2022年03月05日

一筆の土地の一部の時効取得(隣地との境界をめぐる紛争) 仮処分決定に基づく分筆登記

質問
 私は20数年前に前所有者から住宅用にの土地と建物を買いました。隣地との境界線上には買った時からブロック塀があり、そのブロック塀の当方側の端が隣地との境界線だと信じていました。
 ところが、最近、隣地所有者が筆界確定手続の申立を行い、その調査の中で、公法上の隣地との境界線はブロック塀よりも1mほど私の自宅敷地側に入った線であるらしいということがわかりました。
 隣地所有者に対して、公法上の境界線は争わないがブロック塀の内側部分を分筆して当方に売るなどして境界問題を解決するようお願いしましたが聞き入れてくれません。
 どのような解決方法があるでしょうか。

答え
1 20年間、自己の所有地として占有を続けていることによって、ブロック塀の内側部分について取得時効が完成している可能性が高いです。
2 取得時効を主張して、ブロック塀内側部分の土地について所有権の移転登記を求める裁判を起こすことができます。

質問
 裁判を起こしている間に隣地所有者が土地を売ってしまったらどうなりますか?

答え
 隣地所有者から土地を買った買主との関係は民法177条の対抗関係となるとされています。つまり、買主が先に所有権の移転登記を得てしまうと、時効取得の主張は買主に対して対抗できません。
 こうした事態を避けるためには、時効取得に基づく所有権移転登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分を申し立てることができます。

質問
 処分禁止の仮処分を得たら、登記ができるのですか?

答え
 処分禁止の仮処分決定を得たら、それに基づいて法務局に、@代位による分筆登記を申請する、A分筆後の土地に処分禁止の仮処分の登記を申請する、という2段階の手続が必要になります。
 ただし、分筆登記が必ず可能であるとは言い切れません(原則として分筆のためには隣地の境界全部について境界を確定して隣地の正確な測量等を行う必要があるとされているため)。しかし、仮に分筆登記に成功しなかったとしても、仮処分決定を得ていることを現地に掲示するなどすることが可能ですから、仮処分決定を得る意味はあると考えられます。

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〒165-0027 中野区野方5-17-7 守屋ビル1階
しいの木法律事務所 弁護士 八坂玄功
電話 03-5373-1808  FAX 03-5373-1809
Eメール info@siinoki-law.jp  http://www.siinoki-law.jp/
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2022年03月04日

正当なストライキと民事免責

朝日新聞の本日付けの報道
「花畑牧場」(本社=北海道中札内村)で、ベトナム人従業員が起こしたストライキが波紋を呼んでいる。寮の水道光熱費値上げに抗議したものだが、会社側は労組結成前の突然の行為で「職場放棄だ」と主張。主導したとする4人に計200万円の損害賠償を求め、他の多くの従業員を出勤停止とした。

会社側の主張の骨格は、労組結成前の行為であるから、労働組合法上の正当なストライキではないというものであるように見受けられます。

しかし、団体行動権は憲法28条が保障する権利であり、労働組合法上の民事免責の効果は、憲法の趣旨に基づく確認的な規定であると解するのが通説です。最高裁判例(全逓東京中郵事件)も同じ。

労組結成前の行為であるから正当なストライキではないというのが会社側の主張だとするならば、それは大間違いだと言わざるを得ません。
posted by siinoki at 21:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律相談・労働相談

2022年03月03日

インターネット上の誹謗中傷やプライバシー侵害の書き込み

質問
 インターネット上に殺人予告などの書き込みをした場合に刑事事件になってすぐに書き込みをした者が特定される場合が多いようですが、誹謗中傷やプライバシー侵害などの書き込みで民事事件として弁護士に依頼した場合どのくらいの期間で特定できますか?
 またどのくらいの予算で出来ますか?
答え
 プライバシー侵害や名誉棄損の程度とプロバイダの発信者情報開示の姿勢によるので何とも言えません。
 プロバイダが任意に開示する場合は開示請求してから一か月くらいで判明することもありますが例外的です。
 多くの場合は、発信者情報開示仮処分、発信者情報開示請求訴訟が必要で、訴訟による場合は3か月くらいのこともあれば1年くらいかかることもあります。

 プロバイダによって、発信者情報開示に対する対応には差がありますが、任意の開示に応じるのは、プライバシー侵害や名誉棄損の程度が高く、違法性阻却事由も認められないことが明確な場合であり、率は少ないです。
 訴訟手続が必要な場合が多いでしょう。

 発信者情報開示を弁護士に依頼する場合、当事務所では、例えば下記のような費用でご依頼を受けている例があります(下記は、一例で、事件の難易、請求額の多寡などによって、契約内容は異なります)。
 発信者情報開示請求の仮処分及び訴訟段階 着手金330,000円
 開示を受けての損害賠償請求訴訟段階   追加着手金165,000円
 出廷日当                1期日あたり22,000円
 報酬金                 事件終了時に当事務所の報酬基準による。
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2020年11月01日

【民事法律扶助の利用について】

【民事法律扶助の利用について】
私(弁護士八坂)は日本司法支援センターとの民事法律扶助の契約はしています。
生活保護受給中で破産を申し立てる依頼者の方など、場合を限って民事法律扶助を利用しています。
一般的には民事法律扶助の利用はお断りしています。
理由は、
1 民事法律扶助が認める弁護士費用の額が不合理に低額であるので、民事法律扶助を利用しない一般の依頼者との関係で、著しい不公平が生じるから
2 弁護士費用は低いのに、逆に日本司法支援センターへの報告の手間などが増えるのは不合理だから
です。
民事法律扶助の利用をご希望の方には、必ずしもご希望にそえない場合がありますので、ご了承ください。
依頼者の方の資力によっては、弁護士費用の可能な範囲での分割払い等に応じることはしていますので、ご相談ください。
ーー
〒165−0027 東京都中野区野方5−17−7
守屋ビル1階 しいの木法律事務所
(2019年5月より事務所移転しました)
弁護士 八坂玄功 
東京弁護士会所属 登録番号27287
電話03−5373−1808 FAX03−5373−1809
メールアドレス yasaka@siinoki-law.jp
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【近隣の方を対象とする無料相談会のご案内】

【近隣の方を対象とする無料相談会のご案内】
 当事務所では、毎月第4日曜日に、日ごろお世話になっている近隣のみなさんにご案内して無料相談会を開催しています。
 次回は11月22日(日)です。
相談ご希望の方は、下記の事項を当事務所までお知らせください。
【ご住所】
【お名前】
【年齢】
【相談内容】⑴家族信託、相続、遺言、事業承継など、⑵事業にかかわる問題、⑶不動産、借地借家問題、⑷刑事事件、⑸家庭内の問題、⑹交通事故などの損害賠償請求、⑺インターネットにかかわる問題、⑻税金問題、⑼税金以外の行政にかかわる問題、⑽その他
【希望時間帯】30分程度
【連絡のとれる電話番号・メールアドレスなど】ご希望の時間が重なる場合時間の変更をお願いする場合があります。
 webでのオンライン相談をご希望の方はその旨お知らせください。
【遺言・相続出張相談会のご案内】
 当事務所では、遺言・相続出張相談会を随時行っています。1時間程度で、遺言・相続に関する基本的な事項についての説明を行い、その後個別の相談にも応じます。
 出張相談会希望の方はお申し込みください。
 料金:参加人数(1〜10人程度)に関わりなく10,000円(消費税別途)及び交通費実費。
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2019年07月17日

【自己破産3回目の人の申立】

【自己破産3回目の人の申立】

債務整理事件を大量に扱っている法律事務所においてはめずらしくないかとも思いますが、私の経験ではたぶん初めて、自己破産3回目という方の自己破産申立を最近行いました。

1回目の免責決定が16年前頃、2回目の免責決定が7年半前という方(非事業者)。

霞が関の地民20部からケチをつけられないように、
私としては通常レベル以上に慎重に準備して
通帳の個人への入出金についてはあらかじめ補足説明の紙を用意したり、
直近2カ月の家計簿を1円単位で正確に用意する等した甲斐があったようで、
無事に同時廃止事件として処理されました。

3回目だから有無を言わさず管財事件というような運用ではないことがわかりました。

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2019年07月06日

そろそろブログの記事を加筆訂正しないと。。。

法律相談などに関する記事の更新を怠けておりまして、5年間ほどほとんど更新をしていません。

その間に、相続法の改正、債権法の改正その他重要な立法や重要な裁判例があり、当事務所の移転などもあり、5年前以上のブログの記事には訂正が必要なものがいくつもある状態です。
法改正や裁判例の動きを知らないわけではなくて、ちゃんと知っています(笑)。
単にブログの記事の更新を怠けているだけですので、ご容赦ください。

順次、必要な訂正を加えて、記事を再投稿する予定としております。

今後ともよろしくお願いいたします。

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2019年05月08日

事務所移転のお知らせ 2019年5月

事務所移転のお知らせ

2019年5月7日より、しいの木法律事務所は下記の住所に移転しました。
今後も引き続き弁護士2名(八坂玄功、生駒亜紀子)で業務を行っています。
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

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2016年12月15日

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161215_1912~01.jpg沖縄高江への機動隊派遣費用の損害賠償を求める都民による住民訴訟。12月20日提訴予定です。今日はキックオフ集会。
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2016年03月31日

中野区議会の政務活動費返還を求める住民訴訟で勝訴判決

 2016年3月22日、中野区議会の政務活動費返還を求める住民訴訟で勝訴しました。裁判所は東京地裁民事2部増田裁判長です。
事案の内容は、条例や議会の規則に例示のない私的団体の年会費等(青年会議所の年会費等)が適法な支出とは言えないとされたものです。
 判決は、「政務活動費が使途を限定して交付される公金であり、残余があれば返還を命ずることができるとされていることからすれば、政務活動費を充てることが許される会派の調査研究その他の活動に係る経費に該当するためには、当該行為ないし活動に基づく支出が本件条例別表及び本件手引きに則したものであることを要するものと解され」るとして、条例や条例に基づく議会の規則に照らして厳格な解釈をすべきとの判断を示しました。
NHKのニュースでも報じられました。
 http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20160322/3883171.html

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