を超える利息の弁済を原告から受けており、当然にその事を認識していた。従って、被告は、原告に対し、利息制限法による制限利率を超える利息弁済によって生じた不当利得につき悪意の受益者にあたり、その不当利得について、過払金発生時からその支払済みに至るまでの間、利息を付して返還する義務がある(民法704条)。
よって、別紙計算書の計算においては、過払金つまり不当利得金発生時から、同不当利得金に対し、年5分の割合による利息を計上している。
そして最終取引日の平成○○年○月○○日時点での利息金額は○○○万○○○○円となっている。
答え
「原告は」のところを、「故・○○は」とします。
項目を一つ加えて、
「3 相続及び遺産分割協議
(1)故・○○は、○年○月○日死亡した。
(2)故・○○の相続人は、X(妻)、A(続柄)、B(続柄)の3名である(甲●〜●・戸籍謄本等)
(3)X、A及びBは、故・○○のYに対する過払金返還請求権をXが相続することを合意した(甲●・遺産分割協議書)」などとします。
本人訴訟、がんばってみてください。
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父が亡くなりました。相続人は母と息子と娘(私)です。
父の消費者金融に対する過払い金が1000万近くあります。
母が代表で原告となり弁護士を依頼せずに訴訟する予定です。
通常は訴状の請求の原因は下記のような書き方だと思うのですが、相続人が訴える場合はどのように記載するのでしょうか?
記
請求の原因
1 当事者
被告は、無担保による消費者金融を主要な業務内容とする貸金業者である。
2 不当利得返還請求
(1)原告は昭和○○年頃、被告との間で金融消費貸借の包括契約を締結し、別紙計算書記載のとおり、継続的に借入及び返済を繰り返してきた(甲1)。
(2)被告開示の取引履歴に基づき、利息制限法に従い計算すると、金○○○万○○○○円の過払いとなっており、原告に同額の損失が発生し、被告が同額の利得を得たことになる。
(3)被告は、貸金業者であるところ、利息制限法に定められた上限利率を超える利息の弁済を原告から受けており、当然にその事を認識していた。従って、被告は、原告に対し、利息制限法による制限利率を超える利息弁済によって生じた不当利得につき悪意の受益者にあたり、その不当利得について、過払金発生時からその支払済みに至るまでの間、利息を付して返還する義務がある(民法704条)。
よって、別紙計算書の計算においては、過払金つまり不当利得金発生時から、同不当利得金に対し、年5分の割合による利息を計上している。
そして最終取引日の平成○○年○月○○日時点での利息金額は○○○万○○○○円となっている。
答え
「原告は」のところを、「故・○○は」とします。
項目を一つ加えて、
「3 相続及び遺産分割協議
(1)故・○○は、○年○月○日死亡した。
(2)故・○○の相続人は、X(妻)、A(続柄)、B(続柄)の3名である(甲●〜●・戸籍謄本等)
(3)X、A及びBは、故・○○のYに対する過払金返還請求権をXが相続することを合意した(甲●・遺産分割協議書)」などとします。
本人訴訟、がんばってみてください。
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2014年04月27日
相続人の一人が自筆証書遺言書を勝手に開封しました(遺言・相続)
相続の一人が遺言書を勝手に開封しました。遺言書は有効でしょうか。
答え
自筆証書遺言を無断で開封した場合は10万円以下の罰金とされていますが、検認を受けずに開封したことによってただちに無効になるわけではありません。
自筆証書遺言については、検認の手続が必要なので、その際に開示されます。
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2014年04月25日
探偵の費用は相手に請求できますか(民事訴訟一般)。
質問
夫の不倫相手に慰謝料請求する予定です。
夫とのメール以外に確たる証拠がないので、探偵に調査を依頼するつもりです。
探偵の費用は不倫相手に請求できますか。
答え
常に認められるとは限りませんが、不貞関係(不法行為)を立証するために必要な探偵の費用も、損害額の一部として請求が認められることはあります。交通事故損害賠償請求などの場合に、弁護士費用の一部が損害額として認められる(損害額の5〜10%程度)のと同じです。
訴訟を起こす際には、探偵の費用も請求されると良いと思います。
「不貞慰謝料請求事件に関する実務上の諸問題」(判例タイムズ1278号45頁)という裁判官の論文には、探偵の費用のうち100万円を認めた事例や、1円も認めなかった事例などが紹介されています。
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2014年04月24日
義父の土地の上に建物を所有しています。義父が亡くなり、相続人である義母と妻の弟から明渡しを求められています(遺産分割)
質問
私は、妻の父から土地の提供を受け自宅を建築し居住していましたが、その義父が亡くなりました。義理母、妻、その弟の三名が法定相続人です。
これまでの土地の使用について賃料等の支払いはありませんでしたので使用貸借であるものと思います。
最近、妻の弟から土地をどうしたいのか見解を問う旨の内容証明郵便を出す旨妻に連絡がありました。弟は土地を売却し現金に換えたいとの意向を持っているようで、義理母も同調しているようです。
どのように対応するべきでしょうか。
答え
使用借権の権利の終了時期については、民法に「契約に定めた時期に、借用物の返還をしなければならない」(民法597条1項)、「返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わったときに、返還をしなければならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる」(民法597条2項)、「使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う」(民法599条)という規定があります。
ですから、特に契約で終了の時期を定めなかった場合は、土地上の建物の存続期間中又は借主(建物の所有者である相談者)の死亡のいずれか早い時までは、使用借権は存続します。
貸主の死亡は使用貸借の終了事由ではありません。ですから、義父の死亡によっては、使用借権は終了しません。
使用借権には第三者への対抗力がないので、土地が第三者に売られてしまえば、その第三者に対して使用借権を対抗することはできません。しかし、土地がただちに売られる心配はありません(妻が所有者の一人なので)。
そういうわけですので、義理の弟さんや義母から建物を撤去しろと要求されても、それに応じる必要はありません。
結局、問題は、使用借権の負担の付いた底地を含む義父の遺産の分割を、義理母、妻、その弟の三名でどのように行うかということになります。
遺産分割調停が申し立てられるのを待って、調停の場で合意をめざせば良いでしょう。
弟さんからの内容証明郵便に対しては、「土地を売るつもりはありません。遺産分割協議が必要であれば調停を申し立てるなどしてください」などと、自ら、又は弁護士に依頼して回答するのが良いでしょう。
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遺言書と矛盾する財産の処分(遺言・遺産分割)
質問
遺言書の事で、お聞きします。
父親が危篤状態になり、母親が父親名義の証券や不動産の名義を母親に変更しているようです。
しかし、私は、父親から危篤になる前に、遺言書を書いてもらっています。
父親が生きているうちに、母親、他の相続人に、財産を名義変更されてしまった場合、いくら遺言書があったとしても、遺言書はただの紙切れ同然なんでしょうか。
答え
遺言者が遺言と矛盾する財産の処分をした場合は、その部分については遺言は撤回されたものとされます(民法1023条2項)。
つまり、生前の処分の方が、遺言より、優先します。
お父さんには、実印や登記識別情報等の管理を厳重に行ってもらい、遺言に反する財産の処分を認めないようにがんばってもらうしかありません。
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