2014年06月18日

共有物分割とはどのような手続ですか(遺産分割等)

 遺産分割協議や審判の結果、その他様々な事情により、不動産などの財産を複数の人が共有する状態になることがあります。

 民法は、共有物の各共有者はいつでも共有物の分割を請求することができると定めています(民法256条1項本文)。

 当事者間での協議が調わないときは、各共有者は分割を裁判所に請求できます(民法258条1項)。

 裁判による分割の場合、現物分割や代償金による分割ができない場合は、競売による代金を分割することになります(民法258条2項)。

 上記の流れが、「共有不動産の分割手続(協議→訴訟→競売)」ということになります。

 この流れの中のいずれの段階でも、当事者間での合意が得られれば、競売による代金分割は避けられます。
 その合意の内容は、共有不動産の分割とは限らず、例えば、共有不動産全体を事実上使用収益している共有者が他の共有者に対して地代や家賃を支払うという合意もあり得るでしょう。
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2014年06月16日

準確定申告について教えてください(遺産分割)


質問
 被相続人が亡くなった日までの所得について、準確定申告が必要だと聞いています。
 その手続きは相続放棄していた場合しなくても良いのでしょうか。それとも相続放棄にかかわりなく行わなければならないのでしょうか。

答え
 所得税法124条・125条で、申告義務があるのは相続人とされています。
 相続放棄によって、もともと相続人ではなかったことになるので、申告義務はありません。
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2014年06月15日

療養看護型の寄与分(遺産分割事件)

大阪家庭裁判所で行っていた遺産分割事件が無事解決しました。

事件の中心争点は、被相続人の近隣に住んでいた相手方が晩年10年以上にわたって療養看護をしていたとして、1億円以上の療養看護型の寄与分を主張していたという事件です。

療養看護型の寄与分が認められるための要件は、(1)被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える特別の寄与であること、(2)寄与行為の結果として被相続人の財産を維持又は増加させていること(財産の維持又は増加との因果関係)、と言われています(片岡武他「家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務」238頁)。

今回の事件では、相手方が被相続人の住む同じマンションの別の部屋を購入して移り住んで、たびたび被相続人の自宅を訪問していたという事実は認められる事案だったのですが、そうだとしても、被相続人が認知症や介護を要する健康状態であったという事実がないもとでは、上記の要件の2つともに認めるに足りないと判断されたようです。

相手方が調停委員会から説得されたようで、最終的には寄与分の主張を認めることなく、和解に至ることができました。

介護保険導入後の最近の審判例では、被相続人が認知症で常時の見守りが必要な場合に相続人が介護したケースでは1日あたり8000円程度〜13000円程度の計算で寄与分を定めている事例が見られます(大阪家審平成19年2月8日家月60巻9号110頁、大阪家審平成19年2月26日家月59巻8号47頁)。

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2014年06月13日

自営業の夫が亡くなりました。寄与分は認められますか(相続・遺産分割)

質問
 個人自営業の夫が他界しました。
 配偶者である私は、26年間の労務の提供をし、そのうち15年は自宅で夫の療養看護にあたりました。
 相続の際、どれ位の寄与分が認められますか?

回答
 寄与分の計算方法について法律では細かいルールは定められていません。
 個人自営業の夫を助けて営業に専従していたのに賃金が全く支払われていない場合、裁判所は、寄与の程度を3割〜5割程度と大雑把に評価することもありますし、賃金相当額を計算して評価することもあります。
 妻に賃金が支払われていた場合は、寄与分が全く認められない場合もあります。
 療養看護の寄与分は、介護保険利用料や付き添い人を雇っていたとしたら要した費用を参考にして、1日あたり数千円の計算で寄与分が認められる可能性があります。


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2014年06月12日

寄与分とは何ですか(遺産分割)



 寄与分とは、共同相続人の中に、被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与(通常期待される程度を超える貢献)をした者があるときに、相続財産からその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなして相続分を算定し、その算定された相続分に寄与分を加えた額をその者の相続分とすることによって、その者に相続財産のうちから相当額の財産を取得させ、共同相続人の間の公平を図る制度です。
 寄与行為の態様には、(1)家業従事型、(2)金銭等出資型、(3)療養看護型、(4)扶養型、(5)財産管理型、(6)先行する相続における相続放棄、等の類型がみられます。

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2014年06月11日

債務者の遺留分減殺請求権を債権者が代位行使することはできますか(遺産分割・債権回収)


 原則としてできません(判例)。
 最高裁平成13年11月22日判決は、「遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が、これを第三者に譲渡するなど、権利行使の確定的意思を有することを外部に表明したと認められる特段の事情がある場合を除き、債権者代位の目的とすることができない」としています。
 その理由として、遺留分減殺請求権は、原則として、民法423条1項ただし書きにいう『債務者の一身に専属する権利』に当たるなどとしています。
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2014年06月10日

遺留分減殺請求権の行使にはどのような手続が必要ですか(遺産分割)

まず、内容証明郵便などの証拠がのこる方法で遺留分減殺請求の意思表示をおこなうことが必要です。

 遺留分減殺請求について当事者間での協議が整わない場合、家庭裁判所で調停を行うことができます。管轄の家庭裁判所は、相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所です(家事審判規則129条)。

 家庭裁判所の調停でも合意ができない場合、最終的な解決は民事訴訟によることになります(調停を経ずにただちに訴訟を起こすこともできます)。管轄裁判所は、相続開始時の被相続人の住所地の地方裁判所か簡易裁判所です(民事訴訟法5条14号)。

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2014年06月09日

遺留分・遺留分減殺請求権とは何ですか(遺産分割)


 遺留分制度とは、被相続人が有していた相続財産について、その一定割合の承継を一定の法定相続人に保障する制度です。本来、被相続人は自己の財産を自由に処分できるはずですが、他方で、相続制度は遺族の生活保障及び遺産形成に貢献した遺族の潜在的持分の清算などの機能を有していることから、民法は、遺留分制度により、被相続人の財産処分の自由と相続人の保護の調和を図ることとしています。

 遺留分の割合は以下の通りです。
 直系尊属のみが相続人である場合 3分の1
 それ以外の場合 2分の1

なお、相続人が兄弟姉妹や兄弟姉妹の代襲相続人である甥姪の場合には、兄弟姉妹や甥姪には遺留分はありません(民法1028条)。

 被相続人が贈与や遺贈を行ったたために遺留分を侵害された相続人は、遺留分減殺請求権を行使することによって、遺留分を確保する限度で、その贈与や遺贈の効力を奪うことができます。

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2014年06月08日

相続人の一人が受取人となっている生命保険の死亡保険金は特別受益にあたりますか(遺産分割)

 保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権又はこれを行使して取得した死亡保険金は、原則として、特別受益にはあたりません。
 ただし、保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、当該死亡保険金請求権は特別受益に準じて持戻しの対象となります(最高裁平成16年10月29日決定)。

 上記の最高裁判決後の事例として、相続開始時の相続財産の総額が1億134万円、相続人の一人が受取人の保険金が1億129万円という事案で、死亡保険金の持戻しを認めたケースなどがあります(東京高裁平成17年10月27日決定)。

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2014年06月06日

学費は特別受益に当たりますか(遺言・遺産分割)。


質問
 母が亡くなりました。相続人は姉二人と私(長男)の3名です。
 長女は短大卒業後に4年制の私大に進学、私は4年制の私大に進学後に資格試験の専門学校に進学、二女は4年制の私大に進学(但し学費は他の二人の進学した私大の約2倍)しています。
 特別受益はどのように計算したらよいですか。

答え
 結論としては、特別受益は誰にも認められないと考えます。
 裁判例は、被相続人の子が複数いていずれも高等教育を受けている場合に、子の個人差その他の事情により、その費用に多少の差が生じることがあるとしても、通常、その費用は親の子に対する扶養の一内容として支出されるもので、遺産の先渡しとしての趣旨を含まないものとして認識するのが一般的であり、仮に、特別受益と評価しうるとしても、特段の事情のない限り、被相続人の持戻し免除の意思が推定されるとしています(大阪高決平成10年12月6日家月60巻9号89頁)。

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