2022年03月25日

交通事故の被害に遭いました。保険会社から提示された慰謝料額は妥当でしょうか(交通事故・本人訴訟)。

質問
交通事故の被害に遭いました。1か月の入院と1か月の通院で完治しました。過失割合については、加害者側に全面的に責任があることに争いはありません。
加害者の保険会社から、慰謝料として約36万円等の損害賠償額を提案されていますが妥当でしょうか。

答え
損害保険会社の提案額は、保険会社の内部の基準に従った金額のようです。
しかし、損害賠償請求訴訟によって認められる慰謝料の相場は、入院1か月通院1か月の場合、47万円から88万円です。
あなたとしては、訴訟によって適正妥当な損害賠償額を請求するのが良いと思います。

保険会社とこれ以上交渉を重ねても、保険会社の内部の基準を越えた提案がなされることはありません。

 しかし、ご相談のケースでは、訴訟のために弁護士に依頼すると、弁護士費用のコストの方が得られる利益よりも上回ってしまいそうです。
訴訟提起のために弁護士を代理人とすることは義務付けられていませんから、本人訴訟によって損害賠償請求訴訟を行うべきだと思います。
簡易裁判所の窓口には交通事故損害賠償請求訴訟の訴状のひな形が用意されています。
 過失割合などに争いがなく、争点は、慰謝料の額くらいですから、弁護士の法律相談を利用しながら、ご自分で訴訟を遂行することができると思います。

 なお、ご自身が加入している損害保険に弁護士費用補償特約がついている場合は、弁護士費用を出してもらうことができますから、弁護士に依頼するべきでしょう。
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〒165-0027 中野区野方5-17-7 守屋ビル1階
しいの木法律事務所 弁護士 八坂玄功
電話 03-5373-1808  FAX 03-5373-1809
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2022年03月24日

各種、送達の順番を教えてください。(民事訴訟一般、本人訴訟)


質問
 本人訴訟を行っています。
 被告が訴状を受け取らない場合、各種の送達を順番に使っていくことになると思います。その手順を教えてください。
 被告の勤務先は判明していますが、住所は不明です。

答え
 まず、住所が不明であることを住民票、戸籍附票、調査報告書等で説明して、就業場所での送達をしてもらいます(民訴103条2項)。

 就業場所で従業員など書類の受領について相当のわきまえのある者が書類の交付を受けることを拒まないときは、有効な送達になります(民訴106条2項)。

 就業場所での送達ができない場合、就業場所にあてて付郵便送達をすることはできません(民訴107条1項参照)。就業場所は、そもそも二次的な送達場所であり、かつ、プライバシー保護の観点から補充送達受領資格者に差置送達をすることはできないとされる場所であるので、就業場所に付郵便送達を認めることは相当でないからです。

 就業場所への送達が受領拒絶等によって送達できなかった場合は、公示送達によることになります(民訴110条1項2号)

 要するに、最終的には公示送達ができます。


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後見人の追加選任

 財産を相当額保有している、推定相続人の間で将来生じる相続をめぐって紛争となる可能性が高い、現に親族間で紛争(同族会社をめぐる紛争やすでに起きている相続をめぐる紛争等)が生じている、などの事情がある場合、裁判所は弁護士を成年後見人として選任します。
 しかし、選任された弁護士後見人が、十分な活動を行なってくれないというご不満を聞く場合がしばしばあります。
 こうした場合、一般的にはあまり知られていませんが、後見人は1人だけしか選任できないわけではありませんので、後見人の追加選任の申立を行うことを試みてみることができる場合があります。

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2022年03月20日

20220329 憲法改悪を許さない! 3/29中野キックオフ集会

2022年3月29日19時〜
安保法制の廃止をめざす中野アピール実行委員会の主催による集会の呼びかけです。
オンラインでの参加も可能です。



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2022年03月19日

無償で土地利用している知人の相続人に明渡を請求したい(使用貸借)

質問

 私が所有している土地を知人に無償で貸してその知人が土地上に建物を建てて居住しておりましたが数年前にその知人が死去。その後、その知人の遺族とその家族が建物に居住しています。

 無償で土地を貸す際に、その知人との間では、他人に建物を譲渡したり相続させることは認められなこと、契約終了時は建物を取り壊して土地を明け渡す約束をしています。

 未だに故知人の名義の建物に遺族やその家族が住み続けているため、契約の終了と明渡を請求したいのですが、どうすればよいでしょうか。


回答

 あまり簡単な話ではない可能性もあります。


1 契約の終了について

  民法改正前の契約なので旧民法599条の適用の問題になりそうです。

  旧民法599条の定めは下記のようになっていますので借主死亡によって契約が終了と主張することは可能です。

  しかし借主の遺族側からは、建物朽廃までは契約が継続するという約束だったなどの反論がなされる可能性がいかにもありそうです。


2 借主の遺族の収去義務について

  旧民法598条の定めは文言上は借主が「収去することができる」というものですが、法解釈上は、この規定は借主の収去義務も定めたものとするのが通説です。しかし、旧民法598条は任意規定ですから、借主の遺族側から収去義務を負わない約束があったなどの主張がなされる可能性がいかにもありそうです。


3 間違った対応をすると解決が困難になるかもしれませんので、弁護士に依頼された方がよいと思います。


改正前民法

(借主の死亡による使用貸借の終了)

第599条 使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う。


(借主による収去)

第598条 借主は、借用物を原状に復して、これに付属させた物を収去することができる。


posted by siinoki at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律相談・労働相談

2022年03月18日

離婚にともなう財産分与の割合は常に2分の1か

 離婚にともなう財産分与の割合は原則として2分の1と考えられていますが、例外がないわけではありません。

 次のような事例があります。

 ■奈良家裁平成13年7月24日家裁月報54巻3号56頁
  唯一の夫婦財産であるマンションが夫の小遣いを資金として競馬をして儲けた金で購入したものであったという事案で、夫の寄与率が高いと認めて、マンション売却代金の3分の1の分与が相当であるとした。

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posted by siinoki at 22:40| 法律相談・労働相談

18歳19歳の未成年取消権なくしてしまっていいのか?

民法改正により18歳成人となると、これまで18歳19歳の人に認められていた未成年取消権がなくなってしまいます。
消費者被害の問題が18歳19歳の若い人たちに広がり重要な救済手段である未成年取消権がなくなってしまうのは大きな心配です。
とりわけ、アダルトビデオ業界については大きな心配があります。
こんな緊急集会が呼びかけられています。

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弁護士保険って役に立つのですか(法律相談・労働相談)

最近、自動車の任意保険のオプションや火災保険などのオプションで弁護士費用保険がついてくる保険がかなり普及しています。

交通事故損害賠償などの事件で実際に使ったことがあるという方もかなりいらっしゃるかもしれません。

ところが、インターネット上の誹謗中傷などのよくあるトラブルに使える弁護士費用保険の商品は少ない。

同業者の方から教えてもらったところによると、インターネット上のトラブルで有効に使えそうな弁護士費用保険としては、今のところ、
↓ これ一択だそうです。


宣伝広告費をもらっているわけではありません。
勝手にご紹介。


posted by siinoki at 20:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律相談・労働相談

犯罪被害者のための弁護士の業務



 犯罪被害者保護法・刑事訴訟法上の犯罪被害者参加制度などを利用して、犯罪の被害に遭われた方の支援のために、下記のような業務を弁護士が行うことができます。
 
 資力が一定基準以下の方は、犯罪被害者法律援助(「委託援助業務」=日弁連の事業を日本司法支援センターに委託して行っている業務)や、国選被害者参加弁護士制度を利用することもできます。

 詳しくは、しいの木法律事務所、各地の弁護士会の犯罪被害者相談窓口、日本司法支援センターなどにお問い合わせ下さい。

犯罪被害者法律援助
 犯罪被害者等(生命、身体、自由又は性的自由に対する犯罪及び配偶者暴力、ストーカー行為による被害を受けた者又はその親族若しくは遺族が対象)が刑事告訴を弁護士に依頼する場合などが、援助の対象です。
 援助活動の結果示談等が成立して現実に利益が得られた場合以外は、援助された弁護士費用は償還不要(給付)と考えて差し支えありません。


犯罪被害者参加制度
犯罪被害者参加制度により、下記の刑事事件の被害者や被害者の遺族、被害者の心身に重大な故障がある場合の被害者の家族は、刑事事件の手続に直接関与することができます。
(1)故意の犯罪行為により人を死傷させた事件(殺人、傷害、危険運転致死傷など)
(2)強制わいせつ(刑法176条)、強姦(刑法176条)などの性犯罪
(3)業務上過失致死傷罪、自動車運転過失致死傷罪(刑法211条)などの犯罪
(4)逮捕・監禁罪(刑法220条)
(5)略取・誘拐・人身売買に関する犯罪(刑法224条〜227条)
(6)上記事件の未遂罪

犯罪被害者参加人制度による被害者参加人は、自ら、又は弁護士に委託して、下記のようなことを行うことができます。

(1)公判期日への出席(刑事訴訟法第316条の34)
 被害者参加人(又はその委託を受けた弁護士)は、法廷の中に入り、検察官の近くに座って審理に参加することができます。

(2)証人尋問(刑事訴訟法第316条の36)・被告人質問(刑事訴訟法第316条の37)
 被害者参加人(又はその委託を受けた弁護士)は、検察官の証人尋問や被告人質問について、意見を述べることができます。
 被害者参加人(又はその委託を受けた弁護士)の意見に基づく尋問・質問を検察官がしない場合は、尋問・質問事項を明らかにして、検察官に対して証人尋問や被告人質問をすることを申し出ることができ、裁判所が相当と認めたときは、申し出た者が直接尋問・質問することができます。

(3)被害者等の意見陳述(刑事訴訟法第292条の2)
 被害者やその遺族等は、被害感情や処罰感情などの情状に関する意見を陳述することができます。

(4)事実又は法律の適用についての意見陳述(刑事訴訟法第316条の38)
 被害者参加人(又はその委託を受けた弁護士)は、起訴された事実の範囲内で、事実及び法律の適用に関する自己の意見(検察官の論告・求刑と同様のもの)を述べることができます。

(5)付添や遮蔽など、参加しやすくするための措置(刑事訴訟法316条の39)
 裁判所は、被害者参加人の年齢、心身の状態その他の事情を考慮して、付添人を付き添わせることができます。
 裁判所は、被害者参加人の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情を考慮して、被害者参加人の状態が被告人から認識されないようにするための措置をとることができます。傍聴人との間についても同様です。


国選被害者参加弁護士制度があります

 資力が一定基準以下の被害者が被害者参加制度を弁護士に委託して利用したい場合には、国選被害者参加弁護士の選定を求めることができます(犯罪被害者保護法5条)。
 選定の請求は、日本司法支援センター(「法テラス」)に対して行います。
 日本司法支援センター(「法テラス」)は、国選被害者参加弁護士の候補を指名して裁判所に通知しますが、この指名をするにあたっては、被害者の意見を聞かなければならないとされています(犯罪被害者保護法6条)。例えば、捜査段階で犯罪被害者法律援助を利用して当該被害者を支援した弁護士が、日本司法支援センター(「法テラス」)との間で契約をしている弁護士であれば、その弁護士を指名するように被害者から求めることなどができます。

 日本司法支援センター(「法テラス」) 
 「犯罪被害者の方のための新しい制度」 


犯罪被害者保護法により、公判記録の閲覧謄写ができます
 犯罪被害者、被害者の遺族、被害者の心身に重大な故障がある場合の家族は、第1回公判期日後、損害賠償請求権の行使のために必要があると認められる場合その他正当な理由のある場合に、公判継続中の訴訟記録の閲覧及び謄写ができます(犯罪被害者保護法第3条)。


民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解(犯罪被害者保護法13条)
 公判継続中に、被告人と被害者との間で損害賠償等について示談が成立した場合に、その内容を調書に記載することにより、民事裁判上の和解と同様に、債務名義となり執行力を有するという制度が利用できます。


損害賠償命令制度(犯罪被害者保護法17条)
 下記の犯罪被害にあった被害者や被害者の相続人は、刑事事件の裁判所に申立書を提出して、損害賠償命令の申立をすることができます。
(1)故意の犯罪行為により人を死傷させた事件(殺人、傷害、危険運転致死傷など)
(2)強制わいせつ(刑法176条)、強姦(刑法176条)などの性犯罪
(3)逮捕・監禁罪(刑法220条)
(4)略取・誘拐・人身売買に関する犯罪(刑法224条〜227条)
(5)上記事件の未遂罪

 刑事被告事件について有罪の判決があった場合、裁判所は、損害賠償命令の申立についての審理を行います。審理は原則として4回以内で行われ(犯罪被害者保護法24条)、損害賠償を命じる決定がなされます。
 
 決定に対して、適法な異議申立がなされた場合には、損害賠償命令の申立時に通常の民事裁判の訴えの提起があったものとみなされて、民事裁判が開始されます(犯罪被害者保護法27・28条)。また、4回以内の審理期日で終結することが困難な事件の場合は、裁判所の職権によって民事裁判に移行することになります(犯罪被害者保護法32条)

原告の住所を表示しなくても民事裁判を起こせます
被害者の方から、民事訴訟を起こすと自分の住所を犯人に知られてしまうのが怖いという心配を聞くことがありますが大丈夫です。
最高裁判所が全国の裁判所に通達を出しており、犯罪被害者が訴訟提起する場合は連絡先として代理人弁護士の事務所住所だけを記載すれば良いとされています。この通達は訴訟だけでなく訴え提起前の和解にも適用されます。

犯罪被害者等給付金制度の利用ができる場合もあります。

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2022年03月17日

競売買受人への費用の請求(競売)

質問

 現在事業所として賃借している物件が近日中に競売にかかると裁判所から連絡がありました。

 私どもの事業所では、賃借後、賃借人の費用負担でスプリンクラーを設置し、設置費用約400万円を負担しています。仮に、立ち退きとなった場合、この造作設置費用は、競売買受け人に負担請求できるのでしょうか。 


回答

 難しい問題ですが、実務上はスプリンクラーも建物と一体化していますので、競売によって競落人の所有となり、ただ、民法196条2項の有益費償還請求の対象になるという処理がなされることになろうかと思います。

 民法196条2項「占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。」 

 競売手続における物件の調査や鑑定人の評価の上で、スプリンクラー部分について有益費償還請求権が生じるということを十分に考慮してもらえるよう努めることが重要になります(というのは鑑定人の評価などでそうした事情が十分に考慮されていれば競落人も有益費償還請求権の行使を覚悟した上で競落するので)。


 事業所が公益的な事業目的を有しており係属して同一の事業所で事業を行うことが期待されるというような場合には、できれば行政に働きかけて、競売手続の現況調査や鑑定人の評価の段階で行政から意見を述べてもらう機会を作れるよう努力するべきだと思います。競落人が、公益的な事業所の継続的な利用を覚悟して競落してくれる可能性が生じる可能性がないことはないと思います。


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