2022年03月15日

相続人の一人が海外に住んでいます。遺産分割協議はどうすればよいでしょうか(相続・遺産分割)。

 遺産分割協議そのものは、手紙、電話、電子メール、ファックスなどで行うことができますが、不動産の相続登記などが必要な場合は協議の結果を遺産分割協議書として作成する必要があります。
 遺産分割協議書には、相続人全員が署名と押印(実印)をして印鑑証明書を添付する必要があります。
 海外に住んでいる人は、領事館で印鑑登録をするか、領事館で署名証明書を発行してもらい印鑑証明書に代えることになります。
 海外にいる相続人が日本人ではない場合には、現地の公証人から署名証明書を発行してもらうなどの手続きをとることになります。
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住所不明の被告に対する訴状送達(民事訴訟一般)

住所が不明(勤務先はわかっている)の相手に対して訴訟を起こす場合は次のような流れになります。

まず、住所が不明であることを住民票、戸籍付票、調査報告書等で説明して、就業場所での送達をしてもらいます(民訴法103条2項)。
就業場所で従業員など書類の受領について相当のわきまえのある者が書類の交付を受けることを拒まないときは、有効な送達になります(民訴法106条2項)。

就業場所での送達ができなかった場合、就業場所にあてて付郵便送達をすることはできません(民訴法107条1項参照)。
就業場所への送達が受領拒絶等によって送達できなかった場合は、公示送達によることになります(民訴法110条1項2号)。

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隣地との境界線から50センチメートル(不動産)

質問

 新築戸建てを購入し、その駐車場にカーポートを建築することを予定しています。

 隣地所有者さんから、柱も庇も全て50p離してほしいと要求されています。

 柱と壁は50p離したいと思いますが、屋根の軒先も50cm離す必要があるのでしょうか。


回答

 カーポートも民法234条の建物にあたるので境界線から50センチメートルの距離を保つ必要があるという見解が一般的です。民法236条の異なる慣習の有無については地域でそのような慣習があるかないかは判断できませんが、全国一般にカーポートであれば民法234条の規定が緩和される慣習があるかないかと言えば、ないです。

 50センチメートルは壁またはそれに類する部分から測るとする裁判例があるそうです(東京地裁平成4年1月28日判決・判例タイムズ808号205頁)。それでよいのだと思います。屋根から測るべきだとすると民法218条「土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けてはならない。」が意味不明な規定になってしまいますので。


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2022年03月12日

特別受益が認められるのはどのような場合ですか(遺産分割)

 特別受益の類型には、次のようなものが考えられます。

1)遺贈(民法903条)
2)婚姻または養子縁組のための贈与(民法903条)
3)生計の資本としての贈与(民法903条)
 生計の資本としての贈与に当たるか否か、しばしば問題になるものとして、次のようなものがあります。
 @学資
  学資も高等教育を受けるために支出した費用は特別受益にあたる場合がありますが、近年では高等教育が一般化しているため、親の扶養の範囲と認められる場合には特別受益にあたらない、あるいは相続人全員が同程度の高等教育を受けているような場合には持戻免除の意思表示があったと判断される場合があります。
 A不動産の贈与
 B生命保険
  生命保険について、最高裁平成16年10月29日判決は、「被相続人を保険契約者及び被保険者とし、共同相続人の一人又は一部の者を保険受取人とする養老保険契約に基づき保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権は、民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらないが、保険金の額、この額の遺産総額に対する比率、保険金受取人である相続人及び他の相続人との関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して、保険金受取人である相続人とその他の相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、特別受益の持戻しの対象となる」と、原則として特別受益とはならないと判断しています。
  特段の事情があるとして特別受益性を認めた裁判例に、東京高裁平成17年10月27日決定(家月58巻5号94頁)、名古屋高裁平成18年3月27日決定(家月58巻10号66頁)があります。
 C死亡退職金
  死亡退職金は遺産の前渡しと評価することは困難で、生命保険以上に、特別受益と評価することは難しいと考えられます。
 D借地権の承継や設定、相続人が底地権相当額で借地(底地)を買い受けた場合など
  審判例として東京家裁平成12年3月8日審判(家月52巻8号35頁)、東京地裁平成20年10月9日判決(判時2019号31頁)があります。
 E遺産の無償使用
  遺産である土地の上に相続人の一人が被相続人の許諾を得て建物を建て、その土地を無償で使用している場合は、使用借権が設定されている土地と評価し、使用借権相当額(更地価格の1〜3割)が特別受益と評価されるのが普通です。
  但し、場合によっては、使用借権負担による減額(使用借権相当額の特別受益の評価)を行わずに土地を更地価格で評価することもあります(土地を使用している相続人が当該土地を取得する遺産分割を成立させるような場合)。
  裁判例として、福岡高裁昭和58年2月21日決定(家月36巻7号73頁)、東京地裁平成15年11月17日判決(判タ1152号241頁)などがあります。
 F建物の無償使用
  被相続人の建物に相続人の一人が無償で居住していた場合、賃料相当額が特別受益となるという考え方と、土地の使用借権と比べると経済的価値が乏しいことなどを理由に特別受益にあたらないとする考え方とがあります。
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特別受益とは何ですか(遺産分割)

 共同相続人の中に、被相続人から遺贈を受けたり、生前に贈与を受けたりした者がいる場合、共同相続人間の公平を図るために、遺贈や贈与を相続分の前渡しと評価して、計算上贈与を相続財産に加算して(「持戻し」と言います。)、各相続人の相続分を算定することにしています。民法903条の特別受益の規定です。

 「みなし相続財産」
 相続開始の時に有していた積極財産(債務を控除しない財産)の額に、相続人が受けた贈与の額を加算したものを「みなし相続財産」と呼びます(「遺贈」は相続開始時に現存する相続財産に含まれているので加算の必要がありません)。
 
 みなし相続財産を基礎にして、各共同相続人の相続分を乗じて各相続人の相続分(一応の相続分)を算定し、特別受益を受けた者については、この額から特別受益額を控除し、その残額をもって特別受益額が現実に受けるべき相続分(相続開始時点での具体的相続分)を確定します。
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2022年03月11日

学費は特別受益に当たりますか(遺言・遺産分割)。

質問
母が亡くなりました。相続人は姉二人と私(長男)の3名です。長女は短大卒業後に4年制の私大に進学、私は4年制の私大に進学後に資格試験の専門学校に進学、二女は4年制の私大に進学(但し学費は他の二人の進学した私大の約2倍)しています。特別受益はどのように計算したらよいですか。

答え
結論としては、特別受益は誰にも認められないと考えます。
裁判例は、被相続人の子が複数いていずれも高等教育を受けている場合に、子の個人差その他の事情により、その費用に多少の差が生じることがあるとしても、通常、その費用は親の子に対する扶養の一内容として支出されるもので、遺産の先渡しとしての趣旨を含まないものとして認識するのが一般的であり、仮に、特別受益と評価しうるとしても、特段の事情のない限り、被相続人の持戻し免除の意思が推定されるとしています(大阪高決平成10年12月6日家月60巻9号89頁)。

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遺産の中に銀行預金と定額郵便貯金があります。これらについて遺産分割協議は必要ですか(遺産分割)

【最高裁判所の判例変更による追記があります】
 銀行預金について、判例は、可分債権(民法427条)にあたり、相続により当然分割され、各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継するとしています(最高裁昭和29年4月8日判決、最高裁昭和30年5月31日判決)。
 そこで、実務上は、遺産分割協議や調停の段階では、銀行預金債権も遺産分割の対象財産とする合意をして、他の遺産とあわせて協議や調停をします。審判段階では、銀行預金は審判の対象に含まれず、各相続人が相続分に応じて権利を行使することになりますが、相続人間において預金債権を分割対象に含める旨の合意が成立すれば、合意に従い、預金債権を分割対象に含めて審理する取扱いをしているようです。

 定額郵便貯金については、預け入れから10年を経過しない場合の払い戻し請求は、権利者が全員連名でしなければならないとの定めがあることから(旧郵便貯金法7条1項3号等)、銀行預金とは異なり、当然分割債権とはならない(遺産分割審判の対象となる)とされています。

追記
最高裁判所による判例の変更があり、預貯金については遺産分割の対象とされることになりました。
最高裁判所平成28年12月19日決定
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86354

現在は遺産分割成立前の一定額の払戻制度なども設けられています。
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/article/F/7705_heritage_leaf.pdf

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2022年03月09日

相続時精算課税制度を利用した贈与を受けた私は、後に、相続放棄はできるのでしょうか(相続・遺産分割)

質問
私は、父から相続時精算課税制度を利用した生前贈与を数千万円程度(父が所有していた不動産)既に受けています。
父は経営している会社が債務超過でその会社の多額の借入金の保証人になっており、会社の後継者はいません。
そこで、父に相続が生じた場合は相続放棄しようと考えていますが、相続時精算課税制度を利用している私が相続放棄することは可能でしょうか。

答え
1 相続時精算課税制度は税法上の扱いにすぎませんので、それを利用したからといって相続放棄が許されなくなるということはありません。
2 相続放棄はできますが、相続時精算課税制度を利用した生前贈与が、債権者に対する詐害行為にあたるという主張をされる可能性があります。しかし、主張が認められたとしても生前贈与によって取得した財産相当額を失うだけです(限定承認した場合と同じようなものです)し、必ず詐害行為の主張をされるというものでもありませんので、あまり心配しないでよいのではないかと思います。

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2022年03月08日

【事業者の方の顧問契約のおすすめ】

【事業者の方の顧問契約のおすすめ】
【顧問契約のメリット】
  日常的に契約や業務のリーガルチェック等を基本的に顧問料の範囲内で行います。
  日頃から業務内容を把握しているため緊急のトラブル等にも的確迅速に対応可能です。
  訴訟手続などが必要な場合は標準的な弁護士費用から3割減額した費用としています。
  内部に法務部がない中小事業者の方におすすめします。
【顧問契約の費用】
  従業員の規模に応じて標準的な費用を下記の通りとしています。
  従業員3人まで 月額2万円(税別)
  従業員10人まで 月額3万円(税別)
  従業員50人まで 月額4万円(税別)
  従業員51人以上 月額5万円以上(税別)
  顧問契約期間は3か月〜
 【対応可能な業種】
  インターネット関係、建築、労働者派遣、医療、美容、飲食、風営法関係、NPO法人、労働組合、介護保険事業者、宅地建物取引業、広告業、税理士業、スポーツ団体、芸能プロダクション(以上、これまでに顧問業務、理事、監事等として経験ありの業種)
  その他の業種の場合も対応可能ですのでご相談ください。
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