2014年05月26日

被相続人の預金を相続開始後に引き出して葬儀費用に充てました。相続放棄はできますか(相続・遺産分割)。



 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなされます(民法921条1号)。
 預金の引き出しは、相続財産の処分に当たりますから、法定単純承認が成立し、相続放棄は認められなくなりそうです。
 但し、裁判例には、相続財産から葬儀費用を支出する行為は相続財産の処分にあたらないとして相続放棄を認めているものがあります(大阪高裁平成14年7月3日決定家裁月報55巻1号82頁など)。
 相続放棄が認められる可能性がありますから、家庭裁判所で手続きをしてみて下さい。

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2014年05月25日

被相続人には銀行からの多額の借入金があります。借入金は遺産分割の対象になりますか(遺産分割)。

 被相続人に金銭債務があり、相続人が複数いる場合について、最高裁昭和34年6月19日判決は、「被相続人の金銭債務その他の可分債務は、法律上当然分割され、各共同相続人がその相続分に応じてこれを承継するものと解すべきである」としています。

 そこで、遺産分割協議や調停で相続債務も含めて遺産分割の対象とする相続人全員の合意ができれば協議や調停によりますが、合意ができない場合は、債務は相続人の相続分に応じて当然に承継され、遺産分割審判の対象にもならないことになります。

 また、遺産分割協議や調停によって相続人の一人が相続債務を負担する合意が成立したとしても、銀行などの債権者が承諾しない限り、他の相続人が相続分に応じた債務の負担を免れることはできないということになります。相続人の一人が相続債務を負担する合意をするときは、この点に注意することが必要です。

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2014年05月24日

遺産の中に銀行預金と定額郵便貯金があります。これらについて遺産分割協議は必要ですか(遺産分割)

 銀行預金について、判例は、可分債権(民法427条)にあたり、相続により当然分割され、各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継するとしています(最高裁昭和29年4月8日判決、最高裁昭和30年5月31日判決)。
 そこで、実務上は、遺産分割協議や調停の段階では、銀行預金債権も遺産分割の対象財産とする合意をして、他の遺産とあわせて協議や調停をします。審判段階では、銀行預金は審判の対象に含まれず、各相続人が相続分に応じて権利を行使することになりますが、相続人間において預金債権を分割対象に含める旨の合意が成立すれば、合意に従い、預金債権を分割対象に含めて審理する取扱いをしているようです。

 定額郵便貯金については、預け入れから10年を経過しない場合の払い戻し請求は、権利者が全員連名でしなければならないとの定めがあることから(旧郵便貯金法7条1項3号等)、銀行預金とは異なり、当然分割債権とはならない(遺産分割審判の対象となる)とされています。

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2014年05月23日

遺産の中に現金があります。これについて遺産分割協議は必要ですか(遺産分割)



 遺産の中に現金があり、相続人の一人が保管している場合について、最高裁判例があります。最高裁は、預金の場合とは異なり、遺産分割が行われるまでの間、現金を保管している相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の支払を請求することはできないとしています(最高裁平成4年4月10日判決)。
 預金等の金銭債権については民法427条が適用されるのに対して、現金にはそのような規定はないので、遺産分割が成立するまでは遺産共有の状態にあると考えられます。

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2014年05月22日

遺言と代襲相続(遺言・遺産分割)

質問
 私には配偶者、子はなく、親は既に亡くなっています。
 自筆の遺言書を作成して、兄弟のうち特定のふたりの兄を相続人に指定したいと思いますが、年長のため私より先に亡くなる可能性があります。
 その場合遺言書を書き直さなくても、亡くなった兄の子(甥・姪)が自動的に相続できるでしょうか?
 また、相続人のうちの一人を遺言執行者としたいのですが、亡くなってしまっていたら、誰が執行者になるのでしょうか。

答え
 相続人として指定した兄弟が先に亡くなった場合に、自動的に、その子(甥・姪)が相続人として指定されるわけではありません。
 そこで、遺言書には、「Aに相続させる。但し、相続開始時点で既にAが死亡していたときは、Aが相続すべきであった相続分はAの子のB及びCに等分で相続させる」「Aを遺言執行者とする。但し、相続開始時点で既にAが死亡していたときは、Aの子のBを遺言執行者とする」などと書きます。
 自筆証書遺言を自分だけで書こうとすると間違うことが多いので、公正証書遺言をおすすめします。
 どうしても自筆証書遺言にこだわりがあるのであれば、文面や遺言執行者の指定の仕方や保管方法を弁護士にきちんと相談すべきです。

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2014年05月21日

認知症の母の遺言に不正(遺言・遺産分割)。

質問
認知症だった母が亡くなりました。姉から母の公正証書遺言を見せられましたが、明らかに姉が決めた内容です。遺言を無効にできますか。

答え
遺言が無効か有効かを争うためには、あなたが遺言無効確認訴訟等を起こして、遺言が無効であることを主張立証する必要があります。
お母さんの遺言作成時およびその前後の認知症の程度、遺言の内容とお母さんの生前の言動の矛盾の有無、遺言作成時の状況などにもとづいて判断されます。
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2014年05月20日

遺言書による登記申請(遺言・遺産分割)



質問
 遺言書により、「ある不動産をすべてAという人に相続させる」とあった場合、その不動産を相続による所有権移転登記する場合、遺留分がある相続人がいた場合でもA名義ですべて登記申請できますでしょうか。
 遺留分の減殺請求権がある相続人との協議が必要なのでしょうか。

答え
 Aさんだけで登記できます。
 他の相続人との協議は必要ありません。
 なお、遺言が自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所での検認手続が必要です。
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2014年05月19日

遺言書と矛盾する財産の処分(遺言・遺産分割)



質問
 遺言書の事で、お聞きします。
 父親が危篤状態になり、母親が父親名義の証券や不動産の名義を母親に変更しているようです。
 しかし、私は、父親から危篤になる前に、遺言書を書いてもらっています。
 父親が生きているうちに、母親、他の相続人に、財産を名義変更されてしまった場合、いくら遺言書があったとしても、遺言書はただの紙切れ同然なんでしょうか。


答え
 遺言者が遺言と矛盾する財産の処分をした場合は、その部分については遺言は撤回されたものとされます(民法1023条2項)。
 つまり、生前の処分の方が、遺言より、優先します。

 お父さんには、実印や登記識別情報等の管理を厳重に行ってもらい、遺言に反する財産の処分を認めないようにがんばってもらうしかありません。

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2014年05月18日

長男に贈与した土地建物があります。遺言で二男のものにできないでしょうか(遺言・相続)



長男に贈与した土地建物は既に長男のものです。処分できるのは長男ということになります。あなたが遺言で長男の土地建物に言及してもその部分は無効です。
ただし、贈与が口頭によってなされたもので、かつ、登記移転がなされていない場合は、贈与を撤回することができます(民法550条)。
あるいは、負担付贈与であって長男が負担である義務を履行しない場合には、負担付贈与契約を解除することができる場合があります。

なお、長男が贈与税を払ったか払っていないかということと、贈与が撤回できるか否かは、直接関係がありません。

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2014年05月17日

相続人の一人が自筆証書遺言書を勝手に開封しました(遺言・相続)

相続の一人が遺言書を勝手に開封しました。遺言書は有効でしょうか。

答え
自筆証書遺言を無断で開封した場合は10万円以下の罰金とされていますが、検認を受けずに開封したことによってただちに無効になるわけではありません。
自筆証書遺言については、検認の手続が必要なので、その際に開示されます。

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